「百貨店友の会」という積み立ての仕組みがある。これは前時代的な語感とは裏腹に、超高利回り・非課税のメリットを享受できる優れたサービスだ。定期的なデパート利用があるならぜひ検討してみたい。

デパート利用が多いなら「百貨店友の会」のメリットは大きい

「百貨店友の会」とは、各デパートが提供する積み立ての仕組み。事前に設定した金額を毎月積み立てると、満期時にボーナス分がプラスされた上で買い物券や買い物カードの形で戻ってくるものだ。

多くの場合、12ヵ月間の積み立てにより1ヵ月分がプラスされる形となる。買い物券や買い物カードは、そのデパートや系列店でしか使えない。しかし、店舗のリピーターであれば使い道に困ることはなく、そのメリットは大きい。

15%超という驚異的な利回りが魅力

各デパートの「百貨店友の会」に共通する3つの特徴を紹介しよう。

超高利回り

12ヵ月間の積み立てにより満期時に1ヵ月分がプラスされるケースで考えると、毎月5,000円を積み立てた場合は12ヵ月を満期として積み立てると5,000円が、毎月1万円を積み立てると1万円がボーナスとして加算された上で買い物券や買い物カードの形で戻ってくる。

年間の利回りは、ボーナス分の1ヵ月分を12(ヵ月)で割って約8.3%と算出してしまいそうになるが、その計算は間違っている。

実際には、初月の積み立て分のみ12ヵ月間運用している形で、2ヵ月目の積み立て分は11ヵ月、3ヵ月目の積み立て分は10ヵ月……というように運用期間は短くなっていく。最後の月は、1ヵ月しか運用していないことを考慮に入れなければならない。

そうした点を織り込んだ複利計算を行うと、年間の利回りは約15.4%となる。これは超高利回りといえ、非常に魅力的なサービスといっていいだろう。

ボーナス分も非課税

多くの金融商品で運用収益には税金がかかる。しかし、「百貨店友の会」の積み立ては非課税で、ボーナス分を丸々獲得できる。

優待を受けられる

「百貨店友の会」の会員は、会ごとに提供される会員割引、プレゼント、専用サロン利用などの優待を利用できる。

満期ボーナスが観劇の友の会も

ここで、いくつかの「百貨店友の会」の内容を紹介しよう。

伊勢丹・三越

伊勢丹と三越の「エムアイ友の会」では、6ヵ月積み立てか12ヵ月積み立てを選べる。

うち前者は、毎月5,000円の積み立てで2,000円分のボーナスをプラスして「お買い物カード」にチャージされ、後者では毎月の積立額を5つのコース(5,000円・1万円・2万円・3万円・5万円)から選び、満期時には1ヵ月分のボーナスをプラスした上でチャージされる。

会員特典として三越カルチャーサロンの優待、550の提携施設の優待、三越劇場の優待、日本橋三越本店と伊勢丹新宿店でのレストラン優待などを受けられる。

高島屋

髙島屋の「タカシマヤ友の会」は12ヵ月積み立ての4コース(毎月5,000円・1万円・3万円・5万円)を提供。満期時には1ヵ月分をボーナスとしてプラスした上で、「会員証・お買物カード」にチャージされる。

カードは全国のタカシマヤ各店のほか、高島屋オンラインストア、タカシマヤ通信販売でも利用可能。ブランド品やセール品、食料品の購入もできる。

会員には特典としてタカシマヤ各店での優待・文化催無料のほか、提携施設での優待や会報誌などが提供される。

大丸・松坂屋

大丸と松坂屋の「大丸松坂屋友の会」では、6ヵ月積み立てか12ヵ月積み立てを選べる。前者では毎月5,000円を積み立て、満期時に2,000円分のボーナスがプラスされた上で会員証カードにチャージされる。一方、後者は3コース(毎月5,000円・1万円・3万円)から選択し、満期時には1ヵ月分をボーナスとしてプラスした上でチャージされる。

そのほか松坂屋名古屋店限定の「招待コース」というものがあり、毎月7,000円を12ヵ月積み立てると、その合計に観劇1回分の招待がプラスされる仕組みだ。

会員特典としては、デパート内施設の優待のほか全国の提携施設での優待が提供される。会報誌のプレゼントもある。

「百貨店友の会」利用時の注意点

高利回りが魅力の「百貨店友の会」だが、積み立てた分の残高を放置して忘れてしまう人も多いという。そうした使い忘れのないように注意したいところだが、だからといって残高を使うためだけに必要性の低いものを買っても仕方がない。

無駄なくお得に使うには、自身のデパートでの年間利用額をよく考えてから積立額を設定することが重要だ。デパート以外の店舗で買った方が安く上がるものに使うのもできる限り避けたい。

基本的には、満期月を誕生日や結婚記念日、クリスマス・年末年始、お中元・歳暮などの時期に合わせると、デパートでの大きな出費に合わせやすいので使い忘れもなく、より有意義な使い方ができるだろう。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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