今回は日産 フェアレディZの進化についてのお話です。

日産が経営危機によりルノー傘下に入った時でも、カルロスゴーンが「ブランドイメージのためにZは必要」として今まで生き残ってきたフェアレディZ。昔と今では何か違うのでしょうか?

目次
日産 フェアレディZとは
初期のZは米国日産のイメージリーダー

日産 フェアレディZとは

S30やZ32等…フェアレディZは今と昔でどれくらい変わったのか?
(画像=『CarMe』より引用)

フェアレディZは日産が1969年から販売しているスポーツカーです。特徴的な名前「フェアレディ」はミュージカル映画の「マイ・フェア・レディ」から名付けられたもので、淑女や美しい女性といった意味があり、クルマにも美しさを求めて命名したと言われています。また、Zはアルファベットの最後の文字であることから、未知への可能性と夢を意味しています。

フェアレディZの初登場は1969年で、長い歴史のあるロングセラーモデルです。そのためモデルチェンジの回数も多く、2020年現在に販売されている現行型は6代目になります。

各モデルの販売時期は以下のようになっています。

初代 S30型(1969年~1978年)
2代目 S130型(1978年~1983年)
3代目 Z31型(1983年~1989年)
4代目 Z32型(1989年~2000年)
5代目 Z33型(2002年~2008年)
6代目 Z34型(2008年~)

それでは順に、モデルの経緯と特徴の比較をしていきましょう。

初期のZは米国日産のイメージリーダー

S30やZ32等…フェアレディZは今と昔でどれくらい変わったのか?
(画像=『CarMe』より引用)

米国日産ではフェアレディZが生まれる前に、「フェアレディ」というオープンスポーツカーを販売していました。1000ccのダットサンスポーツ1000に始まり、最終的には2000ccのSR型フェアレディ2000まで進化はしていましたが、あくまでヨーロッパ風ライトウェイトオープンスポーツだったフェアレディでは、「日本のダットサン(「ニッサン」ブランドになるのはだいぶ後の話)」のイメージが今ひとつ弱かったとも言えます。

そこで北米市場でのブランドイメージ向上のため、市場で求められる実用性と走行性能を満たしつつ、「カッコ良くてイメージリーダーになれる車」として生まれたのが初代S30型フェアレディZ(1969年~1978年)です。

思惑通りに「ダットサンのズィーカー(Zカー)」として全米で旋風を巻き起こしたフェアレディZは、空前の大ヒットとなります。2代目のS130型になってもそれは続き、IMSAなど現地のモータースポーツシーンでも大活躍したのでした。