目次
■二日目はアカデミックに沖縄県立博物館へ
■旅の締めくくりに訪れたのは「国立劇場おきなわ」での組踊公演
■二日目はアカデミックに沖縄県立博物館へ

二日目、最初に訪れたのは「沖縄県立博物館・美術館」だ。前日に浦添や首里を巡り、沖縄の成り立ちや文化、歴史に興味が湧いたのがその理由。ここは博物館と美術館が併設された施設で、今回は歴史を学ぶために博物館常設展への入館のみでチケットを購入した。
広い館内では、地学や人類学、生物分野を含めた「自然史」、沖縄の「考古」、琉球の「美術工芸」、独立国家だった琉球王国から現代に続く「歴史」、沖縄の生活文化にふれる「民俗」の5つの部門に分かれ、総合的に沖縄のことが学べるのだ。
貴重な資料や実物展示が豊富で部門ごとに見応えがあり、3時間かけてじっくりと見学する。特に興味深かったのは、歴史と民俗部門だろうか。いわずもがな前日に歩いた2つの城のことや、伝統的な生活様式や信仰など、琉球から沖縄へ移り変わることで“変化したこと”や“受け継がれていること”を思い浮かべながら、楽しむことができた。
沖縄県立博物館・美術館
沖縄県那覇市おもろまち3-1-1
■旅の締めくくりに訪れたのは「国立劇場おきなわ」での組踊公演

思いつくままに沖縄滞在を楽しんできたのだが、実は前日、浦添市美術館で見つけたチラシを見て詳細もわからないまま衝動的にチケットを購入したのが、国立劇場おきなわで本日開催される組踊公演「賢母三遷の巻」(けんぼさんせんのまき)である。
知識がゼロの人間がいきなり行っても良いものか少し悩みはしたものの、これを逃すとこのような機会に出会うことはないと思い、公式サイトから申し込んだ。幸い終演予定も16時頃とのことなので、19時30分発の帰路の飛行機には十分間に合いそうだ。
開演時間に合わせて会場へ入ると、想像以上の盛況に驚く。指定の席へ着席して見渡したところほぼ満席状態である。ちらほらと観光客らしき姿もあるが、客席のほとんどは地元のご年配や親子連れといったところだろうか。そこへきてようやく琉球舞踊がどれだけ地元の人々に愛されていて、特別なものなのかということに気付いた。
開演直前にあらすじだけを頭に叩き込み鑑賞したのだが、ステージ脇に現代語の翻訳が流れ初心者でも作品世界に没入することができた。
この演目「賢母三遷の巻」は、夫をなくした妻が幼い1人息子を立派に育てるため、苦労しながらもより良い環境を求めて引っ越しを繰り返す中で、その母の期待に応えるべく勉学と手伝いに励む息子の努力する様が、やがて口伝てに慈悲深い領主の目に留まり、世の模範として引き立てられ報われるという内容。
歌三線や台詞の独特な節回し、琉球音階の音程が非常に印象的で、これまで観たことのある歌舞伎や能など伝統芸能との違いが素直に面白かった。こうして琉球の古典にタイミング良く触れることができたのはラッキーだったなと思いながら、満足した気持ちで旅を終えることができた。
国立劇場おきなわ
沖縄県浦添市勢理客4−14−1