海外の薪ストーブ関連の出来事
海外の方から有用な情報を多数ご教示頂いているので、参考までにいくつか付記しておこうと思う。
これらは薪ストーブ業界の闇や実態を如実に表わしている。詳細はリンク先を和訳してお読みいただきたい。
● 木材燃焼煤煙は温暖化加速と大気汚染促進と指摘
Health impacts of PM2.5 originating from residential wood combustion in four nordic cities
過去数年間で住宅暖房のバイオマス燃焼は増加、世界的に今後5〜15年間に一次粒子排出の主要な発生源になると予測。木材の燃焼は、温暖化効果を有する短寿命気候力子(SLCF)のブラックカーボンを放出する。緊急の行動が必要としている。
薪ストーブの利用拡大の大きな理由である脱炭素が、ここで否定された。木材燃焼は却って温暖化を逆に促進し、大気汚染を増加させることが判明した。
人口の4分の3(77%)が都市部や市街地では薪ストーブ禁止希望。半数以上が段階的に廃止(55%)または完全に禁止(54%)すべきと。喘息患者は更に都市部の薪ストーブの規制に84%の支持、完全に廃止支持71%‥これが普通のまともな感覚。日本でも調査すれば同様だろう。
Journal of the Air & Waste Management Association, Volume 72, Issue 7 (2022)
住宅用木材燃焼暖房(薪ストーブ、暖炉等)の大気汚染に関するレポート各種。大気質、大気汚染防止、廃棄物管理科学技術に焦点を当てた環境保護改善のための研究を出版。
● JOTULによるAmerican Lung Associationへの資金提供
US, American Lung Associationは、ノルウェイの薪ストーブ製造販売業者ヨツール(JOTUL)から多額の資金を受け取っている。これでは呼吸器関連学会は薪ストーブによる大気汚染や健康被害について、強く指摘できない。
ヨツールは高級薪ストーブとして北欧好きな日本にも多数輸入されている。
● UK,SIAによる煙は無害論文
UK,StoveIndustryは言い逃れの正しくない論文を発表
薪ストーブからの煙が有害である証拠は無い、という論文を提示。
● US,EPAの試験結果の偏り
Doctors and Scientists Against Wood Smoke Pollution c 2020
欧米基準を満たした新しい薪ストーブはクリーンだというのは嘘。2015年基準EPA等の試験は最良状態で安定燃焼時の煙しか調査しておらず、実際に家庭で使用される状態では大量の有害物質を排出し続ける事実が判明している。木材燃焼が無害で環境に優しい、という根拠はもはや失われた。