■ 3月12日は「だがしの日」

――そうそう、今回御社を訪問するきっかけは、だがしの日(2021年3月12日)に、御社と一緒にTwitterキャンペーンを開催していた「やこりん※」なんです。そのときに御社の公式アカウントを知り、興味を持ちました。
※岡山県を拠点にする飲食経営パートナー企業「VEGL(ヴェーグル)」のこと。

安達磨里さん「あら、そうなんですね!ただ、やこりんと面識ある『安達※』は私ではないんです……」
※日本一のだがし売場公式Twitterの担当者。

――そうだったんですか。今日は担当者ご不在ということでしょうか?

秋山さん「いや、今日は取材があるからと予め言っていたんですが、まだ外出先から戻ってきてないようですね……」

――ご多忙かと思いますので、またの機会ということで……

安達磨里さん「あ、戻ってきた!呼んできますね!(ここでもう一人の安達さんがやってくる)」

安達副社長「どうも副社長の安達でございます。本日はありがとうございます」

――いえいえ!こちらこそ無理言って申し訳ありません。安達さん(達磨さん)と秋山さんから色々うかがったのですが、SNS担当の方にもお話を聞かせていただければと考えておりました。

安達副社長「さようでございましたか。ただ言うほど私運用出来ておりませんでして……」

――いやいや、フォロワーは15000人以上もいますし、ネットに都度話題を提供しているではないですか。

安達副社長「皆さんが盛り上げていただいたおかげですよ。ありがたい限りです」

――今回はやこりんを通じてのご縁ですが、やこりんと直接交流があるのは副社長だと聞きました。

安達副社長「やこりんとは、岡山のとあるイベントで接点が出来まして、だがしの日(3月12日)ではみやけがんぐ様も含めて、Twitter上で記念イベント(【#だがしの日だから思い出のだがしを語る】投稿大会)を実施しました」

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

――私も事前にやこりんから企画の旨を聞きまして、微力ながら参戦しましたが凄い盛り上がりでした!この時投稿された言葉の一つ、「DAGASHIは国際語」はまさにその通りだなと。

安達副社長「実際にフランスで『DAGASHI』の普及活動をしたこともあるんですよ」

――フランス!?

■ 「お菓子で子どもが笑顔に」は世界共通

安達副社長「これは数年前の話ですが、社長がフランスへ直接赴いて、駄菓子を紹介するという機会があったんです。まだ『日本一のだがし売場』が、今のような盛り上がりを見せていない頃ですね」

安達副社長「その時に気づいたのが、フランスの子どもたちも、日本と同様にお菓子を嬉しそうに食べていたんです。それと駄菓子って、安価で色んな種類のものが買えますよね?実はそれって凄いことなんです。フランスの場合、『定番』は限られますし、変わったものだと必然的に高価になっちゃいます」

――確かに駄菓子は、本当に幅が広いです。先ほど話題にもなったんですが、だからこそか「定義」もされていないのだと。

安達副社長「なので、『駄菓子という文化を守っていかなければいけない』ということに気づかされたのは、実はフランスがきっかけなんですよ。あっ、でも日本でもあったな、実は近所の子どもたちに『この店ってなんでうまい棒4つしかないん?』って言われたことがありましてね……(副社長視点から話がリピートする)」

――だから、社団法人化した際に「世界を笑顔にする」という文言が加えられたのですね。大いに納得です。

安達副社長「ただ、これは2人からも言われたかもしれませんが、現状はなかなか衰退の歯止めがかからない状況です。弊社もですが、他からも『駄菓子を盛り上げていこう!』という機運が生まれることも重要です」

――「ムーブメント」を生み出すための土台作りということですね。今日は本当に素晴らしいお話が聞けました。って、もうこんな時間だ。そろそろお店の方も見なきゃ!

安達磨里さん「あ、じゃあそちらまで案内しますね!」

――ありがとうございます。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!

安達副社長&秋山さん「こちらこそありがとうございました。ごゆっくりしていってください」

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

というわけで、営業時間が迫っていることに気づいた筆者は、安達磨里さんに案内され、売場コーナーへ直行。

「えっ、広っ!!!」

想像以上の広さに、反射的に口走ってしまった筆者。冷静に考えれば、元が食品倉庫なので別段おかしな話でもないのですが、それはコストコを思い出しそうな規模感でした。ここに数千種類のお菓子が展開されているのも納得です。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

「お好きなだけ見て回ってください!」

というわけで、ここからは筆者のみの散策になりました。まず目に入ったのが、かつて「週刊少年サンデー」にて連載され、アニメ化もされた「だがしかし」で、主人公の「鹿田ココノツ」が経営する駄菓子店「シカダ駄菓子」を再現した特設コーナー。勿論、正式許可をうけて再現されています。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

再現をしたのは、外観だけでなく店内も含めでした。ファンが思わずニヤリとするものになっています。これもまた、副社長が言っていた「駄菓子業界を盛り上げていく」ということに対する、ひとつのアプローチともいえますね。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

先ほどの取材でも話題になりましたが、店内の「高さ」も印象的でした。平台の上に、各々のお菓子がかご詰めされていましたが、どれも子どもたちの目線に合わせたものに調整されています。そのため、大人は屈んで手に取る必要がありますが、「子どもファースト」が行き届いた陳列となっています。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

とはいえ、大人も十分に楽しめます。店内には、各々の世代に“刺さる”駄菓子がこれでもかと取り揃えられており、筆者も思わず童心に返ってしまう事態に。時間の都合上、限られた滞在時間となってしまいましたが、いつか再訪して、1日中この「夢の国」を堪能したいところ。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

店内を散策して回っていると、お菓子の他に「玩具コーナー」も至るところに点在。雑玩具も多く取り扱っているようです。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

中には、「えんにち屋敷」と記された“入場門”や、スーパーボールコーナーや射的コーナーの姿も。訪問日(7月)も相まって、さながら夏祭り会場にいる気分。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

「こりゃ思っていた以上にすごいな……」

予想以上のインパクトに圧倒される筆者。ここで、店内作業を手伝っていた安達磨里さんと“再会”。するとそこに思わぬ来訪者が登場します。

「今日はようこそいらっしゃいました!」

という声とともに、ある男性から名刺を渡されます。

そこは駄菓子のテーマパーク 岡山「日本一のだがし売場」に行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)