新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)の影響で、多くの飲食業が打撃を受けた。ここでは、大手飲食チェーンの業績を比較しながら、各社が受けた影響や課題について掘り下げていく。

「一風堂」VS「一蘭」業績比較

黒字見込みへ転換した一風堂

一風堂を展開する力の源ホールディングス<3561>は、2022年3月期第2四半期決算が、売上高87億6,000万円(前年同期比23.9%増)、営業利益2億6,200万円(前年同期は▲9億1,000万円)であった。当初の赤字見込みから黒字に転換して話題になっている。

2022年3月期に関しては、黒字化を予想。コロナの影響で先が読めない状態ではあるが、テイクアウトやデリバリーの強化、低投資型店舗の出店などの効果が出はじめているようだ。業績予想が上振れする可能性も充分あり得るだろう。

また、一風堂は海外展開もしているが、海外店舗の健闘も業績改善を支えている。

一蘭はEC事業が好調

一蘭は、上場しておらず足元の業績は不明だが、2020年12月期の売上は151億6,000万円(前年同期は230億円)、営業利益は6億5,800万円(前年同期比26億6,600万円)の黒字であった。

コロナ流行前の前年よりは業績を落としたものの、力の源ホールディングスがコロナの影響により営業利益ベースで赤字になったことを考えると踏ん張ったといえるだろう。2020年第2四半期におけるEC売上高が前年同期比3倍であったことなど、店舗以外の活動が功を奏したといえるのではないだろうか。