インド、インドネシアではデルタ株やBA.1による感染爆発を経験したので、全人口における抗体保有者の占める割合が高く、日本、台湾、韓国では、インドやインドネシアほどの流行を経験しなかったので、抗体保有者の占める割合が低かったのだろうか。

そこで、各国の6月1日の時点における、累積感染者数が全人口に占める割合を比較して見た。インドやインドネシアの割合は3%、2%であるのに、日本、台湾、韓国の割合は、7%、9%、35%で、かえってインドやインドネシアよりも高かった。

日本では5月25日から4回目接種が始まったが、都道府県によって接種率に差が見られる。接種率が高いのは東北地方の秋田県や山形県で10月17日現在、それぞれ39%、38%である。最も低いのは沖縄県の18%である。

図3は、ワクチンの接種率が上位の5県と下位5県の4回目ワクチンの接種率と、10月11日から17日までの人口100万人あたりの新規感染者数をプロットしたものである。

図3 4回目ワクチンの接種率と新規感染者数【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移新型コロナワクチンの接種状況

驚いたことにワクチン接種率が全国で最も高い秋田県や山形県の新規感染者数が最も多く、反対にワクチン接種率が最下位の沖縄県が、新規感染者が最も少ないという結果であった。ワクチンの接種率と感染者数が逆相関することを予想したのであるが、10県の分布を見ると逆に正の相関がみられる。