「ANA JCB ワイドゴールドカード」はANAマイルが効率よく貯まり、空港ラウンジサービスや高額補償の旅行傷害保険などが付帯するハイスペックなクレジットカードだ。一般カードである「ANA JCB ワイドカード」とどちらがお得なのかも含め、VISAとどう違うのかなど、このカードのメリット・デメリットを紹介してこう。

目次
1,「ANA JCB ワイドゴールドカード」の基本スペックと審査基準
2,「ANA JCB ワイドゴールドカード」のマイル還元率・ポイントルサービスは?
3,マイル還元率をアップする6つの方法
4,マイルの獲得シミュレーション
5,ゴールドカードと一般カードお得?
6,「ANA JCB ワイドゴールドカード」の3つのメリット
7,「ANA JCB ワイドゴールドカード」の2つのデメリット
8,ANAゴールドカードはJCBとVISA、どちらがおすすめ?

1,「ANA JCB ワイドゴールドカード」の基本スペックと審査基準――ANAマイラーは注目!

「ANA JCB ワイドゴールドカード」はマイル還元率1%、ANA航空券の購入なら2%が貯まり、さらに入会時と毎年の継続時に2,000マイルが贈呈される。そのほか、空港ラウンジサービスや、最高1億円の海外旅行傷害保険、年間500万円限度のショッピング保険などが付帯するハイスペックカードだ。

このクレジットカードの最大の特徴であるANAマイル還元率を見ていく前に、その基本スペックから見ていこう。

「ANA JCB ワイドゴールドカード」の基本スペック……楽天Edy機能も搭載

国際ブランド JCB
年会費 1万5,400円(税込)
家族会員4,400円(税込)
ポイントサービス Oki Dokiポイント
通常ポイント還元率 0.5%
通常マイル還元率 1%
ポイント交換対象 ANAマイル
dポイント
楽天スーパーポイント など
空港ラウンジ
サービス
国内主要空32空港+ハワイ・ホノルル(無料)
ラウンジ・キー
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(自動付帯)
国内航空傷害保険(自動付帯)
国内・海外航空機遅延保険(自動付帯)
ショッピングガード(国内・海外)
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー 楽天Edy(カード本体に搭載)
QUICPay(別途カード発行が必要)
nanaco(別途キーホルダー型カード発行が必要)
PiTaPa(別途カード発行が必要)

空港ラウンジサービスにある「ラウンジ・キー」とは、世界1,100ヵ所以上の空港ラウンジを32米ドルで利用できるサービスのこと。プラチナカードなどに付帯することの多い「プライオリティ・パス」に比べるとサービス内容は若干劣るが、ゴールドカードで国内・ハワイ以外の空港ラウンジサービスが付帯する点は、他のカードよりも優れていると言える。

審査基準・審査難易度……年収350万円以上が目安

審査基準そのものではないが、申し込み対象として「20歳以上(学生不可)で、ご本人に安定継続収入のある方」と記載されている。ちなみにワンランク下の「ANA JCB ワイドカード」では、「18歳以上(学生不可)でご本人または配偶者に安定継続収入のある方」となっている。

「ANA JCB ワイドカード」では世帯収入さえあれば本人の収入の有無は問われないが、「ANA JCB ワイドゴールドカード」では自身に収入がない場合は、審査通過は難しいだろう。

年収の基準は公開されていないが、口コミから推測すると350万円以上あれば審査に通過する可能性があると考えられる。ただし20代なら300万円、40代なら400万円というように、年齢に応じて求められる年収は変わることがあるので注意したい。

年会費を安くする方法……自動リボ払いサービス「スマリボ」で5,000円オフ

自動リボ払いサービス「スマリボ」に登録して、リボ払い適用のショッピングを年1回以上利用すると、年会費請求時に5,000円分がキャッシュバックされる仕組みがある。

ただし、リボ払いには手数料(利息)がかかる。キャッシュバック分以上にリボ払い手数料がかからないよう、上手に利用できる場合に検討するといいだろう。
 

2,「ANA JCB ワイドゴールドカード」のマイル還元率・ポイントルサービスは?ANAマイルが1%還元

「ANA JCB ワイドゴールドカード」を検討している人のほとんどは、ANAマイルを貯めているだろう。このゴールドカードではどのようにポイントが貯まり、マイル還元率はどのくらいなのか?ポイントサービスの詳細を紹介していこう。

貯まるポイントとANAマイル還元率……1,000円で10ポイント貯まり、ANAマイル還元率は1%

貯まるポイントは、JCBの「Oki Dokiポイント」。毎月の利用合計金額1,000円(税込)ごとに1ポイント(約5円相当)が付与されるので、ポイント還元率は約0.5%だ。ポイントはANAマイルのほか、各種賞品や他社ポイントに交換することもできる。また、ネットショッピング代金やカード利用代金に充当することもできる。

「Oki Dokiポイント」のANAマイルへの交換レートは、通常1ポイント→3マイル。「ANA JCB ワイドゴールドカード」では1ポイント→10マイルのレートであり、マイル還元率に換算すると1%になる(100円につき1マイル)。
 

カード種類 ANAマイルへの還元率
一般的なJCBカード 1 Oki Dokiポイント
→3ANAマイル(0.3%)
ANA JCB ワイド
ゴールドカード
1 Oki Dokiポイント
→10ANAマイル(1%)

一般的に、航空マイルは1マイルが2円相当の価値を持つとされることから、マイルに交換した場合はポイント還元率換算で2%相当になる。実質的には、ANAマイルへの交換以外の選択肢はないと考えていいだろう。

2つのマイルコースはどちらがお得?……「マルチポイントコース」がおすすめ

マイルへの移行については、「マルチポイントコース」と「マイル自動移行コース」がある。前者ではポイントの移行手続きを自分で行い、後者では毎月自動的にマイルに交換される。

おすすめは、「マルチポイントコース」だ。マイルへ移行する手間はかかるものの、「Oki Dokiポイント」の有効期限が獲得月から3年、ANAマイルの有効期限がマイル獲得月から3年なので、実質的な有効期限は6年間となる。有効期限は長いほど大きく貯めて使うことができるので、基本的には「マルチポイントコース」を選ぶのが賢いと言える。

ANAマイルの賢い使い方……繁忙期はANA SKYコインへの交換も検討

ANAマイルは特典航空券に交換するのが一般的だが、「ANA SKYコイン」や他社ポイントにも交換できる。まず、主要渡航先への特典航空券に交換する場合に必要になるマイル数を紹介しよう。

国内線特典航空券必要マイル数(東京からの片道)

秋田、庄内、仙台、
新潟、八丈島、富山、
小松、能登、名古屋、大阪
沖縄 石垣、宮古
ローシーズン 5,000マイル 7,000マイル 8,500マイル
レギュラーシーズン 6,000マイル 9,000マイル 1万マイル
ハイシーズン 7,500マイル 1万500マイル 1万1,500マイル

国際線特典航空券必要マイル数(日本からの往復・エコノミークラス)

ソウル 中国・台北
・マニラ
東南アジア
・インド
ハワイ 北米 ヨーロッパ
・ロシア
オセアニア
ローシーズン 1万
2,000
マイル
1万
7,000
マイル
3万
マイル
3万
5,000
マイル
4万
マイル
4万
5,000
マイル
3万
7,000
マイル
レギュラー
シーズン
1万
5,000
マイル
2万
マイル
3万
5,000
マイル
4万
マイル
5万
マイル
5万
5,000
マイル
4万
5,000
マイル
ハイシーズン 1万
8,000
マイル
2万
3,000
マイル
3万
8,000
マイル
4万
3,000
マイル
5万5,000
マイル
6万
マイル
5万
マイル

「ハイシーズン」では、ANAマイレージサービスの会員グレードが高くない場合、特典航空券が取れないことがある。

航空券を取得しやすくするためには、「ANA SKY コイン」の利用を検討したい。これは、ANAマイルから交換できる電子クーポンのことだ。ANAサイト上で国内・国際航空券や旅行商品の支払いなどに10コイン単位で使用でき、有効期限は交換から1年間。現金同様に扱われるので、空席さえあればシーズンに関係なく航空券の支払いに充当できる。

マイルから「ANA SKY コイン」へ交換する際は、一度に多くを交換するほどレートが良くなる。参考までに、マイルから「ANA SKY コイン」への交換レートを「ANA JCB ワイドカード」のレートと比較してみよう。
 

交換マイル数 交換コインレート、コイン数
ANA JCB ワイド
ゴールドカード
ANA JCB
ワイドカード
1~9,999マイル 1倍
1~9,999コイン
1倍
1~9,999コイン
1万マイル 1.2倍
1万2,000コイン
1.2倍
1万2,000コイン
2万マイル 1.3倍
2万6,000コイン
1.3倍
2万6,000コイン
3万マイル 1.4倍
4万2,000コイン
1.4倍
4万2,000コイン
4万マイル 1.5倍
6万コイン
1.5倍
6万コイン
5万マイル~
20万マイル
1.6倍
8万~32万コイン
1.5倍
7万5,000~30万コイン

これを見ると、両者のレートは5万マイル以上を交換する際に変わることがわかる。

航空券の購入時、マイルや現金、ANAギフトカード・旅行券と「ANA SKYコイン」の併用はできないが、クレジット払いとの併用はできる。また、「ANA SKY コイン」で購入した航空券にはフライトマイルが付与されるのも、マイラーにはうれしいポイントだ。

ただし、マイルを特典航空券に交換する場合に比べると、マイルを「ANA SKY コイン」に交換して航空券を購入する場合は少し割高になってしまうので、ケースバイケースで使い分けたい。

「Oki Dokiポイント」から「ANA SKY コイン」へ直接交換することもできるが、その場合は1ポイント→3コインとかなりレートが悪くなる。交換する際は、うっかり「Oki Dokiポイント」から「ANA SKY コイン」へ直接交換することのないように注意したい。
 

3,マイル還元率をアップする6つの方法――ANA航空券購入ではポイントとマイルがダブルで貯まる

ここまで見てきたとおり、通常のポイント還元率は0.5%、マイル還元率は1%だ。1%は超高還元率とは言えないが、このカードには多くのポイントやマイルを得るための方法があり、それらを最大限に活用することで還元率は大幅に上がる。

方法1,「JCBスターメンバーズ」適用で最大25%ポイントアップ

「JCBスターメンバーズ」は、年間クレジット利用金額が大きくなるほど翌年のポイント付与率が上がる仕組みだ。「ANA JCB ワイドゴールドカード」では、最高で25%アップする。
 

1年間のクレジット
利用額合計(税込)
ANA JCB
ワイドゴールドカードの
翌年のポイントアップ率
ANA JCB
ワイドカードの
翌年のポイントアップ率
300万円以上 25%アップ 設定なし
100万円以上 20%アップ
50万円以上 10%アップ

年間300万円というとハードルが高いように見えるが、月25万円と考えればそう遠い目標ではないだろう。現金でしか支払えないもの以外、すべての支払いをクレジットカードに集約すれば、達成できない金額ではないはずだ。

方法2,「Oki Dokiランド」経由でネットショップのポイントが2~20倍!

ネットショッピング時は、ポイントサイト「Oki Dokiランド」を経由することを忘れないようにしたい。2倍~最大20倍のポイントが貯まるからだ。登録ショップはAmazon、楽天市場、Yahoo!JAPANショッピングなど約400店舗。代表的なショップやモールが揃っているので、不便を感じることは少ないだろう。

方法3,カードの入会&継続で2,000ボーナスマイル贈呈

「ANA JCB ワイドゴールドカード」では、入会時とカード継続時にそれぞれ2,000マイルのボーナスマイルが付与される(本会員のみ)。
 

付与タイミング 付与マイル数
入会マイル 2,000マイル
継続マイル 2,000マイル
搭乗ボーナスマイル フライトマイルに25%分がプラスされる

搭乗時には通常のフライトマイルのほか、フライトマイルの25%にあたるボーナスマイルも付与される。これらの特典に関しては、「ANA JCB ワイドカード」も同様だ。

方法4,「ANAカードマイルプラス加盟店」の利用で追加マイル付与

ここまで3つのポイントアップ方法を紹介してきたが、ここからはマイルアップの方法を説明する。

まず把握しておきたいのは、「ANAカードマイルプラス加盟店」でのカード利用で獲得できる追加マイルの仕組みだ。加盟店でカード決済を行うと、クレジット利用ポイントとは別に100円(税込)または200円(税込)につき1マイルが付与され、ANAの航空券や機内販売では100円(税込)につき1マイルが付与される。通常のマイル還元率1%と合わせると2%だ。

加盟店はANAやANAグループ店舗のほか、セブン-イレブン、マツモトキヨシ、高島屋、大丸松坂屋、阪神百貨店、東急ホテルズ、オークラ ホテルズ&リゾーツ、スターバックス、出光興産、ENEOS、東京無線タクシーなどがある。

いつも立ち寄るコンビニやガソリンスタンドを「ANAカードマイルプラス加盟店」にするだけで、マイルを効率良くの貯められるはずだ。

方法5,楽天Edyチャージ・利用で最大1.5%のマイル付与

「ANA JCBワイドゴールドカード」から楽天Edyにチャージすると、200円につき1マイルが付与される。ただし、このチャージ分にはクレジット利用ポイントは付与されない。

また、カード搭載の楽天Edyで支払うと200円(税込)につき1マイル獲得でき、チャージによるポイント付与と合わせるとマイル還元率は1%になる。

Edyマイルプラス加盟店での利用なら200円につき2マイルが付与されるので、マイル獲得数は合計3マイル、還元率は合計で1.5%になる。Edyマイルプラス加盟店はニッポンレンタカー、紀伊國屋書店、大丸・福岡天神店、沖縄ファミリーマート、エスカ地下街(名古屋駅新幹線口)、アネックス(名古屋栄キタ)、マツモトキヨシなどだ。

方法6,ANA旅行商品購入でマイル還元率2%に!

ANAスカイホリデー、ANAハローツアー、ANAワンダーアースで旅行商品を購入した場合、100円につき1マイルが付与される。クレジット利用ポイントからのマイル移行分と合わせて、2%のマイルが還元されることになる。
 

4,マイルの獲得シミュレーション――年間200万円利用で2万8,000マイルを獲得できる

ここで、クレジット年間利用額別のマイル獲得数をシミュレーションしてみよう。ここでは、フライトマイルとそれに伴う搭乗ボーナスマイルを除いたマイル獲得数とした。なお、年間利用金額の10%をANA航空券の決済に使ったケースを想定している。

なお「JCBスターメンバーズ」の計算上、毎年同じ金額を使っているものとし、継続時ボーナスマイルも計算に入れている。

クレジット年間利用額別獲得マイル数

クレジット
年間利用額
合計獲得
マイル
クレジット
決済による
獲得マイル
「JCBスター
メンバーズ」による
獲得マイル
「ANAカード
マイルプラス加盟店」
獲得マイル
(航空券購入分)
継続時
ボーナスマイル
200万円 2万8,000マイル 2万マイル 4,000マイル 2,000マイル 2,000マイル
300万円 4万2,500マイル 3万マイル 7,500マイル 3,000マイル 2,000マイル
400万円 5万6,000マイル 4万マイル 1万マイル 4,000マイル 2,000マイル
500万円 6万9,500マイル 5万マイル 1万2,500マイル 5,000マイル 2,000マイル

年間200万円の利用でハイシーズンの東京-石垣往復、または日本-マニラ往復の特典航空券に交換できるマイルが貯まることがわかる。

300万円の利用なら、ローシーズンの日本-北米往復の特典航空券に交換することもできる。
 

5,「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」はどちらがお得?損益分岐点は年間利用80万円

JCB発行のANAカードには、「ANA JCB ワイドゴールドカード」と一般カード「ANA JCB 一般カード」との間に「ANA JCB ワイドカード」がある。

年会費も比較的高額でゴールドランクに近い内容のカードだが、「ANA JCB ワイドゴールドカード」と比べてどちらがお得なのだろうか?カード選びで重要なポイントとなる損益分岐点を計算してみよう。

「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」のスペック比較

ANA JCB
ワイドゴールド
ANA JCB
ワイドカード
年会費(税込) 1万5,400円
家族会員4,400円
7,975円
家族会員1,650円
割引特典最大
適用時の年会費(税込)
1万400円
家族会員は適用外
6,600円
家族会員は適用外
入会・継続ボーナスマイル 2,000マイル 2,000マイル
搭乗ボーナスマイル +25% +25%
通常ショッピング時の
マイル還元率
1% 0.5%
※10マイルコース
(以降手数料として
年間税込5,500円が必要)
加入で1%
ANA航空券購入時の
合計マイル還元率
2% 1.5%
ビジネスクラス
カウンターチェックイン
国内空港ラウンジ無料利用 不可

2つのカードのスペックを比較すると、年会費と空港ラウンジサービス以外で大きく異なるのは、年会費と通常マイル還元率だ。

・年会費の違い……どちらも年会費優待がある

2年目以降の年会費に関しては、どちらも自動リボ払いサービス「スマリボ」の年1回の利用で優待の対象になる。「ANA JCB ワイドゴールドカード」では5,000円のキャッシュバックで1万400円(税込)になり、「ANA JCB ワイドカード」では1,375円のキャッシュバックで6,600円(税込)になる。

・通常マイル還元率の違い……10マイルコース申し込みで同じ還元率に

「ANA JCB ワイドカード」のマイル還元率は、通常0.5%。しかし、移行手数料として年間5,500円(税込)を支払って「10マイルコース」に申し込むと、交換レートが1ポイント→10マイルになる(マイル還元率1%)。これは、「ANA JCB ワイドゴールドカード」と同じマイル還元率だ。

ポイント・マイル周りのスペックを踏まえて、「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」の年会費と移行手数料、マイル獲得数を整理し、1マイル=2円相当の価値とした場合の損益分岐点を考えてみよう。

損益分岐点1,「ANA JCB ワイドカード」の還元率0.5%の場合……年80万円以上の利用はゴールドがお得に

「ANA JCB ワイドカード」で「10マイルコース」に申し込まない場合、年間にかかる費用の差額は以下のとおりだ。

「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」の年間費用比較

ANA JCB ワイド
ゴールド※1
ANA JCB ワイド
カード※2
年間費用差額※3
通常年会費(税込) 1万5,400円 7,975円 7,425円
「スマリボ」割引
適用後年会費(税込)
1万400円 6,600円 3,800円
※1、「10マイルコース」:1P→10マイル/マイル還元率1%
※2、「5マイルコース」:1P→5マイル/マイル還元率0.5%
※3、※1から※2を引いた金額

次に、クレジット利用で獲得したポイントをマイルに交換した場合の、「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」それぞれのマイルの貯まり方を見てみよう。
    
「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」のマイル獲得数比較

クレジット
利用額
ANA JCB ワイド
ゴールド※1
ANA JCB
ワイドカード
(マイル還元率0.5%)
※2
獲得マイル数の差
※3
30万円 3,000マイル 1,500マイル 1,500マイル
(3,000円相当)
40万円 4,000マイル 2,000マイル 2,000マイル
(4,000円相当)
60万円 6,000マイル 3.000マイル 3,000マイル
(6,000円相当)
70万円 7,000マイル 3,500マイル 3,500マイル
(7,000円相当)
80万円 8,000マイル 4,000マイル 4,000マイル
(8,000円相当)
100万円 1万マイル 5,000マイル 5,000マイル
(1万円相当)
※1、「10マイルコース」:1P→10マイル/マイル還元率1%
※2、「5マイルコース」:1P→5マイル/マイル還元率0.5%
※3、※1から※2を引いたマイル数・金額 (1マイル→2円相当で換算)

2つの表を比較すると、

  • 「スマリボ」割引適用の場合は年間利用額が約40万円以上
  • 年会費割引がない場合は年間利用額約80万円以上

    は「ANA JCB ワイドゴールドカード」のほうがお得になることがわかる。

損益分岐点2,「ANA JCB ワイドカード」の還元率1%の場合……年会費割引適用ならゴールドがお得

次に、「ANA JCB ワイドカード」で「10マイルコース」(通常年会費に5,500円追加)に申し込んだ場合を見てみよう。

「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」の年間費用比較

ANAワイドゴールド
※1
ANA JCB ワイドカード
※2
年間費用差額
※3
通常年会費
(税込)
1万5,400円 1万3,475円 1,925円
「スマリボ」
割引適用後年会費
(税込)
1万400円 1万2,100円 -1,700円
※1、「10マイルコース」:1P→10マイル/マイル還元率1%
※2、「10マイルコース」:1P→10マイル/マイル還元率0.5%、「10マイルコース」移行手数料5,500円(税込)
※3、※1から※2を引いた金額

この場合、「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」のマイル還元率は1%で同じだ。年間にかかる費用は「スマリボ」利用による割引を適用した場合、「ANA JCB ワイドゴールドカード」のほうがむしろ安くなる。

年会費割引を適用しない場合は「ANA JCB ワイドカード」のほうが年間にかかる費用は安くなるが、わずか1,925円の違いで空港ラウンジサービスが付帯したり、旅行傷害保険の補償がより高額になったりすることを考えると、「ANA JCB ワイドゴールドカード」のほうがお得感があると言える。

ほとんどの人は「ANA JCB ワイドゴールドカード」のほうがお得

「ANA JCB ワイドゴールドカード」と「ANA JCB ワイドカード」のどちらにするかで悩んでいる場合、焦点となるのは「スマリボ」を使うかどうかだ。年会費が割引になるとはいえ、リボ払い手数料をできるだけ少なくするには工夫が必要で、それがわずらわしい人もいるだろう。

「スマリボ」を利用するかどうかで、それぞれのカードのお得度は変わってくる。
 

「スマリボ」の
利用の有無
「ANA JCB ワイドゴールドカード」のほうがお得になる条件
年間40万円以上のクレジット決済がある
「ANA JCB ワイドカード」の利用を
「5マイルコース」で考えている
年間80万円以上の
クレジット利用がある
「ANA JCB ワイドカード」の利用を
「10マイルコース」で考えている
空港ラウンジなど
ゴールドカードの
サービスを利用したい

「ANA JCB ワイドカード」よりも「ANA JCB ワイドゴールドカード」を選んだほうがいいケースを整理すると、上の表のようになる。ほとんどの人は、「ANA JCB ワイドゴールドカード」を所有したほうがお得になることがわかるだろう。
 

6,「ANA JCB ワイドゴールドカード」の3つのメリット――ANAグループ割引、空港ラウンジ、付帯保険

「ANA JCB ワイドゴールドカード」の最大の特徴はポイント・マイルサービスだが、他にもさまざまなシーンで便利でお得に使える特典・サービスが用意されているので、チェックしておきたい。

メリット1,ANAカード共通の特典・サービスを利用できる……ビジネスクラスカウンターチェックインも

ANAカード共通の特典・サービスとして、ANAグループを中心にさまざまな優待が提供される。割引優待の詳細は、以下のとおりだ。
 

対象 オフ率
ANA国内線・国際線機内販売 10%オフ
ANAグループ空港内免税店
新宿高島屋SHILLA&ANA
(免税店)
ANA FESTA(空港内店舗) 5%オフ
ショッピングサイト
「ANAショッピング A-style」
ANAビジネスソリューション
公開講座受講料
15%オフ
セントラルパーキング成田 駐車料金特別割引、マイル付与
IHG・ANA・ホテルズ
グループジャパン
お得な宿泊料金よりさらに5%オフ
朝食無料&ウェルカムドリンクサービス
JRホテルクレメント高松 正規料金より20%オフ
朝食無料・ウェルカムドリンク
レンタカー割引 国内5%オフ
海外5~20%オフ

また、搭乗当日の変更ができる割引運賃「ビジネスきっぷ」が利用できる。さらにANA国際線で、エコノミークラス利用時であってもビジネスクラス専用カウンターでチェックインできる特典などがある。

メリット2,JCB提供の各種優待を利用できる……空港ラウンジ、JCBプラザ、ハワイ・シャトルバスなど

空港ラウンジサービスを含む、JCB提供の各種優待を利用できる。
 

サービス一覧
・国内主要32空港+ハワイ・ホノルルの
空港ラウンジを無料で利用可能
・「ラウンジ・キー」世界1,100ヵ所以上の空港ラウンジを
32米ドルで利用可能
・海外サービス窓口「JCBプラザ」
「JCBプラザ ラウンジ」を利用可能
・「JCBプラザコールセンター(日本)」で
渡航先JCB加盟店のレストラン等を予約可能
・ワイキキとアラモアナを結ぶシャトルバス
「ワイキキ・トロリー」の乗車賃が無料に
・海外WiFiレンタル「JCB GLOBAL WiFi」で優待価格
・海外レンタカー5~25%オフ
・全国7万ヵ所以上の各種店舗がお得になる
優待サービス「JCB GOLD Service Club Off」
・高品質スーツケース格安レンタル

「ラウンジ・キー」や「JCBプラザ ラウンジ」などは同じANAワイドゴールドカードでもVISAブランドには付かない。JCBはハワイでの優待が他の国際ブランドよりも充実しているので、ハワイ旅行が多い人は役に立つだろう。

メリット3,充実した付帯保険……最高1億円の旅行傷害保険が自動付帯、最高500万円のショッピング保険も

旅行中の病気・ケガの際に頼りになる海外・国内旅行傷害保険のほか、国内航空傷害保険、航空機遅延保険、ショッピング保険が付帯する。

・旅行傷害保険は海外・国内ともに自動付帯!海外は家族特約も

旅行傷害保険の補償は海外最高1億円、国内最高5,000万円。いずれも旅行代金のカード払いの有無にかかわらず付帯する「自動付帯」だ。

なお海外旅行傷害保険には、家族カードを持てない満19歳未満の家族にも保険が適用される家族特約が付いている。家族特約対象者は本会員と生計をともにしていれば別居・同居を問わないので、たとえば本会員から仕送りを受けている子どもも補償対象になる。

【海外旅行傷害保険(自動付帯)】

保険項目 保険金額
(本会員・家族会員)
保険金額
(家族特約対象者)
死亡・後遺障害 最高1億円
※カードでの旅行代金の
支払いがない
場合は最高5,000万円
最高1,000万円
傷害治療費用(1事故) 300万円限度 200万円限度
疾病治療費用(1疾病) 300万円限度 200万円限度
賠償責任(1事故) 1億円限度 200万円限度
携行品損害 1旅行中50万円限度
保険期間中100万円限度
救援者費用等 400万円限度 200万円限度

【国内旅行傷害保険(自動付帯)】

保険項目 保険金額
死亡・後遺障害 最高5,000万円
入院日額(※) 5,000円
手術(※) 入院日額×倍率(10倍、20倍または40倍)
※1事故につき1回限度
通院日額(※) 2,000円
(※)8日以上の治療から対象

・国内航空障害保険でも最高5,000万円が自動付帯

国内で航空機利用中にケガを負った場合に補償され、ANA便以外への搭乗も補償対象になる。また搭乗中だけでなく、航空機搭乗者だけが入れる飛行場内エリアでのケガも補償対象になる。

【国内航空障害保険(自動付帯)】

保険項目 保険金額
死亡・後遺障害 最高5,000万円
入院日額 1万円
手術 入院日額×倍率(10倍、20倍または40倍)
※1事故につき1回限度
通院日額 2,000円

国内航空障害保険は他のゴールドカードには付帯することが少なく、航空系のクレジットカードならではの保険と言える。

・国内・海外航空機遅延保険は4万円限度

国内外の航空便利用時に、出航の遅延や手荷物の遅延・紛失により生じた宿泊費・飲食費・衣類購入費などの出費が補償対象になる。

【国内・海外航空機遅延保険(自動付帯)】

補償内容 保険金額
乗継遅延費用保険金
(客室料・食事代)
2万円限度
出航遅延費用等保険金
(食事代)
2万円限度
寄託手荷物遅延費用保険金
(衣料購入費等)
2万円限度
寄託手荷物紛失費用保険金
(衣料購入費等)
4万円限度

・年間500万円限度のショッピングガード保険も付帯

国内外においてカードで購入した商品が、購入日から90日以内に偶然の事故によって損害をこうむった場合に、年間500万円を限度に補償される(1事故につき自己負担額3,000円)。

これらの保険は、ANAを使う海外渡航時には心強いはずだ。
 

7,「ANA JCB ワイドゴールドカード」の2つのデメリット――JCBのシェアの小ささがネックに

「ANA JCB ワイドゴールドカード」のメリットだけでなく、デメリットについてもここでしっかり押さえておこう。

デメリット1,国際ブランドとしてのJCBのシェアが小さい

国際ブランドとしてのJCBは、VISAやMasterCardに比べるとどうしても加盟店等のシェアが少ない。日本唯一の国際ブランドということもあり国内では多くの加盟店があるものの、海外では使えない店舗も多いため、VISAブランドかMasterCardブランドのカードとの併用が必要となる。

デメリット2,年会費が高額

税込年会費が本会員1万5,400円、家族会員4,400円というのは他のゴールドカードと比較すると高額。カードのメリットを十分に生かしきれない場合、この年会費は大きなデメリットとなるだろう。「スマリボ」の利用による割引も可能だが、リボ払い手数料を最小限に抑えつつ使うには知識と工夫が必要となってくる。

8,「ANA JCB ワイドゴールドカード」とVISA、どちらがおすすめ?

先に挙げた損益分岐点の解説でも分かるように、クレジット利用によってANAマイルを効率よく貯めたいなら「ANA JCB ワイドカード」よりも「ANA JCB ワイドゴールドカード」のほうに軍配が上がるといって間違いないだろう。

では、同じANAのゴールドカードで、年会費も同額の「ANA VISA ワイドゴールドカード」「ANA マスター ワイドゴールドカード」との比較ではどうだろうか?

VISAやMasterCardとJCBでポイントアップ等の適用の仕組みが異なる。マイル還元という側面では多くの場合で「ANA VISA ワイドゴールドカード」「ANA マスター ワイドゴールドカード」のほうで獲得マイル数が少し多くなるだろう。

しかし、VISAやMastercardのANAワイドゴールドカードでは海外旅行傷害保険の最高補償金額は5,000万円にとどまり、ショッピング保険も年間300万円限度。「ANA JCB ワイドゴールドカード」の海外旅行傷害保険は最高1億円、ショッピング保険は年間500万円限度に比べるとやや見劣りする。

これを考えると、ANAマイルの獲得数を重視するならば「ANA VISA/Master ワイドゴールドカード」を、旅行時の安心をより重視するならば「ANA JCB ワイドゴールドカード」を選ぶと、自分にぴったりのクレジットカードを手に入れるだろう。

 
執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。  

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