長年にわたって右肩上がりが続く米国株への投資が、近年日本でも注目を浴びている。株式投資において重要なのは、過去のデータを分析し、将来の値動きを予測することだ。この記事では、米国株の過去1年のデータから大きく値上がりした銘柄を紹介する。

S&P500企業が対象のランキングを参照

アメリカのニューヨーク証券取引所とナスダック市場に上場している企業は、2021年11月末時点で6,100社を超える。

これらすべての上場企業を対象に、値上がり率ランキングの上位を紹介するのも悪くはないが、出来高がかなり少ない銘柄や、ボラティリティ(変動幅)が高すぎてハイリスクな銘柄も含まれることになる。

そのため、この記事ではアメリカの主要な株価指数「S&P500」を構成する企業を対象に、値上がり率ランキングの上位を紹介する。S&P500に選定されている上場企業であれば流動性が高く、業績が極端に悪い泡沫銘柄も避けられるからだ。

過去1年の値上がり率ランキングを紹介

S&P500構成銘柄を対象にした、過去1年の値上がり率ランキング(2022年1月28日時点)は以下のとおり。1〜20位の中で、特に注目が高まっている企業を紹介しよう。

<S&P500構成銘柄の値上がり率ランキング(1年前との比較)>

順位 企業名 銘柄コード 値上がり率 株価
1位 デボン・エナジー DVN 200% 51.55ドル
2位 マラソン・オイル MRO 163% 19.84ドル
3位 アパッチ APA 122% 33.17ドル
4位 コノコフィリップス COP 119% 89.23ドル
5位 ダイアモンドバック・エナジ FANG 113% 128.72ドル
6位 EOGリソーシズ EOG 104% 109.7ドル
7位 ニューコア NUE 98% 99.79ドル
8位 フォーティネット FTNT 90% 282.16ドル
9位 シグネチャー・バンク SBNY 83% 301.07ドル
10位 ガートナー IT 83% 287.6ドル
11位 フォード・モーター F 82% 19.54ドル
12位 オキシデンシャル・
ペトロリウム
OXY 79% 37.57ドル
13位 ウェルズ・ファーゴ WFC 76% 54.2ドル
14位 エクストラ・スペース・
ストレージ
EXR 76% 197.05ドル
15位 シュルンベルジェ SLB 76% 39.68ドル
16位 パイオニア・ナチュラル・
リソーシズ
PXD 76% 215.56ドル
17位 エヌビディア NVDA 75% 228.4ドル
18位 ハリバートン HAL 72% 31.36ドル
19位 ロバート・ハーフ・
インターナショナル
RHI 70% 110.29ドル
20位 オートゾーン AZO 70% 1,950.55ドル

1位:デボン・エナジー(値上がり率:200%)

「デボン・エナジー」は、石油や天然ガスの探査や生産を行うエネルギー企業だ。この1年間の株価の推移を見ると、2021年5月から9月中旬にかけては横ばいだったが、その後原油価格の上昇などによって上昇に転じた。

ちなみに、2位の「マラソン・オイル」(値上がり率:163%)や3位の「アパッチ」(値上がり率:122%)もデボン・エナジーと同業だ。この1年、エネルギー関連銘柄がいかに好調だったかがわかる。

11位:フォード・モーター(値上がり率:82%)

近年自動車業界では米EV(電気自動車)大手「テスラ」が注目されているが、過去1年の値上がり率では老舗メーカーのフォード・モーターに軍配が上がる。急速に販売台数を増やしているテスラだが、過去1年間の値上がり率は0.78%に留まる。

フォードの値上がりの主な要因は、過小評価からの反動といわれている。多くの株式投資家が、EV化の流れの中でテスラなどに多くの資金を投じた。これによってフォードなどの老舗メーカーの評価が相対的に低くなったが、近年は電動化に力を入れており、評価が見直されているようだ。

17位:エヌビディア(値上がり率:75%)

エヌビディアは、ランキング上位20位の中で時価総額が最も大きい。半導体企業として、事業と業績を拡大してきた企業だ。コロナ禍の「巣ごもり需要」によって、ゲーム業界やハイテク業界で半導体需要が大きく伸びたことが、この1年の株価上昇につながった。

過去のデータから見えてくるもの

過去1年で株価が大きく上昇したからといって、今後もそれが続くとは限らない。新型コロナウイルスが終息すれば、市場をリードする銘柄が様変わりする可能性が高い。

しかし過去のデータを分析すれば、どのような経済情勢の時にどのような銘柄が注目されるのかがわかる。興味がある人は5~10年前からの値上がり率ランキングのデータを探し、分析してみてはいかがだろうか。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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