インクルージョンを推進している企業事例

インクルージョンに関する取り組みは、障害者・高齢者・外国人の雇用だけでなく、各種制度の整備や柔軟な働き方のバリエーションを用意するなど、さまざまな施策が考えられます。インクルージョン推進を検討している企業にとって参考になる、インクルージョンを推進している企業の事例を5つご紹介します。

事例1.江崎グリコ

食品事業を展開する江崎グリコは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進している企業のひとつです。

まずは女性の活躍推進。女性の管理職や役員を増やすほか、キャリア開発研修なども行っています。子供を持つ女性に対しては、子育て支援に関する制度を充実させているのも魅力です。

再雇用の取り組みも実施しており、同社では最長70歳までの雇用延長が可能。これは、年齢に関係なく従業員が活躍できる取り組みのひとつです。

加えて、障害者雇用も積極的に行っており、障害を持つ従業員が活躍できる職場を実現するために新たな職場を施設内に新設。ただ雇用を推進するだけでなく、やりがいをもって働ける環境づくりも同時に行っています。

参考:江崎グリコ「ダイバーシティ&インクルージョン推進」

事例2.第一生命

保険を取り扱う第一生命は、働きやすい職場づくりの一環として「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進に力を入れています。

第一生命の「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みは、女性の活躍・障害者の活躍・グローバルダイバーシティ・ワークライフマネジメント・LGBTQフレンドリー・キャリア採用人財の活躍と、非常に幅広いのが特徴です。

例えば、ワーク・ライフ・マネジメントに関する取り組みでは、柔軟な働き方を推進。状況に応じてテレワークやフレックスタイムを活用できたりします。従業員がイキイキと働く環境を整備するために制度の充実なども図っています。

参考:第一生命「ダイバーシティ&インクルージョン」

事例3.NTTグループ

NTTドコモやNTT東日本など、数々のグループ会社を持つNTTグループでは、「ダイバーシティ&インクルージョン」推進の一部として、LGBTQに関する取り組みを2016年から実施しています。

任意団体「work with PRIDE」策定したPRIDE指標において、LGBTQに関する取り組みが評価され、2020年度はグループ18社が最高位に認定されています。

配偶者およびその家族に関わる制度全般を同性のパートナーにも適用したほか、LGBTQの従業員が安心して能力を発揮できるよう、管理者向けLGBTQ研修を実施。オンラインで開催した2021年には約100名が研修を受けており、彼らが活躍できる環境づくりを積極的に行っています。

参考:NTTグループ「LGBTQの取り組み」

事例4.第一三共

幅広い医薬品の開発・販売を行う第一三共では、「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みとして、多様な従業員のキャリア形成と働き方を実現するために、一人ひとりの成長を促す評価制度を導入しています。

また、さまざまな事情を持つ従業員が自分の力を最大限に発揮できるよう、コアタイムなしのフレックスタイム制度を作成したり、テレワークを推進したりと、柔軟な勤務体系を用意して働きやすい環境を整備しています。

「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現させるため、制度の見直しや新制度の導入を積極的に行っているのが特徴です。

参考:第一三共「インクルージョン&ダイバーシティへの取り組み」

事例5.凸版印刷

総合印刷会社である凸版印刷では、「ダイバーシティ&インクルージョン」推進のため2019年にダイバーシティ推進室を発足させています。

「ダイバーシティ&インクルージョン」の実現に必要な施策の企画・立案を担当し、各事業所の特色に合わせて具体的な施策を展開させていく体制を整えているのが特徴です。

女性の活躍推進や積極的な障害者雇用だけでなく、仕事と育児、仕事と介護を両立するための支援制度を充実させているのもポイント。従業員が安心して仕事に専念し、能力を活かすために柔軟な働き方の整備や制度適用要件の緩和などを行っています。

参考:凸版印刷「ダイバーシティ&インクルージョン」