1,079店舗に給付された協力金の存在

サイゼリヤは国内に1,079店を展開しており、それらの店に給付された協力金の合計は、75億2,200万円に及んだ。

営業損益は売り上げから人件費や物件の賃貸料など、営業に必要な費用を引いたもので、本業の収益を示す。他方、経常損益は営業損益に手数料収入や補助金収入など本業以外の事業上の収入を指す「営業外収益」を足し、本業以外の損失「営業外費用」を引いて出す。純損益は一時的な収入「特別利益」や損失「特別損失」、各種税金を引けば純損益となる。

同社では今回、協力金が営業外収益に加わったため、経常損益と純損益が黒字転換した。もっとも、同社は期初に営業外収益70億4,400万円を予想していたため、計画比で見れば、やや上振れした程度になる。

薄氷の黒字化、予断許さず

つまり、同社の中間決算は「莫大な臨時収入」があったがゆえに実現した「薄氷の黒字化」と言える。

ちなみに下半期(2022年3~8月)は自治体からの協力金15億円を見込む一方、固定資産の減損損失10億円を見込み、これらが相殺し合うと、協力金は純利益を5億円上振れさせる要因にしかならない。

時短要請がなくなれば協力金収入はなくなる一方で、まだ感染防止対策を意識して外食を控えようという人も少なくない。同社は通期決算では営業黒字化を見込んでいるが、順調に業績が回復するかどうかは見通しにくい状況にある。

文・MONEY TIMES編集部

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