ズートピアっていうディズニー映画、日本じゃそこそこヒットでしたけどアメリカじゃ大ヒットしたそうで。
それは人種間問題みたいなのをやり過ぎなぐらいテーマにしたお話だったんですが、
・「マイノリティ保護の影に隠れて私利私欲を満たす極悪人」
とか、
・「いかにも古い時代のマッチョイズムでマイノリティを抑圧する旧時代の遺物のようで、最後には頼りになっちゃうタフガイ・ボス」
みたいな、一世代前のドグマ的な運動理論からすると非常に扱いにくいキャラクターも自然に描かれていたところが凄くいいなと思いました。
そのレベルでのダイバシティ(人が本来持っている多様性)まで配慮した上で、「現地現物の色んな人の良さを吸い上げる暗黙知」を崩壊させない形のまま、マイノリティ(性的マイノリティ・民族マイノリティ・あるいは女性)の社会進出を「その人らしさ」の問題として捉えていければ、トランプ的に永久に二極分化していく罵り合いを超えていける力になるでしょう。
日本社会の「古くて駄目っぽい部分」には、割り切りの良い欧米社会では「この難しさ」を軽視して先に切りすぎてしまった結果どうしていいかわからなくなった混乱・・・の「前段階のカオス」が残っているので、だから日本だからできることもある。逆に言うと「この宿題」が終わるまでは、日本の中に「欧米型のポリティカリーコレクトネス」からはみ出してる部分が大量に残ってる状況が改善することはないでしょう。大げさに言えばそれは人類にとって、また来年植えていずれ食べるべき種籾を残してるみたいな話なので、いくら批判されてもやめるわけにいかない(笑)
別に派手なデモをするのだけが民主主義への戦いというわけではないはず。今自分が働いている職場のレベルで、自分たちがラクになれるにはどうしたらいいか?を現地現物に積み重ねていく意志の中から、トランプ時代の分断を超える新しい希望は生まれてくるんだと私は考えています。
デモをやるのが得意な人はそうすればいい。空港で足止めされている人を助けられる弁護士はそれをやればいい。そうでないタイプのあなたにもできることはあります。無理せず一歩ずつ、良い世界を目指して歩いていきましょう。
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それではまた、次の記事でお会いしましょう。ブログ更新は不定期なのでツイッターをフォローいただくか、ブログのトップページを時々チェックしていただければと思います。
あと、この記事で書いた問題をより深掘りして、「日本社会の古い遺物扱いされているものが守っている価値」について、話題の遠藤周作&マーティン・スコセッシの映画「沈黙」をネタに書いた追加文章があります。
↑ここでも言いたいことは、「だからマイノリティは我慢しろ」ではなくて「この問題を一緒に考えて一緒に解決してくれる」のなら、誰もマイノリティを抑圧したりはしなくなるはずだ・・・というようなことです。力作なのでぜひお読みください。
(ちなみに、スーパーボウルは、ファルコンズ絶対勝ったな!!状態からトム・ブレイディの超絶プレイの連続連続また連続で、史上初の延長線を競り勝ってペイトリオッツが勝ちました。。なんか、メチャクチャ凄い試合だった。黒人QBたちがはやい段階でいなくなって、ちょっとツマンナイなーとか思ってた私の偏見が吹き飛びました。なんか凄いもん見せられたな。)
倉本圭造
経済思想家・経営コンサルタント
文・倉本 圭造/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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