トップメゾンが絶対に明かさない売上高原価率
さて、このように何年もロジスティクス(物流 x 倉庫)、基幹システムのグローバル展開、店舗教育などをやり、ストレステスト(仮に、計画通りに売上が進んだ場合、バリューチェーン上のどこにボトルネックが顕在化するのか、また、その解決案は何か)をひたすらやってきた私にとって、ブランドビジネスは単純であるといえば単純ではあった。だが、それだけに非常に“Well organized”されているため、経営コンサルタントの役割は「足りない手を貸すこと」になる。そのためこうした仕事は、コンサルファームの中では、あまり人気はなかったようだ。
しかし、オペレーション競争も限界に来ている今、私たちは来るべき「世界化」に向け、そして、「ブランド拡張戦略」による付加価値向上をしてゆくため、参考になる話は山のようにあるはずだ。なおトップメゾンにとって、売上高原価率はトップシークレットとなっており、外部には絶対に明かされない。圧倒的に低い原価率であることは確かだが、そのことに対して、誰も文句を言わないことが、そのブランドの強さを物語っているのである。
プロフィール
河合 拓(経営コンサルタント)
ビジネスモデル改革、ブランド再生、DXなどから企業買収、政府への産業政策提言などアジアと日本で幅広く活躍。Arthur D Little, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナーなど、世界企業のマネジメントを歴任。2020年に独立。 現在は、プライベート・エクイティファンド The Longreach groupのマネジメント・アドバイザ、IFIビジネススクールの講師を務める。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)
デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
筆者へのコンタクト
提供元・DCSオンライン
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