■ ×駄菓子 〇だがし・DAGASHI
――そういえばひとつ気になっていたんですが、店名に記載してある「だがし」を平仮名にしているのは何故ですか?子どもが読みにくいからという配慮だったり?
秋山さん「それは敢えてやっているんです。磨里さんが言った通り、駄菓子というのは『お駄賃で買えるお菓子』という意味合いがありますが、『駄』という文字には、現在では『駄目』や『無駄』といったネガティブな印象があると考えています」
――そのような理由があったとは。そういったお話を聞いていくと、御社は「駄菓子業界」を率先して盛り上げていこうという印象を持ちます。
秋山さん「結果的にそうなった面もありますけどね。これも先ほどお話した通り、弊社は食品卸ではありますが、『駄菓子専門』というわけではありませんでした。その中で、『日本一のだがし売場』を結果的にここまでの規模にしたということもありますし、駄菓子というのは歴史あるもので、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に親しまれています」
――確かに「共通語」の一面を持っています。
秋山さん「ただ一方で、後継者問題などで廃業されている老舗メーカーが存在しているのも事実です。それは、『え、この商品を作っているところが?』といったところも含まれます。だからこそ、業界全体をとりまとめる存在が必要だったのですが……実は今までそういう組織がなかったんです。なので、弊社が発起人となって『一般社団法人 DAGASHIで世界を笑顔にする会』を設立しました」
――そうなると、「普及」に関してはこれからということでしょうか?
秋山さん「おっしゃる通りです。ちなみに『駄菓子』という言葉ですが、実は特に定義といったものがなかったりします……(笑)」
――えーーー!!!まだまだやることは多そうですね……。
■ 「岡山」も盛り上げていく
――ところで安達さんの名刺ですが、ラジオ番組に関する記載もありますね。(RSKラジオ「朝耳らじお 5.5(GOGO)」だがしのはなしコーナー出演との記載)
安達磨里さん「地元(岡山)のラジオ局です。私はメディア担当ですので、こうやって応対(取材)もしますし、顔出しでもPR活動をしています」
――活動エリアとなると岡山がメインでしょうか?
安達磨里さん「そうなりますね。ちなみに私、こういう名刺もありまして……(ゴソゴソ)」
――頂戴いたします……ん、「日本カボチャ 備前黒皮を復活させる会」?

安達磨里さん「『備前黒皮』は日本カボチャの一種で、瀬戸内では戦前の頃から親しまれていたものなんです。ただ近年は栽培農家がいなくなってしまい、それを復刻するという有志の集まりで活動しています。当店でも関連商品を取り扱っていますよ。ちなみに、会長は副社長の『安達』です」
――それは初耳。あとで確認しなきゃ!ところで“達磨さん”も「安達」ですが、血縁関係がおありなんでしょうか?
安達磨里さん「全くございません(笑)。『安達』という苗字は、この地域では多く見られる姓なんですよ」