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「俺たちのZを返してくれ!」
その男は、Zに再び翼を与えた。5代目 Z33の登場
「俺たちのZを返してくれ!」
一方で、1996年には既にZ32の販売を中止されていた北米では、初代S30をレストアした「ビンテージZ」が1997年から発売されるなど、「古き良きズィーカー」としての評価が始まります。
フェアレディZの販売中止を受け、「Zを復活させてほしい」という声が北米の熱狂的なZファンたちから上がります。そして彼らは動いたのです。アメリカにある日産のデザインスタジオを強力にバックアップし、なんと1999年の北米自動車ショーにS14シルビア(北米名240SX)をベースにした北米日産オリジナルの「240Zコンセプト」が展示されるという事態にまで発展します。
そしてその熱い願いが届いたのかどうか、それとも一番熱い想いをもっていた人間が、たまたまZの運命を握るポジションにいたというべきか。フェアレディZは不死鳥のように復活を遂げたのです。
その男は、Zに再び翼を与えた。5代目 Z33の登場
日産を立て直すべくルノーから派遣されたその男、カルロス・ゴーンは、存亡の瀬戸際に立たされて間違いなくリストラ対象になると予想されていたスポーツカーのフェアレディZに対して、大方の予想と反する想いを抱いていました。
ミシュランに在籍していた頃、Z32を愛車にしていた彼は「ブランドイメージのためにZは必要」とし、開発を命じます。そして2002年には5代目 Z33として復活したのです。先代のZ32からはデザインもスペックも大きく変わっていながらも、フロントミッドシップにVQ35DEエンジンを搭載したロングノーズ・ショートデッキの姿はまさにフェアレディZそのもの。
流線形の近代的なボディは、全長4,310mm/4,315mm×全幅1,815mm×全高1,315mmとワイドスタンスに、最高出力は最終的に230kW (313PS)/6800rpm、最大トルクは358Nm (36.5kgm)/4800rpmまでパワーアップしています。3.5Lの大排気量が生み出すパワーはかなりのものです。