メタ(旧Facebook)の決算発表で、Facebookのユーザー数が初めて減少したことが明らかになった。現在アクティブユーザー数は20億人近いが、Facebookは「オワコン」に向かい始めているのかもしれない。

アクティブユーザー数が初めて減少

2022年2月、メタは2021年10〜12月期の決算発表を行った。そこで、Facebookのデイリーアクティブユーザー数が前四半期比で100万人減り、19億3,000万人から19億2,900万人になったことが明らかになった。

これが投資家に嫌気され、決算発表の翌日に同社の株式は26.39%安となった。その後も株価の下落が続いており、すでにコロナ禍前の水準まで下がっている。

Facebookのアクティブユーザー数の減少で多くの人が連想するのが、かつて日本で一世を風靡したmixi(ミクシィ)だろう。Facebookもmixiのように、使われないSNSになっていくのだろうか。

mixiは「モンスト」でV字回復、メタは?

仮にFacebookがmixiと同じ道をたどったとしても、メタという企業が衰退するとは限らない。mixiの運営会社は「モンスターストライク」というゲームがメガヒットし、V字回復を果たしている。

ではmixiのモンスターストライクは、メタの何だろうか。今のところ、メタは仮想3次元空間「メタバース」に注力している。最近メタバースが注目を浴びているが、現在は黎明期であり、今から参入すれば十分勝機があるとメタは踏んでいる。

しかし、メタバースの事業がうまくいかなければ、別のビジネスを検討せざるを得ないだろう。

ユーザー数の減少は一過性のもの?

今はメタの次回の決算を待ちたい。Facebookのアクティブユーザー数の減少は一過性のものなのか、それとも2四半期連続で減少してユーザー離れが加速するのか、多くの投資家が注目している。

SNS業界では、中国のショート動画SNS「TikTok」が順調に事業を拡大している。その中でFacebookが生き残るのは、容易ではないだろう。現在のFacebookユーザーは「一昔前の若者」に偏っており、今の若者世代に支持されるサービスへと生まれ変わる必要もある。

Facebookはオワコンへの道を歩むことになるのか。メタにとっては今が正念場だ。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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