目次
相続税申告と納税
・申告が必要か判断するには
・申告書の作成方法
相続税申告の注意点
・財産の総額が大きい場合などは税理士に依頼しよう
・申告が遅れたらペナルティー
相続税申告と納税
故人から財産を受け継ぐと、人によっては相続税の申告と納税の義務が生じます。申告が必要かどうかはどのように判断すればよいのでしょうか? 判断のポイントと申告書の作成方法を解説します。
申告が必要か判断するには
相続税には非課税枠があります。基本的に、相続財産が「相続税の基礎控除額以下」であれば、申告・納税の必要はありません。
- 基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
例えば、法定相続人が5人の場合、基礎控除額は6,000万円(3,000万円+600万円×5人)です。
申告が必要か否か判断できない場合は、国税庁のウェブサイト「相続税の申告要否判定コーナー」を活用しましょう。相続財産の金額を入力すると、申告の可否を判断できます。
参考:【相続税の申告要否判定コーナー】-申告要否判定コーナートップ
申告書の作成方法
相続税の申告書の作成には、「紙の申告書を使う方法」と「国税電子申告・納税システム(e-Tax)を使う方法」の2パターンがあります。
紙の申告書は、国税庁のウェブサイトよりダウンロードが可能です。「税務署への持参」または「郵送」により提出しましょう。
国税電子申告・納税システム(e-Tax)を使う場合は「e-Taxソフト」または「民間の税務会計ソフト」で相続税の申告書を作成します。必要事項を入力するだけで、税額の計算が自動で行われるため、手書きよりも楽に作成できるはずです。
申告書に添付する書類は、適用される課税制度や特例の有無によって異なります。詳しくは税務署に問い合わせましょう。
相続税申告の注意点
初めての相続税申告は、必要以上に時間がかかる可能性があります。期限内に申告・納税を行えなかった場合は、どのようなペナルティーがあるのでしょうか? 申告に不安がある人は、早めに専門家に依頼しましょう。
財産の総額が大きい場合などは税理士に依頼しよう
相続財産の総額が億単位になる場合や、複数の不動産を所有している場合は、税理士に相談するのが賢明です。
相続財産の額が大きければ大きいほど、支払うべき税金も高くなります。ミスがあった際の追徴課税も相当な額になるため、プロの力を借りて正確に計算することが重要なのです。
とりわけ不動産の評価は素人では難しく、1人でやろうとすると膨大な時間と手間がかかるでしょう。
相続税にはさまざまな特例制度があり、特例の適用によって支払うべき税額が大きく変わります。適用漏れで余計な税金を払わないためにも、税理士へのサポート依頼を検討しましょう。
申告が遅れたらペナルティー
納付期限までに相続税を納めなかった場合、「無申告加算税」や「延滞税」が発生します。
無申告加算税は、確定申告を忘れたときのペナルティーです。納付すべき額は「税務調査の事前通知前」「事前通知後から税務調査前」「税務調査後」のタイミングによっても変わります。
税務署の調査を受ける前に納付をすれば5%に軽減されるため、できるだけ早く対処しましょう。申告期限から1カ月以内に自主申告した場合は、無申告加算税は課税されません。
無申告加算税とは別に、法定納期限の翌日から完納する日までは「延滞税」が生じます。延滞税の税率は以下の通りです。
- 2カ月を経過する日まで:「年率7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い方
- 2カ月を経過する日の翌日以降:「年率14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い方
なお、災害によって申告期限までに提出できなかった場合は、「申告・納付期限の変更」が可能です。
参考:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁
参考:延滞税の計算方法|国税庁
参考:1 申告期限の延長|国税庁