効率のいい多関節種目をメインに

DCトレーニングを実践する場合、選択する種目はその人のゴールに適したものを選ぶことが大切だ。特に細かいことを言わずに傾向だけを見るなら、DCトレーニングのプログラムは多関節種目で占められることが多い。つまり、単関節種目は少しだけ、もしくは1つもないというケースもあるのだ。

どうして多関節種目だけのワークアウトでもいいのか。その理由は、多関節種目で主動筋が肥大すると、多くの場合、補助筋となる周囲の筋肉も肥大するからだ。

例えば胸筋のためにベンチプレスを選択し、使用重量が85kgから170kgまで増えたとしよう。その場合、言うまでもなく胸筋は肥大しているが、同時に肩や上腕三頭筋も間違いなく筋量アップしているはずだ。

一方、ダンベルフライを選択して、使用重量が13kgから23kgまで増えたとしても、筋量が増えるのは胸筋だけであり、上腕三頭筋や肩にはそれほど変化は見られないと思われる。これはダンベルフライの問題ではなく、効率の良さを考えると多関節種目を選んだほうがいいというのがダンテの結論なのだ。

自分専用のDCワークアウト

「体重約80kgバルクアップに成功」人気急上昇の筋トレメソッドDCトレーニング
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

自分専用のDCワークアウトを作る方法は以下のとおりだ。 【1】各部位に3種目ずつ、自分にとって効果があると感じる種目をセレクトする。選択した3種目は、ワークアウトのたびにローテーションで行うことになる。 【2】選択した3種目をローテーションしながらワークアウトを継続する。そのうち、重量もレップ数も伸びない種目が出てくるので、その際は別の種目に入れ替える。

大胸筋のサイクル例

例えば、胸筋のために選択した種目が以下の3種目だったとする。
①インクラインプレス(バーベル、ダンベル、スミスマシン、ハンマーなど)
②ディクラインプレス(バーベル、ダンベル、スミスマシン、ハンマーなど)
③ワイドグリップ・ディップス(胸筋を強調したやり方)

先に紹介したDCトレーニングの分割例では、胸のワークアウト日は月曜日と金曜日なので、この3種目は以下の日にそれぞれ行う。

1週目の月曜日:インクイラン・バーベルプレス
1週目の金曜日:ディクライン・バーベルプレス
2週目の月曜日:ワイドグリップディップス
2週目の金曜日:インクライン・バーベルプレス
3週目の月曜日:ディクライン・バーベルプレス
3週目の金曜日:ワイドグリップディップス
このようなサイクルで継続していく。そしてもし、4週目の月曜日のインクライン・バーベルプレスで重量とレップのいずれもが頭打ち状態になってしまったら、次に回ってくる5週目の金曜日には、代わりにインクライン・スミスマシンプレスを行うようにする。このような流れでワークアウトを継続していく。
行った種目、使用重量やレップ数は毎回きちんと記録しておく。これが必要な理由は、ワークアウトを計画的に進め、発達の経過を正確にモニターするためである。記憶に頼ると混乱するだけなので、トレーニング日誌は忘れずに記入しよう。

DCワークアウトの実践例

必ずウォームアップを行ってからワークアウトを開始するようにしてほしい。また、以下に紹介するワークアウト例に記載されているレップ数は、レスト&ポーズ法を入れながら行う総レップ数である。

なお、大腿四頭筋の種目と背中の厚みを作る種目に限っては、レスト&ポーズ法のテクニックを用いずに、通常のストレートセットを行うようにする。その理由はケガをできるだけ回避するためだ。下ろす動作をゆっくり行うように意識し、上げる動作は力強く瞬発力を活かして行うようにしよう。

【月曜日:胸、肩、上腕三頭筋、背中(幅)、背中(厚み)】

①インクライン・バーベルプレス
11~15レップ×1セット
②ビハインドネック・スミスマシンプレス
11~15レップ×1セット
③クロースグリップ・スミスマシン・ベンチプレス
11~15レップ×1セット
④ラックチンニング
15~20レップ×1セット
⑤Tバーロウ
9~12レップ×2セット(レスト&ポーズ法は使わない)

【水曜日:上腕二頭筋、前腕、カーフ、ハムストリングス、大腿四頭筋】

①EZバーカール
11~15レップ×1セット
②ハンマーカール
11~15レップ×1セット
③スタンディング・カーフレイズ
10~12レップ×1セット
※カーフの種目では、かかとを下ろす動作に3~5秒かける。ボトムに達したら20秒間の完全ストレッチを維持してから、トップまで瞬発力でかかとを押し上げる。カーフ種目はレスト&ポーズ法を使わない。
④ライイングレッグカール
11~20レップ×1セット
⑤レッグプレス
8~12レップ×2セット
⑥ウィンドーメーカー
20レップ×1セット

【金曜日:胸、肩、上腕三頭筋、背中(幅)、背中(厚み)】

①ディクライン・バーベルプレス
11~15レップ×1セット
②シーテッド・ダンベル・ショルダープレス
11~15レップ×1セット
③トライセップス・ディップス
11~15レップ×1セット
④リバースグリップ・プルダウン
11~15レップ×1セット
⑤バーベルロウ
9~12レップ×2セット(レスト&ポーズ法を使わない)