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きれいな川は他にもあるのに、四万十川だけが「最後の清流」と呼ばれる理由
有名沈下橋をレポート!おすすめの沈下橋3選をご紹介

きれいな川は他にもあるのに、四万十川だけが「最後の清流」と呼ばれる理由

実のところ、水質だけで言えば、四万十川よりも綺麗な川は日本にはたくさんあります。

しかし、「最後の清流」と呼ばれる川は、四万十川以外にはありません。それはなぜでしょうか。

四万十川の本流にはダムがなく、大きな町や工場などもありません。河原から田畑を挟んで見えるのは、ごく一般的な民家くらいです。

一方、川の流れは大きく蛇行しているため緩やかで、魚や水生昆虫などが住みやすい環境が整っています。四万十川で獲れる魚の種類はざっと200種類以上。今でも、伝統的漁法で川漁が行われており、生活路としての沈下橋も生きています。

人類の祖先が川と一体となって暮らし、発展してきたという文化の痕跡は、かつて日本のどの川でも見られたものですが、いまはほとんど見られなくなったので、四万十川は日本の原風景を残した大変稀少な川であると言えます。

四万十川は以上のような理由から、『最後の清流』と呼ばれているのです。

有名沈下橋をレポート!おすすめの沈下橋3選をご紹介

四万十川の本流・支流にかかる47の沈下橋のうち、橋長100mを超える比較的大規模な沈下橋は下流域に集中しています。

ここでは、そんな下流域にあり、観光で訪れるのに特におすすめの3つの橋について、その特徴やおすすめの眺め方、周辺情報をご紹介します。

1.佐田(今成)沈下橋

実際よく沈む? 四万十川の沈下橋とは~おすすめの沈下橋3選付き~
(画像=『たびこふれ』より引用)

<地元の軽トラックと観光客が混在する、休日の佐田沈下橋>

四万十川の最下流にあり、かつ最長の沈下橋がここ佐田(今成)沈下橋です。特徴は、どこかポップでレトロなイメージ漂う、青い橋脚。

橋の幅は4.2mあり、沈下橋としてはかなり幅広のほうなので、沈下橋に慣れていない人でも、徒歩や車で通過しやすい橋です。

市内側から橋を渡り切ると少し高台となり、そこからは橋脚を含めた全体を眺めることができますよ。

四万十市内からもアクセスが簡単で、大きな駐車場やトイレなども完備されていますので、「初めての沈下橋」にもっともおすすめできる橋です。

  • 架橋:昭和46年
  • 橋長:291.6m
  • 幅員:4.2m

2.三里(深木)沈下橋

実際よく沈む? 四万十川の沈下橋とは~おすすめの沈下橋3選付き~
(画像=『たびこふれ』より引用)

<人影も少なく、静謐な三里沈下橋遠景>

佐田沈下橋のひとつ上流にありながら、観光客でにぎわう佐田沈下橋とはうって変わって、喧騒とは無縁の世界。静かに沈下橋の原風景に浸りたいのであれば、ここ三里橋がおすすめです。幅員は3.3mありますが、佐田沈下橋と比較するとたった1m狭いだけで、こんなにスリルが味わえるのかと驚かされますよ!

また、ここは夕日の名所でもあります。タイミングが合えば、ぜひ日没の近い時間を狙ってみてください。暮れてゆく四万十川と山並みを沈下橋から眺めれば、架橋時とほとんど変わらない風景にタイムスリップできるはずです。決まった駐車場はありませんが、周囲には数台車を停められるスペースとトイレがあります。

  • 架橋:昭和38年
  • 橋長:145.8m
  • 幅員:3.3m

3.岩間大橋

実際よく沈む? 四万十川の沈下橋とは~おすすめの沈下橋3選付き~
(画像=『たびこふれ』より引用)

<民家が見下ろす岩間大橋>

メディアで沈下橋が紹介されるときに頻出するのがこの岩間大橋。その理由は、山々を背景に川が雄大に蛇行する様子、突き抜けるような青空、周囲の集落などなど、「イメージする四万十川の風景」がこの岩間大橋を中心にぎゅっと詰まっているためです。

橋の上から川面や集落を眺めるのも良し、また、河原に降りて沈下橋とその背景を眺めるのも楽しみ方のひとつです。

2017年、老朽化により橋脚が壊れてしまいましたが、3年かけて修復され、現在はまた渡れるようになっています。この修復には、地元住民はもちろん、全国の沈下橋の復旧を望むファンからのクラウドファンディングによる寄付なども多く寄せられ、話題になりました。

  • 架橋:昭和41年
  • 橋長:120m
  • 幅員:3.5m ここでは紹介しきれなかった魅力的な沈下橋もたくさんあります。ぜひ機会があれば沈下橋めぐりをしてみてくださいね。