注1)私はアーリとは無関係に、「3.11」以降社会学の観点から地震災害や二酸化炭素地球温暖化の問題に取り組んできた(金子、2012)。しかし、「複数の未来像」の可能性については同意するものである。

注2)すなわち、ほぼ6行(100字)ごとに1つの割合での疑義である。

注3)2010年前後には、当時の鳩山邦夫首相が国連演説で二酸化炭素の25%削減をのべ、嘉田滋賀県知事が「朝日新聞」(2010年12月1日)で50%削減を主張したことがあり、ともに「率先垂範論」の代表となった(金子、2012:91-93)。

注4)解体や廃棄の費用については金子(2022)に詳しい。

注5)軍事行動は二酸化炭素の膨大な排出を不可避とする以上に、たくさんの人命を奪うから、国連の最大の義務は安保理の正常機能の維持にある。それが全く機能停止していることで、世界全体からの信頼を失ってきたことを国連事務次長は理解してほしい。

【参照文献】

Bernard,C.,1865,Introduction à l’étude de la médicine expérimentale .(=1970,三浦岱栄訳 『実験医学序説』岩波書店). 金子勇,2012,『環境問題の知識社会学』ミネルヴァ書房. 金子勇,2022,「『脱炭素』をめぐる想像力の問題」(アゴラ言論プラットフォーム 11月24日). 中満泉,2022,「気候変動、若者の声聞こう」(『北海道新聞』12月8日). Shumpeter,L.A.,1950,Capitalism,Socialism and Democracy,3rd.(=1977 中山伊知郎・東畑精一訳『資本主義・社会主義・民主主義』(新装版)東洋経済新報社). 杉山大志,2022,「COP27閉幕、途上国に年間14兆円払いますか?」(アゴラ言論プラットフォーム 11月23日). Urry,J.,2016,What is the Future? Polity Press Ltd.(=2019 吉原直樹ほか訳『<未来像>の未来』作品社. 渡辺正,2022,『「気候変動・脱炭素」14のウソ』丸善出版.