建築士の年収の目安
建築士の年収は、一般的なビジネスパーソンに比べてやや高めといわれています。専門性の高い職業であるため、安定した収入を得やすいのが特徴です。
厚生労働省が公開している「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、企業規模10人以上の就職先に務める一級建築士の平均月給は約46万円。ボーナスの平均支給額は約148万円であるため、年収にすると約700万円が目安となります。
参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」
建築士になるための方法
建築士になるための方法は大きく3つあります。1つ目は、もっとも最短である学歴ルート。
2つ目は建築整備士資格を取得するルート。そして3つ目は、学歴なしで実務経験を積むルートです。各ルートで建築士を目指す際の知っておきたいポイントや注意点、おすすめの方について解説します。
1.4年制大学や短期大学などで指定学科を修める
建築士になるための1つ目の方法は、4年制大学や短期大学などで指定学科を修めることです。
4年制大学・短期大学、高等専門学校・専修学校を卒業して建築士を目指す場合、指定された学科を修めれば、受験資格を得られます。
ただし、指定科目数の単位は学歴によって異なり、取得した単位数に応じて実務経験が必要になる場合もあるので注意が必要。指定科目数40を取得すれば、実務経験は不要ですが、30の場合は実務経験1年、20の場合は実務経験2年となってしまいます。
なるべく最短のルートでの取得を検討している方は、在籍中に指定科目数40単位を取れる学校で学ぶのがおすすめです。
参考:建設業トータルサポートオフィス 橋本税理士・行政書士事務所「木造建築士・二級建築士になるには」
2.建築整備士の資格を取得する
建築士になるための2つ目の方法は、建築整備士の資格を取得することです。
建築整備士とは、建築士法に基づき、建築設備に関する専門的な知識や技術を有している有資格者のことを指します。建築士に対し、建築設備の設計・工事監理に関するアドバイスを行うのが主な業務です。
建築士資格の取得を目指す際、建築整備士の資格を有している方は受験要件を満たしていることになります。
建築整備士試験の合格率は例年20〜30%台を推移。建築士試験より難易度は低いものの、簡単に取得できる資格ではないことは留意しておきましょう。なお、建築整備士試験を受けるためには学歴や実務経験などの要件が定められており、取得までにはある程度の時間を要します。
そのため、建築整備士の資格を取得してから建築士を目指すことは、やや回り道に感じる場合も少なくありません。
参考:一般社団法人 建築設備技術者協会「建築設備士とは」
参考:日建学院「2021年 建築設備士第一次試験 合格発表」
3.7年以上の実務経験を積む
建築士になるための3つ目の方法は、7年以上の実務経験を積むことです。
二級建築士もしくは木造建築士を学歴なしで目指す場合、実務経験を積むことで受験資格を得られます。建築士になるまでもっとも時間を要するルートではありますが、すでに社会人で建築現場での経験を数年積んでいる場合におすすめです。
学費が不要なので金銭的な負担がかかりにくいのがメリット。社会人として働きながら予備校に通い学習を続けることで、建築士を目指せます。
参考:公益財団法人 建築技術教育普及センター「受験資格」