エアサスを装着するための値段(費用や相場は?)

エアサスとは?エアサスペンションの仕組みと構造、装着・車検費用や乗り心地は?
(画像=©lstudiopure/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

部品の費用

市販で販売されているエアサスキットは40〜90万円となっています。前後サスペンション向けでの価格ですから、フロントサスペンション単体、コンプレッサー単体といったように特定の部品だけ購入する場合は、当然ですが安くなります。

現在はリモコンやスマートフォンアプリでの操作を可能とするワイヤレスシステムが主流となっています。ワイヤレスタイプにする場合は、電磁バルブ式となるため機械式の基本構成価格に加えて10万〜30万円の追加費用が必要です。

取付工賃

業者により差があるとしても、取付・施工工賃は10万円以上となります。キットの種類や車種によって異なりますので、依頼先の業者へ事前に見積もりを取るほうが良さそうです。

車検費用

公認を取得していればエアサスで車検を取得できます。車検整備費用はここでは割愛しますが、改造申請書の準備と提出を業者に依頼した場合、その費用(改造申請書類作成費用)は大体3万円前後が相場です。

つまり自分でやれば3万円の費用削減(お小遣い入手)が可能となります。

初心者はここまで理解しておけばOK。ここからは少し上級編のマニアックなお話です。

エアサスの構造|どんな部品でできている?

エアサスとは?エアサスペンションの仕組みと構造、装着・車検費用や乗り心地は?
(画像=©Dezay/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

エアサスは次のような部品で構成されています。

・ショックアブソーバー(ダンパー)
・エアバッグ
・コンプレッサー / タンク
・バルブ
・メーター / 配線・配管

コイルスプリングが使われているサスペンションと同じパーツもありますが、空気を調整することに関連したパーツが多い点はエアサスの最たる特徴です。エアサスの構造を知る前に、まずは全体の構成部品を知っておきましょう。

エアサスの構成部品

ショックアブソーバー(ダンパー)

ショックアブソーバーでお馴染み筒状のパーツです。力がかかって縮んだスプリング(ばね)が伸び戻る時の反力をゆるやかにする役割を果たしています(減衰力を発生させる)。エアサスではスプリングの役割を果たすものとしてエアバッグが採用されていますが、役割は同じです。

エアバッグ(空気ばね)

エアサスにおける主人公と言っても過言ではないパーツです。ショックアブソーバー上部に装着されていて、樽のような形状となっています。

この内部の空気圧を高く・低くすることで、車高が高くなったり低くなったりする仕組みです。たくさん空気がエアバッグへ送られると膨らんで車高が高くなり、反対に空気が抜かれるとしぼんで車高が低くなります。

コンプレッサー / タンク

エアバッグの説明から想像するように、エアバッグ内部へ空気が送られる機構が必要になります。そのために使われるのが、エアバッグに送るための空気をまとめておくためのタンクや、タンクに貯める空気を生み出して供給安定化に貢献するコンプレッサーです。

バルブ

コンプレッサーとタンクがあるだけではエアバッグ内部の空気圧を調整できませんから、そのために必要なバルブ(弁)を装着します。

操作方法(開閉構造)に種類があり、1つはスイッチを押すと機械的にバルブを操作できる手動(機械式)タイプ、もう1つは電磁バルブ(ソレノイドバルブ)が装着され電気を用いてバルブを操作する自動(電気式)タイプです。

メーター / 配線・配管

エアバッグ内の空気圧の数値を示すメーターが組み付けられます。メーターを確認しながら空気圧を調整することで、気に入ったエアサスの空気圧(つまり車高の高さや乗り心地)を正確に知ることができるのです。

コンプレッサーを回すためには電源を確保しなければならないので、空気を送るための配管コンプレッサーとバッテリー電源を繋ぐ配線作業も行います。

また、エアバッグ・エアータンク・コンプレッサー・スイッチなどをホースで繋ぐ配管作業を行い、空気を送るルートを確保しなければなりません。

エアサスの基本構造と高性能モデルの構造

空気バネによる反発力はエアバッグ内の空気量によって可変するため、エアサスは常用する車高とショックアブソーバーの減衰力のバランスが肝心です。近年は減衰力調整式車高調式ショックアブソーバーとエアバッグを組み合わせたエアサスが主流であり、従来よりも乗り心地や走行性能の調整幅が広がっています。

圧縮空気を作り出すコンプレッサーはタンクと直接つながっており、タンクから制御バルブを介して各サスペンションに備わったエアバッグに圧縮空気を供給する基本構造は今も昔も変わっていません。

機械式やバルブ式の場合は、タンクやバルブの設置場所から車内のスイッチやメーターまで配管が必要がありますが、電磁バルブ式+ワイヤレスなら車内への長い配管は不要です。さらに機器の小型化が進んだことにより、多くの車種でコンプレッサー・タンク・バルブユニットをまとめてラゲッジアンダーフロアに設置できるようにもなっています。

また電磁バルブの電子制御化により、車高の上下操作は半自動ともいえるほどに簡略化され、タンク内の空気圧や現在の車高値などもWi-FiやBluetoothによるワイヤレスでリモコンやスマホに表示させられるようになっている点も高性能エアサスの特徴です。