インドネシアもインドとよく似ており、昨年の6月から8月にかけてデルタ株による流行があり、1日の感染者数は最大6万人に達した。その後、今年の2月をピークに再びBA.1による流行が見られた。4月以降はインドと同じく8月にBA.5による小規模な流行は見られたものの全体として落ち着いている。

台湾の感染者数は、昨年末までは一桁を更新し、世界でもコロナ対策の優等生と目されていた。しかし、今年の4月に入るとオミクロン株による流行が始まり、5月には1日の感染者数が9万人を超えた。5月16日から4回目のワクチン接種が開始されたが、その後も流行は続いている。台湾の人口は2,356万人で、日本の1/5であるが、合計の死亡者数は12,000人を超え、人口あたりの死亡者数は日本よりも多い。

韓国も台湾と同じく、昨年末まではコロナの感染はコントロールされていたが、今年に入ってオミクロン株による流行が始まり、3月中旬には1日の感染者数は40万人に達したが、その後は、流行は一旦収束する気配を見せた。韓国では4月13日から4回目接種が開始されたが、7月になると患者数は再び増加し、8月中旬には15万人を超えた。

4回接種を行っていないインドやインドネシアは、BA.1による流行も今年の3月に終息し、それ以降は大きな流行は見られない。台湾、韓国は、イスラエルや日本と同じく、4回目ワクチン接種後に感染爆発を経験している。

日本、台湾、韓国では、4回目接種を始めたのにもかかわらず今年の6月以降にBA.5による感染爆発が起こり、現在も終息していない。インドやインドネシアでも、この時期にはBA.5が感染の主流だったのに、大きな流行が見られなかったのはどうしてだろうか。