フリーランスデザイナーに必要なスキル・経験
フリーランスのデザイナーとして独立するとき、どのようなスキルや経験が求められるのかが気になるところです。デザイナーといってもさまざまな種類があり、必要なスキルが異なりますので、種類別にご紹介します。
スキル1. PhotoshopやIllustratorなどのツール系スキル
デザインの分野によって必須スキルは異なるものの、基本的にPhotoshopやIllustratorなどのツール系技術は必須といってよいでしょう。
ここでは、デザイナーの種類別に必須スキルや覚えておきたい知識を、WebデザイナーとUI/UXデザイナーに分けてご紹介します。
<Webデザイナーの場合>
スキル必須のツール | スキルがあればうれしいツール |
---|---|
Illustrator | Sketch |
Photoshop | Bootstrap系 |
Wix | WordPress |
CSS/HTML | PHP |
<UI/UXデザイナーの場合>
スキル必須のツール | スキルがあればうれしいツール |
---|---|
Illustrator | Adobe XD |
Photoshop | |
Sketch | |
Bootstrap |
スキル2. 情報を引き出すコミュニケーションと伝えるコミュニケーション
じつは「絵が上手い」「センスがよい」だけではフリーランスのデザイナーとして成功することは難しいです。
フリーランスデザイナーとして生計を立てるにはクライアントの要望に応える必要がありますが、クライアントが本当は何を求めているかは、発注書だけでは汲み取れないことがあります。クライアントが抱えている問題や、最終的なゴールなどを着手前に把握するコミュニケーションは、仕事の効率や成果にも影響するので、非常に重要です。
また、WebやUXなど考え抜いてデザインした成果物をクライアントやプロジェクトメンバーに伝えるコミュニケーションもデザイナーには求められます。
なぜこのデザインにしたのか、問題の解決に役立つのかなど、デザインが果たす役割について説明しましょう。せっかくのデザインも意図が伝わらなければ、クライアントに評価してもらえません。
スキル3. トレンドや動向をキャッチアップするスキル
フリーランスデザイナーは、可能な限りトレンドや最新の業界動向をキャッチアップしましょう。そうすることで仕事の質が向上し、クライアントの満足度も高まるからです。
とくにWebデザイナーやUXデザイナーは、トレンドなどの最新情報が仕事に直結していきます。
- 「〇〇みたいなサイトを作って欲しい」
- 「□□みたいなデザインがよい」
- 「最新のSEOに合わせたサイトにして欲しい」
などクライアントのニーズを満たすには、常にトレンドをキャッチアップする能力や新しいスキルの習得が求められます。クライアント側からみても、最新の情報に関心があるWebデザイナーやUXデザイナーに対しては、信頼が高まり、継続して発注したくなります。
スキル4. スケジュール管理能力
フリーランスデザイナーとして成功する鍵のひとつがスケジュール管理です。
どの案件を受けるか、いつ仕事をするかはフリーランスデザイナーが自由に決定できます。しかし、クライアントとのデッドラインを踏まえたスケジューリングは最重要事項です。
スケジュール管理をするときは、バッファと修正を含めた工数管理をしつつ、自身のルーティンや予定なども想定しましょう。
そして、フリーランスにとって大事な報酬の受け取りまでのサイクルも必ず確認しておきます。いつ報酬が入金されるか把握し、仕事に必要な通信費等の各種支払関係のスケジュール管理も大切な仕事です。このような部分は、フリーランスデザイナーと会社勤めのデザイナーとの違いですね。
スキル5. マーケティングスキル
一見Webデザイナーにマーケティングのスキルは必要ないように思われます。しかし近年では、Webデザイナーにマーケティングスキルが求められることも事実です。
たとえば、WebデザイナーはデザインをするときにUI/UXを意識する必要があります。さらに制作後は、A/Bテストやヒートマップを使い、改善を続けてほしいと求められることも。とくにECサイトなど、成果を重要視するクライアントをもつフリーランスWebデザイナーは、マーケティングの知見やスキルを持ち合わせて損はありません。
クライアントに重宝されるフリーランスデザイナーになるためにも、最低限のマーケティングの知識は抑えておきましょう。
スキル6. コーディング・プログラミングスキル
フリーランスデザイナーがコーディングやプログラミングの基礎知識を持っておくと、一緒にプロジェクトを進めるエンジニアの仕事を理解しやすくなります。
また、雇用機会が増えるメリットも。たとえば、応募者のうち合格者が3%未満という、エリートエンジニアの派遣会社Toptalも、二足のわらじを履く専門家に期待を寄せているようです。
コーディング・プログラミングスキルというと、少し難しく感じるかもしれませんが、高度なスキルが求められることは全くありません。他のフリーランスWebデザイナーと差をつけるには、すこしHTMLとCSSをかじっておく程度でも十分です。
以下の記事では、コーディング・プログラミングスキルを学ぶための方法をWebデザイナー向けに解説しています。ぜひ少しずつ触れていってみてください。
フリーランスデザイナーとして成功するためのポイント
フリーランスデザイナーとしてキャリアを続けていくための、成功のコツやポイントは大きく分けて5つあります。ポートフォリオを作ったり交流会に参加したりといった活動は、その過程のひとつでしかありません。ここでは失敗しないためにフリーランスデザイナーが身につけておきたい成功の秘訣をご紹介します。
ポイント1. クライアントの課題を具体化/言語化する
フリーランスという稼業は、とにかく問題にぶち当たり続ける稼業です。そのため、問題解決能力は備えておかなくてはならない必須スキルといってよいでしょう。
顧客の課題およびプロジェクト進行上の問題などを具体化したり、言語化することで、以下の3つを発信できるようになります。
- まず何が起きているのか
- どのような解決策が取れるのか
- それぞれの解決策におけるメリットやデメリット
これらのスキルがあると、フリーランス自身のビジネス上に問題が発生しても速やかに対処でき、さらに問題解決能力の高さは大きな評価ポイントとなりますので、フリーランスデザイナーとして業界内での評価にも繋がります。
ポイント2. イベントや交流会に参加してデザイナーの繋がりをつくる
成功しているフリーランスや、案件を安定して継続受注しているフリーランスは、足繁くイベントや交流会に参加して「横の繋がり」や「クライアントとの繋がり」作りを頻繁に行っているイメージがありませんか?
実際、そのとおりです。
営業に強いフリーランスデザイナーはイベントや交流会に積極的に参加しています。フリーランスデザイナー同士の繋がりを作ることにより、お互いに案件をシェアしたり、お互いに得意なジャンルの案件を交換するなど、ビジネスの幅が広がります。
またイベントや交流会以外にも、フリーランスのあつまるコミュニティに参加するのも一つの手です。
ポイント3. スキルアップと能力のアップデートをする
仕事が継続して受注できるようになると、フリーランスデザイナーとしてのスキルや能力のアップデートが疎かになってしまうケースがあります。このようなケースでは、将来的に仕事が途切れてしまうことも。
この事態を未然に防ぐために、絶えずスキルアップのチャンスを見つけ、貪欲に能力のアップデートを図リましょう。それにより対応できる案件の幅が広がり、顧客の幅も広げ続けられます。
複合的なスキルアップができれば、顧客の問題解決においても幅広くサポートできるようになるので、継続受注にも繋がります。
ポイント4. クライアントの見極め
会社勤めとフリーランスの大きな違いのひとつに「自ら顧客を選べる」という点があります。
これはメリットでもあり、最大のデメリットでもあります。会社勤めの場合は、上司や会社の担当者と一緒にクライアントを見極めていけます。新入社員の間は、上司や担当者がクライアント選びをしてくれるというケースがほとんどではないでしょうか。
一方、フリーランスデザイナーは、これをすべてひとりでやらなくてはなりません。クライアントの見極めに失敗すると
- 低単価
- 低評価
- 高負荷
という目も当てられないような案件で、数ヶ月から数年にわたりその仕事に拘束されるケースもあります。契約を打ち切るのもフリーランスデザイナーの権利のひとつです。権利の行使は適切に行いましょう。
ポイント5. ポートフォリオを充実させ、ブログやSNSで発信する
フリーランスデザイナーのポートフォリオは、ただ作ってそこに置いておけばよいというものでもありません。
たとえば、ポートフォリオを作ったらサイトをSNSで公開したり、最新記事のアップデート情報をSNSに連動して流しておくなど、SNSからの流入にも注力していきたいところです。SNS上で活発に情報発信があるということは、それだけで露出度や注目度も高いということになります。
さらにポートフォリオを充実させていくことにより、SNS上で人気に火がついて、注文が殺到するというケースも最近は増えてきました。このようにSNSの活用とポートフォリオの充実を図ることは重要なポイントです。
SNSの運用に関しては以下の記事が有益なので、ぜひ一度目を通してみてください。