利益体質な経営に変革していくために
本記事では、日本のアパレル小売業における在庫データの問題について、市場縮小、予測偏重、組織の部分最適、誤ったデータ分析という4つの視点から原因と解決策を述べてきました。
日本は人口減少と高齢化が同時に進み、市場はどんどん縮小しています。そのような環境下で、これまでのように在庫の物量で勝負する経営は持続可能と言えるでしょうか。
今までのように当たるわけもない半年先の需要を予測して利益を生み出そうとするのではなく、「抱えた在庫を上手に利益に変える」という発想のもと、商品を売り始めてから計画と実績との乖離を軌道修正することが重要です。
そして結果を示す遅行指標だけを見るのではなく、結果の改善に影響を与える先行指標を見つけることで利益の機会損失を抑制できるのです。
ぜひ自社にあった先行指標を見つけ、仮説を立てて実行数を増やすことで利益体質な経営に変革していただきたいと思います。
<著者プロフィール>
瀬川 直寛
フルカイテン株式会社 代表取締役慶應義塾大学理工学部で天然ガスの熱力学変化に関する予測モデルを研究。ベビー服ECの経営者として、在庫問題が原因で3度の倒産危機に直面。それを乗り越える過程で外的要因や予測不能な変化に強い小売経営モデルを生み出し、『FULL KAITEN』を開発。
2017年11月、FULL KAITENをクラウド事業化し、SaaS型システムとして販売を開始。2018年9月にはEC事業を売却し、FULL KAITENに経営資源を集中している。
小売業の「在庫」を「利益」に変えるクラウドサービスとして評価を確立。現在、全国の大手アパレル企業やスポーツメーカーなどで導入が進んでいる。
当社は2021年7月、ジャフコ グループ株式会社が運用する投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資により、5億円の資金調達を実施。累計調達額は8億円超となり、FULL KAITEN新機能のリリースも控えさらに注目を浴びている。