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建築士が活躍している場
建築士のやりがい

建築士が活躍している場

建築士が活躍している場所は、建築事務所・建設会社・ハウスメーカーと大きく3つに分けられます。基本的には建築士として設計や工事監理に携わるのは変わらないものの、設計する建物の規模や担当する業務範囲が異なるため、就職先を選ぶ際には注意が必要です。

1.建築事務所

建築士が活躍している1つ目の場所は、建築事務所です。

なかでも建築事務所はアトリエ系と組織系に分類され、アトリエ系は意匠やデザインにこだわる傾向があります。有名な建築士が主宰していることが多く、その作家性が強く反映された設計が特徴です。個人の注文住宅の依頼を承るケースが多いのもポイントです。

一方、組織系と呼ばれる建築事務所は、ビルや商業施設など大きな建築物の設計を手掛けることがほとんど。依頼主は、長期的な視点でのメンテナンスのしやすさやターゲット顧客層を広く考えているため、意匠やデザインではなく設計を重視する傾向にあります。不特定多数に向けた建築物を設計したい方が多く活躍するのが組織系の建築事務所です。

2.建設会社

建築士が活躍している2つ目の場所は、建設会社です。

一般的な就職先のひとつで、大手から中小企業まで選択肢が幅広いのが特徴です。なかでも、設計・施工・研究を自社で行っているゼネコンは人気が高く、多くの建築士が活躍しています。

ただし、入社後すぐに建築士の資格を活かせる仕事を任せてもらえるかどうかはやや微妙。設計以外の業務を行う必要も出てきます。建設業界全般のことを知れるのは利点ですが、建築士として設計や意匠など、やりたいことが明確な場合はずれを感じる可能性もあることは留意しておきましょう。

3.ハウスメーカー

建築士が活躍している3つ目の場所は、ハウスメーカーです。

建設会社と同様に、建築士としての設計以外の業務も行う可能性があります。そのため、社会人としてさまざまな経験を積めるのがメリットです。

設計段階で必要な業務をほとんどひとりで担当するのも、ハウスメーカーでの建築士の働き方の特徴。建築事務所では、意匠・構造・設備と各設計はそれぞれの専門家が担うことも多くありますが、ハウスメーカーの場合は個人宅の依頼がほとんどのため、ひとりの建築士が担当する傾向にあります。設計の総合力が問われます。

建築士のやりがい

建築士は、建物の規模にかかわらずさまざまなやりがいを感じられる職業です。人や街に与える影響力は大きく、関わる人も多いため、喜びを分かち合いながら仕事ができます。建築士という職業が気になっている方に向けて、建築士のやりがいについて解説します。

1.新しいことにチャレンジし続けられる

建築士の1つ目のやりがいは、新しいことにチャレンジし続けられることです。

建築士の仕事では、毎回条件や設計、デザインなどが異なります。同じ建築物を設計することはほとんどなく、毎回新鮮な気持ちで業務に取り組めるのが特徴。また、設計やデザインの正解はないため、自身が考える適切な建築物を極限まで追求することができます。

自分の頭で考え、依頼主が理想とする建築物を提案・実現できたときには大きなやりがいを感じられるでしょう。

2.ゼロから建築を作る面白さ

建築士の2つ目のやりがいは、ゼロから建築を作る面白さです。

自身がデザインした建築物が実際に完成する過程を楽しめるのは、建築士ならではのやりがいです。土地や予算、法律などクリアしなければならない課題が多く、設計から工事までの道のりが長い分、建物が完成したときの感動はひとしお。

仕事が実際に目に見える形となり、街に残り続けるため、仕事を誇りに思う人も多いです。

また、完成後にはプロジェクトに関わったすべての人たちと達成感や喜びをわかちあえるのも魅力です。

3.建物だけでなく街の発展にも関われる

建築士の3つ目のやりがいは、建物だけでなく街の発展にも関われることです。

建築士の主な業務は建築物の設計ですが、最近では街づくりの要素も関係しています。新しい商業施設が完成すればその地域には外から人が足を運び、交流が盛んになり街が活性化します。

建物ひとつで街の空気が変わることも多く、影響力の大きい仕事です。