目次
確定申告をしなかった場合、忘れた場合のペナルティー
不動産投資の確定申告に関するよくある質問
・Q. 赤字の場合でも確定申告した方がいい?
・Q. 青色申告と白色申告どちらで確定申告すべき?
まとめ
確定申告をしなかった場合、忘れた場合のペナルティー
確定申告を忘れたりして、期限までに確定申告をしなかった場合はいくつかのペナルティーがあります。ただ、期限後でも確定申告はいつでもできるので、できる限り早く申告をしましょう。申告が遅れれば遅れるほど、ペナルティが重くなってしまいます。
ペナルティとしては、まず「延滞税」があります。納期限から遅れた日数分、年利最高14.6%の延滞税をあわせて支払わなければならなくなります。ただし、延滞税の金額が1,000円未満のうちは切り捨てられ、延滞税はかかりません。
確定申告の期限から1ヶ月以上遅れると、無申告加算税が課されることもあります。無申告加算税は最高20%と重く、延滞税と併せて支払う必要があります。ただし、無申告加算税も5,000円未満のうちは切り捨てられ、無申告加算税は課されません。
期限から遅れた日数がわずかであれば救済措置もあるので、遅れたことに気付いたら可能な限り早く申告をすることが重要です。
また、青色申告の場合は、確定申告の期限に遅れると65万円の青色申告特別控除が受けられなくなるなどのペナルティがあります。
不動産投資の確定申告に関するよくある質問
Q. 赤字の場合でも確定申告した方がいい?
確定申告はした方がよいでしょう。税金を納め過ぎた場合は、還付を受けることができます。ここで重要になるのが、損益通算という制度です。
この制度によって、不動産投資でマイナスだった分を、給与所得のプラスの部分で相殺できます。
以下が所得税の税率表です。
所得税表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
例えば、給与所得で700万円ある場合、税率は23%で税額は
700万円 × 23% - 63万6,000円 = 97万4,000円
と算出が可能です。ここで不動産投資で発生した50万円の赤字を損益通算します。そうすると、
(700万円 - 50万円) × 20% - 42万7,500円 = 87万2,500円
税率が20%となり納める税額が減ったのがわかります。サラリーマンの場合、会社が所得税を代わりに支払ってくれているため、損益通算で計算した税額より払いすぎているということになります。
このように不動産投資の所得が赤字でも、損益通算によって還付を受けることができ、節税につながります。
ただこのとき注意しなければならない点があります。赤字の場合、ローンを組んで不動産購入をした、その土地に対してかかる利息は、損益通算できないというルールがあります。詳しくは「忘れてない?不動産投資で赤字…そんなときの損益通算には制限があります」をご覧ください。
Q. 青色申告と白色申告どちらで確定申告すべき?
青色申告はある程度の事業規模になることが前提です。一般的には「5棟10室」を満たす規模です。
青色申告ができる規模になった場合で考えると、白色申告は「簡単だが節税上のメリットが少ない」、青色申告は「複雑だが節税上のメリットが大きい」と一般的にはいわれています。
白色申告は、事前の申請が必要なく、また、複雑な記帳の方法である複式簿記を付けなくともよいメリットがあります。一方で、青色申告は、申請や複式簿記が義務付けられているものの、さまざまな税制上の優遇措置を受けられます。
事業的規模となった場合の青色申告のメリットは以下の通りです。
- 青色申告特別控除額が65万円
- 家族・親族への給与が経費として認められる
- 損失を3年間繰越できる
- 30万未満の備品等の費用計上ができる
まとめ
多くのサラリーマンにとって確定申告は縁のないものでしょう。しかし、不動産投資をするサラリーマンにとっては確定申告は欠かせないものです。これを機に、税金について一度見直し、正しい確定申告の知識を身につけましょう。
※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
提供元・RENOSYマガジン
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