インクルージョンを推進させる4つのポイント

実際にインクルージョンの実現を目指す場合、どのようなことを行っていけば良いのでしょうか。インクルージョンを推進させる際の4つのポイントを解説します。


インクルージョンを推進させる4つのポイント



  • ポイント1.時間がかかることを認識して開始する

  • ポイント2.インクルージョンの重要性を社内に啓蒙する

  • ポイント3.体制や制度を整える

  • ポイント4.数値だけで判断しない



それぞれの詳細を解説していきます。

ポイント1.時間がかかることを認識して開始する

インクルージョンを推進させる1つ目のポイントは、「時間がかかることを認識して開始する」ことです。

インクルージョンは短期的に実現できるものではありません。文化が根付くのに時間がかかるように、従業員が自然にインクルージョンの感覚を身に付け、自発的に取り組んでいくのにはある程度の時間を要します。

インクルージョンの実現には時間がかかることを認識し、短期間で結果を感じられないからといって中断しないように。長期的な計画を立てて行いましょう。

ポイント2.インクルージョンの重要性を社内に啓蒙する

インクルージョンを推進させる2つ目のポイントは、「インクルージョンの重要性を社内に啓蒙する」ことです。

インクルージョンの実現には、全従業員の協力と意識の改革が必要不可欠です。インクルージョン成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。

インクルージョンに関する取り組みでは、さまざまな属性を持つすべての従業員が活躍できる環境の実現を目指します。

国籍や性別だけでなく、年齢や短時間勤務者など、従業員の個性や背景はさまざま。従業員同士がお互いを優遇されている、贔屓されているなどと考えるようになってしまっては、なかなかインクルージョンは推進できません。

まずは全従業員に対して、インクルージョンの基礎知識を身に付けてもらうこと。そのうえでなぜ自社で取り組むのか、実施した先でどのような効果を期待しているのか、従業員にとってどのようなメリットがあるのかを知ってもらいます。

あとは、日々インクルージョンについて意識するよう、社内での啓蒙活動を積極的に行いましょう。勉強会を実施したり、社内報などで取り組みを広く伝えるのも効果的です。

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ポイント3.体制や制度を整える

インクルージョンを推進させる3つ目のポイントは、「体制や制度を整える」ことです。

インクルージョンを実現させるには、多様な人材を活かすための体制や制度の整備が必要不可欠。例えば、外国からやってきてはじめて日本で働く従業員に対して、日本での慣習を強要した結果、本来の力を発揮できなくなってしまったら採用をした意味がありません。

人事部は、彼らが一番能力を活かせる体制や制度について考え、導入を検討する必要があります。

一方的に検討するだけではなく、どのような体制や制度があれば活躍しやすいのか、従業員と一緒に検討していくのもおすすめです。制度の検討を協業して行うことで、「自分の意見を聞き入れてもらえている」と実感しやすくなります。

ポイント4.数値だけで判断しない

インクルージョンを推進させる4つ目のポイントは、「数値だけで判断しない」ことです。

インクルージョンを推進させようとして、女性や外国人などの雇用を増やしたり、女性管理職の数を増加させるなどの施策を実行する企業があります。

そのこと自体は推進の一歩として問題ありませんが、重要なのは数値としての変化ではなく、多様な価値観や経験、個人が持つ背景を活かしたうえで議論や業務が進められているかということです。

ダイバーシティが認められるだけでは、インクルージョンが実現したとはいえません。個人の能力が発揮された事例や、それぞれの個性があったからこそ成功したプロジェクトの事例など、実績が伴ってはじめてその企業はインクルージョンであるといえます。

数値をKPIにして、数値にのみとらわれると、制度が形骸化する可能性も高いです。定量的な評価だけではなく、定性面の評価もできるような評価制度も検討しておきましょう。