長期にわたって右肩上がりが続いている米国株。日本人も老後のために米国株投資を始める人が増えているようだが、注意したいことがある。「手数料負け」だ。米国株は、日本株よりも売買手数料が高い。手数料負けを回避する手段はあるのだろうか。
米国株の手数料率の相場は?
2022年2月時点で、米国株の売買手数料はキャンペーンや一部の特例を除き、手数料が低めのネット証券でも「売買金額の0.495%(税込)」が相場だ。
例えば、ある米国株を1,000ドル分購入するとしよう。手数料は「1,000ドル×0.495%」と計算され、4.95ドルとなる。その後、買った株式を仮に同じ1,000ドルで売却したとすると、同じく4.95ドルの手数料がかかる。
つまり、買って売るだけで9.9ドルも手数料を取られるので、株価が1%(=10ドル)値上がりしなければ、売却してもほとんど利益が残らないのだ。
手数料負けしないため方法は、以下の2つだ。
頻繁に売買せず、長期保有する
米国株を頻繁に売買していると、何度も手数料がかかる。短期のトレードではなく長期保有を前提とした投資をすれば、手数料は減る。
長期的に右肩上がりの大型株などがおすすめだ。また、さまざまな銘柄に分散投資をすることで資産全体の下落リスクを抑えることができ、結果的に株式の保有を継続しやすくなる。
一度に大きな額をトレードする
トレードの金額を大きくするという方法もある。ネット証券では手数料の上限が「22ドル(税込)」(楽天証券やSBI証券の場合)などと決められているケースが多く、トレードの金額が大きくなると相対的に手数料率が低くなる。
例えば、ある株式を一括で2万ドル分購入したとする。手数料は22ドルなので、手数料率は「0.11%」だ。前述の「0.495%」と比べると、かなり低くなることがわかる。4万ドル分を一度に購入すれば「0.055%」だ。
手数料負けをしていては本末転倒
せっかく米国株投資で資産を増やそうとしているのに、手数料負けしていては本末転倒だ。米国株投資を始める際は、この記事で紹介した2つの視点を持って、手数料負けだけは避けよう。
ちなみにネット証券によっては、期間限定で売買手数料が無料となるキャンペーンを行っていることがあるので、そのような機会を利用して株式を売買するのもおすすめだ。
文・MONEY TIMES編集部
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