これほどワクチンの接種が進んでいるのに、これまで、わが国から発信されるワクチンの予防効果については、2〜3の小規模な研究結果が論文化されているのみである。大規模なリアルワールドのデータが求められる。

厚労省がこれまで発表してきたワクチン接種歴別の新規感染者のデータは、HER-SYSに基づくものであるが、9月から全数把握の簡略化によってワクチンの接種歴の記入が省略されるようになった。その結果、HER-SYSで集められたデータを用いてワクチンの予防効果の検証ができなくなった。実際、9月14日からは、厚労省からワクチン接種歴別の新規感染者のデータは公表されなくなった。

ワクチン接種を推進する以上は、ワクチンの効果を検証できるデータを自国で収集すべきである。