低価格のイタリアンレストランを経営するサイゼリヤが発表した2022年8月中間期の連結決算は、営業赤字だったものの、最終黒字が50億円となった。本業は赤字なのに黒字を確保できた背景には、コロナ禍特有の「75億円」の収益の存在があった。

営業損益は赤字だが……

サイゼリヤの2022年8月中間期(2021年9月〜2022年2月)の連結決算は、売上高が前年同期比10.1%増の692億1,100万円で、必要経費を引いた営業損失は4,600万円(前年同期は損失7億8,200万円)だった。

一方、経常損益と最終損益は前年同期の赤字から黒字に転換し、経常利益は76億6,300万円、純利益は50億3,100万円となった。

売上高 営業損益 経常損益 純損益
692億1,100万円 ▲4,600万円 76億6,300万円 50億3,100万円

同社の損益計算書を見ると、経常、最終損益の黒字化に貢献した最も大きな要素は、営業外収益に計上される「補助金収入」だった。これは新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大する中、政府や各自治体の時短営業の要請に応じた際に支給された「協力金」を指す。