ワクチンを打てば打つほど感染しやすくなると警告する専門家もいるが、最近のコロナのまん延状況からは、あながち、否定もできない。そこで、4回目接種を行っている国と行っていない国、さらには、都道府県別の4回目ワクチンの接種率と新規感染者数を比較することで、4回目接種で感染の増加が見られるのか否かを検討した。

図1には、イスラエルと日本における4回目ワクチン接種以降の新規感染者数の推移を示した。

図1 日本とイスラエルにおける4回目ワクチン接種後の新規感染者数 CSSEGISandData/COVID-19

イスラエルは世界で最も早く、昨年の12月30日から4回目接種を開始した。接種開始がオミクロン株の流行開始と重なり、4回目接種直後から、過去最大の流行に見舞われた。日本でも、今年の5月25日から4回目接種を開始したにもかかわらず、新規感染者数はその後激増し、7月中旬からは、10週連続で世界最多を記録している。

図2には、アジア諸国の中で、4回接種を行っていないインド、インドネシアと、4回接種を行っている台湾、韓国の新規感染者数の推移を示す。

図2 4回目ワクチン接種を行った国と行わなかった国における新規感染者数CSSEGISandData/COVID-19

インドは、昨年4月からデルタ株による流行が始まり、5月には1日40万人に達する感染者数を記録している。デルタ株による流行は一旦収束したが、今年の1月にはBA.1による流行が始まり、1日の感染者数は30万人に達した。BA.1による流行も3月には終息し、7月から8月にかけてBA.5による小規模な流行は見られたものの感染爆発は起こっていない。