日本の総人口の推移
次に、日本の総人口の推移について整理しておこう(表4)。

出典:総務省統計局「人口推計」(2022年3月報)、同『日本の統計 2016』
(注)3分割年齢の数字は%。2022年は速報値。、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
昭和に入ってから日本の人口は6000万人の大台に乗り、1950年には団塊世代が揃い、合計で8400万人になった。高度成長期も順調に増加して、高齢化率が7%を突破した高齢社会元年の1970年には1億人を超えた。その後も漸増して2010年が頂点の1億2800万人となり、以後は減少に転じた。
2016年10月では1億2690万人まで低下し、2022年3月現在の速報値では1億2526万人にまで落ち込んでいる。この10年近くは合計特殊出生率が1.30~1.40台で推移しているので、もはや人口増加の見込みはないが、確実に数年後には高齢化率が30%を突破する。
この推移に伴い、人口構成の3区分も激変した。表4から、日本の第1回の国勢調査で人口統計も完備した1920年の3区分の比率は0~14歳(年少人口)率が36.5%、15~64歳(生産年齢人口)が58.3%、65歳以上(高齢者人口)が5.3%であることが分かる。この比率の分布は発展途上国の人口構成そのものである。
全人口の6割が働き、社会全体を支える
明治から大正時代の前半までは国勢調査がなされていなかったが、その50年間もおそらくは似たような比率であったであろう。
すなわち古今東西すべての発展途上の社会では、年少人口は35%を超えており、高齢化率は5%程度にとどまり、残り60%がいわゆる生産年齢人口なのである。高校進学率も低いから、15歳以上は文字通りそのまま生産年齢層になる。ここからは、全人口の6割が働いて社会全体が支えられるという法則性が、ひとまず読み取れる。
しかし高校進学率が上がるにつれて、ほぼ18歳までは生産に従事しなくなるから、実際の生産年齢は上がってくる。そして大学進学率が半数を超えた時点で、18歳から22歳までは生産年齢層としては半数に止まる。
かりに大学生・専門学校生21歳と22歳全てを生産年齢と仮定すれば、残りの半数である19歳と20歳の大学生・専門学校生すべてを生産年齢としては非該当にする。そうしておいて、「年少人口」ではなく「非生産若年人口」と位置付け直せば、この0~20歳未満合計は2062万人(16.4%)になる。