ワニを飼育していた庭園

(画像=『たびこふれ』より引用)
<庭園側の門に続く階段©KanmuriYuki>
そんな高碕氏は無類の動物好きでもありました。今はもうない庭の池でワニを飼っていたというのですから驚きです。駝鳥の卵の人工孵化に日本で初めて成功したのも同氏でした。また、戦後、中共軍に監禁されたときにも「シラミを紙の上においてその走る速さを調べたり」(日本経済新聞)して遊んだと言います。
現在同記念館の管理運営は、高碕達之助が設立した東洋罐詰専修学校研究部を母体にできた公益財団法人 東洋食品研究所がしています。入館は無料ですが、館内見学については事前の予約が必要ですのでご注意ください。ヴォーリズ建築や高碕記念館の歴史、高碕達之助氏の業績などについて、非常に造詣の深い係の方がわかりやすく解説してくださいます。
最後に、忘れてはいけないのが、庭園の見事さです。1,135平方メートル以上の敷地は緑にあふれ、勾配を利用して、まるで植物園かと見紛うスペースも設けられています。駅と比べて標高が30m高い庭からの眺望も素晴らしいものです。庭園だけなら予約なしで見学できます。

(画像=『たびこふれ』より引用)
<隅々まで瑞々しく手入れされた庭©KanmuriYuki>
高碕記念館
- 庭園公開:10:00~16:00
- 休館日:月曜日(祝日は開館、翌日休)
- 入館料:無料
- 館内見学:事前に、公式サイトまたは電話で予約が必要
時間帯は10:30~12:00、13:00~14:30、14:30~16:00のいずれかを選ぶ - 問い合わせ先:072-740-6600(公益財団法人 東洋食品研究所 平日9:00~17:00)
【参考文献と参考サイト】
- 中嶋節子「近代における宝塚市雲雀丘住宅地の開発経緯とその性格 ―阿部元太郎による開発を中心にー」『大阪市立大学生活科学部紀要・第46巻』(1998)
- 宝塚市の文化財一覧
- 高碕達之助「私の履歴書」(昭和31年12月)『私の履歴書 経済人1』発行1980年、日本経済新聞社
- 上坂冬子『「北方領土」上陸記』2003年、文藝春秋
- 牧村健一郎『日中をひらいた男 高碕達之助』2013年、朝日新聞出版
文・写真・冠ゆき/提供元・たびこふれ
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