ネット銀行での振り込みにはさまざまな方法がある。振り込みのときはパソコンやスマートフォンなどを使うのが一般的だが、ネット銀行によっては電話番号やメールなどからの振り込みも可能だ。今回はネット銀行の振込方法や注意すべき点について解説していく。
目次
1.ネット銀行で振り込みをする5つの方法
2. ネット銀行での振り込み手順
3.ネット銀行で振り込むときの注意点
4. ネット銀行で振り込みをするには正しい知識と対策を
1.ネット銀行で振り込みをする5つの方法
通常の銀行では窓口やATMでの振り込みに対応しているが、ネット銀行ではそのほかにもさまざまな振込方法がある。ネット銀行で可能な5つの振込方法を紹介しよう。ただし、全てのネット銀行で対応しているわけではないので気を付けよう。
⑴ネットバンキングを利用
ネット銀行の振り込みは基本的にインターネットバンキングだ。パソコンやスマートフォン、タブレットなどからインターネットを利用して振り込める。
ネット銀行によっては専用のアプリが存在する場合もあり、より便利に振り込みなどの各種取引ができる。
⑵ATMを利用
ネット銀行では通常の銀行と同様に、自社ATMなど一部のATMからの振り込みにも対応している。ただしネット銀行では自社ATMの数が少ない場合もある。
自社のATMが少ない代わりにコンビニやメガバンク、ゆうちょ銀行などと提携するATMが多い。ただし一部のATMで振り込みに対応していない場もあるため注意が必要だ。
⑶メールでの振り込み
一部ネット銀行では振り込みのときに相手の口座番号が分からなくても、相手のメールアドレスと口座名義のみで振り込める。相手の情報がなくても気軽に振り込めるのは便利だ。
現在対応しているのは楽天銀行のみである。
⑷SNSでの振り込み
同じく楽天銀行では相手の口座情報が分からなくても、対象となるSNSと連携を行えばSNS上で振り込みができる。
さらに楽天銀行ではFacebookでの振り込みにも対応している。Facebookと連携すれば、Facebookを利用している人はSNS上の友達宛てに簡単に振り込める。
⑸電話番号での振り込み
ネット銀行のなかには相手の携帯電話の番号だけで振り込みができるサービスを提供しているところもある。相手の口座情報を全く知らなくても、携帯電話の番号が分かれば振り込めるので便利だ。
現在対応しているのはauじぶん銀行のみになっている。ただし他行の口座には振り込みができない。
2.ネット銀行での振り込み手順
ネット銀行のメリットは、いつでもどこでもパソコンやスマートフォンから振り込める点だ。このメリットを活用するために、ネットバンキングでの振込手順を解説していこう。
手順1……自分のネット銀行の口座に入金する
振り込みを行うためには自分の口座にお金を入れておく必要がある。ネット銀行への入金は主に、ほかの金融機関から自分の口座に振り込みを行うか、ATMから自分の口座に入金するかの2種類がある。
ほかの金融機関から振り込む場合は一般的な銀行の振り込み方法と同様だ。
ATMからの入金の場合は、自分の利用しているネット銀行のATMや提携ATMから入金できるので、事前に利用しているネット銀行に対応しているATMを調べて入金しよう。
ただしネット銀行によっては入金のときに手数料が発生する場合がある。
手順2……ネット銀行のネットバンキングへログインする
入金が終了したら、スマートフォンやパソコンを利用しネットバンキングへログインする。ネット銀行によっては専用のアプリなどもあるので、必要に応じて端末にインストールしよう。
ログインするためには各ネット銀行のホームページやアプリのログイン画面からIDやパスワードの入力が必要になる。IDやパスワードを他人に知られると不正アクセスされることもあるので、推測されやすいパスワードなどは避けよう。
手順3……振り込み情報を入力する
ログインが完了したら振り込み情報を入力する。多くのネット銀行では、ログイン後のメニュー画面から振り込みを選択し、情報を入力することで振り込みができる。
主な入力項目は、振り込み金額に加え、相手先の金融機関名、支店名、普通や当座などの口座の種別、口座番号だ。
当日の振り込みだけでなく、振り込み日の指定も可能だ。振り込みたい日を指定するだけでその日に自動的に振り込みが実行される。
振り込み依頼人についても初期設定では本名での登録になっているが、振り込みのときに名義変更もできる。
振り込み情報の入力後、最後に取引パスワードを入力することで全ての手順が完了する。ただし近年では2段階認証などの各種セキュリティ対策を求められる場合も多い。
3.ネット銀行で振り込むときの5つの注意点
ネット銀行での振り込みはパソコンやスマートフォンから簡単に行えるが、注意点もある。特に以下の5つの点は気を付けよう。
注意点1……金額や相手などに間違いないか確認する
ネット銀行では前述したとおり、自分で相手の口座情報や振り込み金額などを入力する必要がある。振り込み金額を一桁間違えてしまったり、口座番号を入力し間違えてしまったりすると大変だ。
そのような事態を避けるためにも、振り込み情報を入力後には振り込み金額や口座情報、相手の名前などを再度確認するように心掛けよう。
ネット銀行では銀行の窓口のように銀行員が確認することはないので、全て自分で確認しミスを防ぐ必要がある。
注意点2……セキュリティ対策を万全にする
ネット銀行では近年セキュリティ対策に力を入れている。不正アクセスなどにより自分の預金が知らない間に他の口座に振り込まれるなどの事案も発生している。
各ネット銀行によってセキュリティ対策の対応は異なるが、一般的には2段階認証などのセキュリティシステムを導入している場合が多い。
2段階認証とは通常利用するIDやパスワード、取引パスワード以外に別の認証をすることで本人確認を行い、セキュリティを高める方法だ。
例えば振り込み時に登録してあるメールアドレスなどに一度だけ利用可能なパスワードが送付され、そのパスワードを入力しないと振り込めないといったようなものだ。
本人しか知らないメールアドレスに一度しか利用できないパスワードを送ることによって、通常のIDやパスワード以外にもう一段階セキュリティが高くなり、より安全性が高まるのだ。
ネット銀行が行うセキュリティ対策以外にも個人でのセキュリティ対策も重要だ。普段利用するパソコンなどの機器にはウイルス対策ソフトを必ず導入しよう。
ウイルス対策をせず、ネット銀行を利用し続けているとウイルス感染のリスクも高くなり、不正な振り込みや預金の引き出しが行なわれる危険性がある。
自らの資産を守るためにも安全なネット環境からのネット銀行の利用を心掛けよう。
注意点3……IDやパスワードをしっかりと管理する
ネット銀行で振り込みをするときにはIDやパスワードの管理には気を付けよう。他人にIDやパスワードを見せないのは当然だが、推測しやすいパスワードの使用を避けることも大切だ。
他人のスマートフォンやパソコン、不特定多数の人が利用する機器などでID、パスワードを入力することも大変危険である。IDやパスワードが利用した端末から他人に不正に入手される可能性がある。
振り込みなどでネット銀行を利用するときは、自分や家族のパソコンなど信頼できる機器で行うのがおすすめだ。
注意点4……フィッシング詐欺にも注意する
振り込みを行うときはネット銀行のホームページからログインすることも多いだろう。そもそもログインしようとしているネット銀行のホームページが本物かどうかの確認も重要だ。
最近では詐欺集団などがネット銀行の偽の公式ホームページを作り、個人情報をだまし取ろうとするフィッシング詐欺というものも存在する。
このような偽ページでユーザーが個人情報を入力してしまうとIDやパスワードなどの情報だけでなく、最悪の場合は預金が奪われてしまう場合もある。
対策としてはネット銀行を騙った偽メールからネット銀行にアクセスするのを避けることや、本当に正しいホームページかどうかURLの確認などが必要だ。
注意点5……システムメンテナンスに注意する
ネット銀行では24時間365日振り込みが可能だが、一部例外がある。それがシステムメンテナンスだ。ネット銀行のシステムメンテナンス中は振り込みなどの各種取引が利用できなくなる。
ネット銀行のシステムメンテナンスは緊急の場合を除き、あらかじめ告知が行なわれるので、事前にいつ実施されるのかを把握して早めに振り込みを行っておこう。
4.ネット銀行で振り込みをするには正しい知識と対策を
ネット銀行はネットバンキングからの振り込みや一部では電話番号やメール、SNSから振り込めるなど利便性が高い。ネット銀行の利便性は大いに活用したいところである。
一方で不正利用をされないためにもセキュリティ対策には万全を期すなどし、ネット銀行の正しい振り込み方法を理解して正しく使いこなそう。
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文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)
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