●ルート5 あなたの「経験」がタネになる

私は、誰にとってもすべての経験が起業のタネになると考えています。どんな経験もムダにはならないからです。

「そう言われても、私はずっと主婦で、家事と育児しかしてこなかったんです」とおっしゃる方がいます。しかし、家事や育児は素晴らしい経験です。育児の経験は、第一子の出産・育児に直面している新米ママにとっては、喉から手が出るほどほしい情報にあふれています。家事も、忙しい毎日の中で効率よく時間を使うために手際よくするコツは、誰しも知りたいところです。

家事と育児をずっとなさってきた方なら、自分なりのコツや工夫がいくつもあると思いますが、それをブログやSNSにまとめて、悩んでいる人たちと分かち合うことで、収入につながる道筋が広がっていきます。

「私には子育ての経験もなく、コンビニのバイトでレジを打っていただけです」という人がいるかもしれません。でも、それも重要な経験です。コンビニのレジにいることで、この季節にはこういう商品が売れるとか、天気が変わると売れ筋が変わる、なんていうことをリアルに体験していることでしょう。まさにマーケティングの最前線にいるということではありませんか?

レジでお客様と接する中で、思いも寄らないクレームに対応しなければならなかったかもしれません。その対応の経験だって、まとめたらきっと誰かの役に立つはずです。経験を通して気づいたことを発信していけば、それを知りたい人は少なくないはずです。

●ルート6 あなたの「消費行動」がタネになる

先ほど、ルート1 あなたの「趣味」がタネになるのところで、趣味を「お金と時間をかけて継続的にやっていること」と定義しました。「お金を使うこと=消費行動」という考え方に則ると趣味も「消費行動」に入りますが、ここではそう定義しません。

例えば、病院に行って診察してもらう、薬を買う、などは、やむなく使うお金ですよね。もっと具体的な例を挙げてみると、「糖尿病でずっと薬を飲んでいます」という場合などは、まさにお金を使いたくて使っているわけではないかと思います。やむを得ず払っているお金です。

でも、払った分だけ、実は起業のタネになるような経験を積んでいることにお気づきでしょうか。「糖質を減らしてください」とか、「甘いものを控えてね」という食事の指導もされるでしょう。

私の知り合いに糖尿病の男性が2人いるのですが、彼らはやはり、何を食べたら血糖値が上がるのかについて、とても詳しく知っています。実は、食べ物と血糖値の関係は、ダイエットしたい人にとってはすごく重要な話です。血糖値がバーンと上がる食事は太りやすいからです。

先ほどの男性のうち1人は、YouTubeで血糖値のコントロールの話を糖尿病の人に向けて発信していて、ダイエットに関心のある人たちが視聴しているようです。視聴回数に応じて、彼には広告収入が入っています。彼にとっては、お金を使いたくて使っているわけではない糖尿病の治療ですが、そのことが起業のタネにもなっているのです。

稼ぎにつながる「8つのタネ」の見つけ方
(画像=『日本実業出版社』より引用)

楽しいことに使っているお金と違い、病気治療のために払っているお金のような「仕方なく使っているお金」は忘れてしまいがちです。でも、継続的に使っているということは、継続的に発信できるタネがあるということ。よく見直してみれば、あなたも日常生活の中に「仕方ない」出費があるはずです。それを、ぜひ収入のきっかけに転換させてください。