エアサスのデメリット

総じてコイル式スプリングより高価

エアサスそのものが高額な製品です。機械式バルブを使う標準タイプでも本体価格が40万円ほどで、さらに高級品となると80万円ほどの価格がつけられたものもあります。

コイル式スプリングのサスペンションでは同価格でオーリンズのサスペンションキットを購入できるくらいです。

構造が複雑でメンテナンスに手間がかかる

エアサスは、コイルスプリングを使う一般的なサスペンションと比べて多くのパーツを使用することもあって構造が複雑です。そのため、メンテナンスに手間がかかります。

バルブやタンク、コンプレッサーのメンテナンスも必要となります。メンテナンス頻度の目安は1年ごとです。

もちろんショックアブソーバーも使用すれば劣化しますので、減衰力の効きが悪くなったら替え時となります。

このことからも、エアサスがコイル式スプリングのサスペンションと比較して高価なものであるとわかります。エアサスのカスタムは、非常に贅沢な遊びということですね。

コンプレッサーやタンクを荷室へ配置しなければならない

エアサスとは?エアサスペンションの仕組みと構造、装着・車検費用や乗り心地は?
(画像=©Yakov/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

エアサス用のコンプレッサー、タンクなどを配置する場所には、荷室を使うことが多いです。つまり、買い物したものや出かける時の荷物などを荷室へ置く時に障害になるということ。

電磁バルブを使う場合にはそれも同様に荷室へ配置することになるので、さらにスペースを取ります。

エアサスの人気メーカーは?

エアサスを取り扱うブランドは、日本だけでかなりの数があります。そのなかの人気3メーカーをピックアップして、それぞれのエアサスの特徴を紹介します。

ACC

ACCはエアサスを取り扱って20年の実績がある老舗メーカーです。ACCのエアサスの特徴は他のメーカーを圧倒する上下幅であり、純正車高近くまで上がるため車の使い勝手を損ないません。

ACCのエアバッグはブリヂストンおよびファイアストン製で、ショックアブソーバーはKYB製です。すべてのラインナップが四輪独立無段階制御であり、基本は信頼性の高い機械式を採用とし、オプションで電磁バルブ式+専用リモコンもしくはスマートフォンで操作可能なデジタルシステムも追加可能です。

AirForce(エアフォース)

エアフォースのエアサスはすべて単筒式の車高調にエアバッグを合わせた高性能ショックアブソーバーが用いられています。ラインナップはシステム構成が異なる4セット+ダンパーストロークを稼ぐための別付けリザーバータンク式の「ダイヤモンド」の5種類です。

機械式のほか、車高調整から空気圧モニターまでをワイヤレスリモコンひとつで行える電磁バルブ式も揃っているうえ、iPhoneから操作が可能な「モバイルエアマネジメント」もオプションで用意されています。

BOLD WORLD(ボルドワールド)

スーパー耐久レースでチャンピオンを獲得した実績もあるボルドワールドでは、エアサスだけでなくブレーキシステムやレース用やドリフト用車高調もリリースしています。

看板商品である「アルティマ」は、同社の32段階減衰力調整機構付き全長調整式車高調にエアバッグを組み合わせた、スタイリングと走行性能、乗り心地を並列できるエアサスです。もちろんワイヤレスリモコンモデルも揃っています。