2021年の新語・流行語大賞にノミネートされた「NFT」は、あらゆるジャンルのクリエイターや事業者から注目されている。

「NFT」や「NFTアート」とは一体何で、ビットコインなどの仮想通貨とどのような違いがあるのだろうか。NFTやNFTアートについて解説するとともに、NFTの魅力や特徴、購入方法を紹介する。

1,NFT・NFTアートとは?

(画像=Pssakom/stock.adobe.com)
NFT
NFTとは、「Non Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略で、日本では「非代替性トークン」と呼ばれる。代替(だいたい)とは「他のもので替えがきく」という意味だが、NFTは「非代替性」であるため他のもので替えがきかない。つまり、NFTは唯一性を持つトークンということだ。
NFTはビットコインやイーサリアムと同じく、ブロックチェーン技術を用いて発行される。NFTを発行するとブロックチェーンに記録されるが、そのデータは改ざんが困難なので唯一性が保たれるのだ。

NFTの仕組みを用いたアート作品が、NFTアートである。

NFTアートは、これまでインターネット上で扱われていたデジタルアートをNFT化し、データをブロックチェーンに記録したものです。

NFT技術を用いたアートは自由に販売や移転ができるが、発行者や過去に保有していたユーザーの情報も、すべてブロックチェーンに記録されるのが特徴だ。

NFTアートとして販売されるものはイラストなどが多いが、中にはWebメディアで記事を読む際に広告を非表示にする権利をNFT化したものもある。また、TwitterのツイートをNFT化し、オークションにかけた例もある。

2,高額で落札されたNFT・NFTアート

(画像=編集部作成)

NFTやNFTアートは、一部が数億円で取引されたことで一気に注目されるようになった。

これまで高額で取引されたNFTの中で、特に話題になったものを3つ紹介しよう。

Twitter元CEO、ジャック・ドーシー氏のツイート

Twitterの元CEOであるジャック・ドーシー氏が、2021年3月に同氏の初ツイートをNFT化し、オークションで販売した。

日本円にして3億円を超える価格で落札され、多くのメディアで取り上げられた。

デジタルアーティスト、Beepleのデジタルアート作品

デジタルアーティストのBeeple(ビープル)は2021年3月、美術品オークションハウスのクリスティーズで『Everydays:The First 5000 Days』を販売し、約75億円で落札された。

2月には同氏の作品「Crossroad」が約7億円で転売されましたが、それを大きく上回りました。

最古のNFTプロジェクト、CryptoPunks

24×24ピクセルのポートレート「CryptoPunks」は、2017年にスタートしたプロジェクトだ。

2021年3月に約8億円で売却され、5月にはオークションで約18.5億円で落札された。

3,NFT・NFTアートの特徴

(画像=編集部作成)

ここからは、NFT・NFTアートの特徴について詳しく解説する。

データの唯一性が証明できる

NFTはコピーされても偽物とわかるため、データの唯一性が証明できます。

NFTを発行する際、発行元や日時などの情報がブロックチェーンに記録されます。情報は発行したNFTに紐づけられているため、偽物との区別が可能です。

「NFTアートはデータだからコピーできるのでは」と思うかもしれないが、非代替性という特徴があり、ブロックチェーン技術によってNFT自体の唯一性は保証されている。

取引履歴の改ざんが困難

NFTはブロックチェーン技術を用いて発行されるため、取引履歴の改ざんが困難です。

NFTはオークションや販売所で売買できるが、発行者の元を離れてどのユーザーを渡り歩いてきたのかがすべて記録されている。

取引履歴を改ざんするためには、そこに至るまでのすべてのデータを書き換えなければならない。膨大なコストや手間がかかるため、事実上改ざんは困難だ。

プラットフォームに依存しない

NFTは、特定のプラットフォームに依存しません。NFTの取引所であるマーケットプレイスは複数ありますが、それらをまたいで利用することも可能です。
例えば、NFTを発行して販売していたマーケットプレイスが閉鎖されたとしても、発行したNFTと同じブロックチェーンに対応したマーケットプレイスがあれば、そちらで引き続き取引ができる。

4,NFT・NFTアートの売買ができるマーケットプレイス(取引所)

Coincheck
NFT(beta)
OpenSea Rarible NFTStudio nanakusa
取扱
コンテンツ
● ゲーム内アイテム
● トレーディングカード
● アート
● ゲーム内アイテム
● 音楽
● トレーディングカード
● ブロックチェーンドメイン
● ユーティリティトークン
● アート
● 写真
● ゲーム内アイテム
● メタバース
● 音楽
● ドメイン
● DeFi
● アート
● トレーディングカード
● 電子書籍
● ゲーム内アイテム
● アート
● フォトグラフィー
● トレーディングカード
● 音楽
● 動画
手数料
(ガス代)
無料 必要 必要 無料
(ただし運営手数料
として売上の20%が必要)
不明
決済通貨 15種類
(BTC、ETH、LSK、XRP、
XEM、LTC、BCH、
MONA、XLM、QTUM、
BAT、IOST、ENJ、
OMG、PLT)
ETH、MATIC、
KLAY、DAI、
WETHなど
ETH、WETH なし ETH、MATIC
日本語
対応可否
対応 不可 対応 対応 対応
日本円
取引可否
不可 不可 可 (クレジット
カード決済対応)
可 (クレジット
カード決済、
Google Pay
決済対応)
可 (クレジット
カード決済対応)
対応
ウォレット
Metamask Metamask、CoinbaseWallet、
TrustWallet、Portis、
Fortmatic/Magic、Arkane、
Authereum、Bitski、
Dapper、kaikas、
OperaTouch、Torus、
WalletLink、WalletConnect
Metamask、Torus、
MyEtherWallet、
CoinbaseWalletなど
Metamask Metamask
Coincheck NFT(beta)OpenSeaRaribleNFTStudionanakusaの公式ホームページをもとに筆者作成(2021年12月6日時点)

5,NFTマーケットプレイス(取引所)各社の特徴

NFTの売買ができるマーケットプレイス5社について、それぞれの特徴を紹介する。

Coincheck NFT(beta)……日本の大手取引所によるマーケットプレイス

Coincheck NFT(beta)
取扱コンテンツ ゲーム内アイテム
トレーディングカード
手数料(ガス代) 無料
決済通貨 BTC、ETH、LSK、XRP、XEM、
LTC、BCH、MONA、XLM、QTUM、
BAT、IOST、ENJ、OMG、PLT
日本語対応可否 対応
日本円取引可否 不可
対応ウォレット Metamask(メタマスク)
創設年 2021年3月24日
アクティブユーザー数 不明
Coincheck NFT(beta)の公式ホームページをもとに筆者作成(2021年12月6日現在)

Coincheck NFT(beta)は、仮想通貨取引所のCoincheckによるNFTマーケットプレイスです。

利用にはCoincheckの口座開設を済ませておく必要がある。

海外のマーケットプレイスは基本的に英語表記だが、Coincheck NFT(beta)は日本語表記なのが嬉しいところだ。

Coincheck NFT(beta)で取り扱われるのは、CryptoSpells(クリプトスペルズ)やThe Sandbox(サンドボックス)を含む、5タイトルのゲーム内アイテムやトレーディングカードである。

いずれも売却時は10%の手数料がかかるが、出品と購入はオフチェーン取引なのでガス代(手数料)はかからない。

一般的なマーケットプレイスはオンチェーンで取引するが、ブロックチェーンに記録する情報量が多いため手数料がかかる。オフチェーン取引であれば、取引の要所のみをブロックチェーンに記録するため、手数料を大幅に削減できる。

OpenSea(オープンシー)......世界最大手の古参NFTマーケットプレイス

(画像=OpenSea公式ホームページより引用)
OpenSea
取扱コンテンツ アート、音楽、トレーディングカード、
ゲーム内アイテム、ブロックチェーンドメイン、
ユーティリティトークン
手数料(ガス代) 必要
決済通貨 ETH、MATIC、KLAY、DAI、WETHなど
日本語対応可否 不可
日本円取引可否 不可
対応ウォレット Metamask、CoinbaseWallet、TrustWallet、
Portis、Fortmatic/Magic、Arkane、Authereum、
Bitski、Dapper、kaikas、OperaTouch、Torus、
WalletLink、WalletConnect
創設年 2017年12月
アクティブユーザー数 不明
OpenSea公式ホームページをもとに筆者作成(2021年12月6日現在)

OpenSeaはNFTマーケットプレイスの中でも特に古く、大きな規模を誇ります。

OpenSeaでは初回販売時、ガス代の他にアカウントを有効化するための料金がかかります。また、オークションの利用時にはWETHと呼ばれるトークンが必要です。
WETHとは、イーサリアム(ETH)と1対1で交換できる「Wrapped ETH」のことだ。イーサリアム系の仮想通貨にはいくつかの規格があるが、OpenSeaのオークションなどで利用する際はERC20という規格に合わせなくてはならない。WETHの規格はERC20であり、ETHをWETHに交換するとオークションに入札できるようになる。

Rarible(ラリブル)……独自トークン「RARI」の付与が魅力のマーケットプレイス

(画像=Rarible公式ホームページより引用)
Rarible
取扱コンテンツ アート、写真、ゲーム内アイテム、
メタバース、音楽、ドメイン、DeFi
手数料(ガス代) 必要
(「レイジーミンティング」
機能の利用で購入者負担に)
決済通貨 ETH、WETH
日本語対応可否 対応
日本円取引可否 可能
(クレジットカード決済対応)
対応ウォレット Metamask、Torus、MyEtherWallet、
CoinbaseWalletなど
創設年 2019年11月
アクティブユーザー数 不明
(総ユーザー数160万人)
※Raribleの公式ホームページをもとに筆者作成(2021年12月6日現在)

Raribleは、OpenSeaと同じく海外発の大手NFTマーケットプレイスです。

Raribleでは、NFTを購入または販売すると、RARIと呼ばれるトークンを受け取れる。

RARI

RARIはRaribleに関するルール変更が行われる場合、投票権として利用できるガバナンストークンだ。ビットコインなどと同じく、仮想通貨取引所で売買できる。

RaribleにおけるNFTの購入・販売には2.5%の費用とガス代がかかるが、2021年10月にゼロコストでNFTを発行できる「レイジーミンティング」機能が追加された。NFTを発行する際、データはいったんIPFS(分散ストレージ)に保存され、購入時にNFTが発行される。この時のガス代は、発行者ではなく購入者が負担する仕組みだ。

NFTStudio……「クリスペ」運営の国内NFTマーケットプレイス

(画像=NFTStudio公式ホームページより引用)
NFTStudio
取扱コンテンツ アート、トレーディングカード、
電子書籍、ゲーム内アイテム
手数料(ガス代) 無料
(ただし運営手数料として
売上の20%が必要)
決済通貨 なし
日本語対応可否 対応
日本円取引可否 対応
(クレジットカード決済、
Google Pay決済対応)
対応ウォレット Metamask
創設年 2021年3月22日
アクティブユーザー数 不明
NFT Studio公式ホームページをもとに筆者作成(2021年12月6日現在)

NFTStudioは、ブロックチェーンゲーム「CryptoSpells(クリプトスペルズ)」を運営するCryptoGames社が手掛ける国内NFTマーケットプレイスです。

NFTStudioはNFTを取り扱いたい事業者向けに、NFTショップ構築やエコシステム構築をサポートする「NFT StudioOEM」や、無償でNFTを配布できるサービス「NFTAirdrop」などの機能を備えている。

NFTStudioではイラストや写真にとどまらず、クラシック音楽コンサートのNFTや小説の電子書籍NFTなど、幅広いジャンルのNFTを売買している。

ちなみにNFTStudioにおける決済方法は仮想通貨ではなく、クレジットカードもしくはGoogle Payだ。よって、仮想通貨を取り扱ったことがないユーザーでも、ウォレットを用意すればNFTを購入できる。

nanakusa(ナナクサ)……アーティスト登録制の国内マーケットプレイス

(画像=nanakusaの公式ホームページより引用)
nanakusa
取扱コンテンツ アート、フォトグラフィー、
トレーディングカード、音楽、動画
手数料(ガス代) 不明
決済通貨 ETH、MATIC
日本語対応可否 対応
日本円取引可否
(クレジットカード決済対応)
対応ウォレット Metamask
創設年 2021年3月15日
アクティブユーザー数 不明
nanakusaの公式ホームページをもとに筆者作成(2021年12月6日現在)

nanakusa(ナナクサ)は、クリプトアーティスト登録制のマーケットプレイスです。登録制なので、偽物が出品されるリスクは低いといえます。

NFTを販売したいアーティストや企業は事前に申請し、審査に通過した場合のみNFTを販売できる。公認クリエイターになると、NFTの売買による利益の税務申告に便利な会計ソフト「Gtax」を利用できる。

nanakusaの特徴は、NFTを所有するユーザーのみがNFTファイルを閲覧できる、閲覧制限機能だ。

この機能は特許申請中で、書籍や音楽の二次流通を促進させる狙いがある。

また、nanakusaではNFTや仮想通貨に触れたことがない人でも利用しやすいよう、仮想通貨決済だけでなくクレジットカード決済にも対応しています。

nanakusaでは2021年8月にNFTの流出がありましたが、9月にサービスを再開しています。

6,NFTアートを購入する手順

(画像=編集部作成)

ここからは、実際にNFTアートを購入する際の手順を紹介する。

マーケットプレイスを利用する前に、まずは仮想通貨取引所の口座を開設する必要がある。

今回は、Coincheckで口座を開設した後、NFTマーケットプレイスのOpenSeaでNFTアートを購入するまでの手順を見てみよう。

用意するものは、NFTアートを購入するための仮想通貨を購入するCoincheckの口座と支払いに利用するウォレット、そしてNFTアートを売買するOpenSeaのアカウントの3つだ。

Coincheckで口座を開設する

まず、Coincheckの公式ホームページで会員登録を行う。

(画像=Coincheck公式ホームページより引用)

メールアドレスとパスワードを設定すれば、すぐに会員登録が完了する。

送られてきたメールから利用規約などの確認ページへアクセスし、規約に同意するとすぐにマイページが表示される。

(画像=Coincheck公式ホームページより引用)

仮想通貨を取引するためには、本人確認書類の提出が必要だ。

ログイン後、マイページより電話番号の認証を行い、氏名や住所などの必要情報を入力し、本人確認書類を提出しよう。

利用できる本人確認書類は、以下のとおり。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 運転経歴証明書
  • 住民基本台帳カード
  • 個人番号カード
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書

書類を提出し、審査が完了して承認されれば、すべての機能を利用できる。

ウォレットをインストールする

次に、ウォレットを準備しよう。

ウォレットとは、手に入れたNFTを保管したり、購入用の仮想通貨を保管したりするためのオンライン上の財布のことだ。

ウォレットにはさまざまなものがあるが、ここでは利用者が多い「Metamask(メタマスク)」を紹介する。

Metamask(メタマスク)とは

Metamask(メタマスク)は、イーサリアム系のブロックチェーンを使ったアプリを利用する際におすすめのウォレットだ。ブロックチェーンの切り替えや、異なる仮想通貨への交換(スワップ)、送金などができる。

(画像=Metamask公式ホームページより引用)

パソコンで利用する場合はGoogle ChromeやBraveなどのブラウザ版を、スマートフォンで利用する場合はiOS版、Android版をそれぞれインストールする。

初めてウォレットを作る場合は、「Create a Wallet」をクリックする。

(画像=Metamask公式ホームページより引用)

利用規約をチェックした後、規約に同意する「I Agree」をクリックし、最低8文字のパスワードを設定する。

(画像=Metamask公式ホームページより引用)

続いて、パスフレーズを保存する。

パスフレーズとは、アカウントを復活させる際などに必要な12の単語のことだ。

パスフレーズの内容や順番は、ユーザー人によって異なる。パスフレーズはウォレットのデータを復元させる唯一の手段であり、他人に知られると保管しているNFTや仮想通貨が流出するおそれがある。12のパスフレーズは何らかの形で必ず記録しておき、厳重に管理しよう。
(画像=Metamask公式ホームページより引用)

パスフレーズを保存した順番に並べて確認すれば、メタマスクの初期設定は完了だ。

OpenSeaのアカウントを作成する

続いて、NFTアートを売買する取引所であるOpenSeaでアカウントを作成しよう。

OpenSeaにアクセスし、右上の人型のアイコンをクリックする。

(画像=OpenSea公式ホームページより引用)

メタマスクを選んで「Sign In」をクリックし、画面の指示にしたがってメタマスクを接続すれば完了だ。

(画像=OpenSea公式ホームページより引用)

これで、NFTアートを購入する準備は完了だ。

NFTアートを購入する

実際にNFTアートを購入する際の流れは、以下のとおり。

  • Coincheckに日本円を入金する
  • Coincheckでイーサリアム(ETH)を購入する
  • 購入したイーサリアムをメタマスクに送金する
  • OpenSeaで目当てのNFTを探して、購入する

まずCoincheckに日本円を入金して、イーサリアム(ETH)を購入しよう。

NFTはイーサリアム系のブロックチェーン上に生成されるため、売買に利用できる通貨もイーサリアムなどに限定される。

※NFTの売買で使える仮想通貨

NFTの売買にはイーサリアム(ETH)の他、イーサリアムのサイドチェーン上でNFTを発行できるPolygon(ポリゴン)における独自トークンであるMATICを利用できる。

次に、Coincheckで購入したイーサリアムをメタマスクに送金する。

メタマスクを開いて、入金先のアドレスを確認しよう。

アドレスの間違いを防ぐため、アドレスは手で入力するのではなく、必ずコピーして貼り付けよう。不安な場合や初めての場合はまず少額を送金するなど、テストをしてからまとまった金額のイーサリアムを送るとよい。

メタマスクで着金を確認したら、OpenSeaで購入したいNFTアートを探す。

(画像=OpenSea公式ホームページより引用)
  • Art(アート)
  • Music(音楽)
  • Trading Cards(トレーディングカード)

などのカテゴリから選ぶか、キーワード検索で探そう。

「Buy now」という表示があるものはすぐ購入できますが、ないものはすぐには購入できません。
(画像=OpenSea公式ホームページより引用)

例えば、このNFTアートであれば0.002ETHですぐに購入できる。

ちなみに「Make offer」と、価格交渉のことです。

「Buy now」をクリックし、「Confirm checkout」をクリックすると、メタマスクが自動的に起動する。

メタマスクには、ガス代と呼ばれる手数料と代金の合計額が表示されるので、購入する場合は「承認」を、購入を取りやめる場合は「拒否」をクリックしよう。

これで、NFTアートを購入できます。購入したNFTアートが自分のものになっているか、OpenSeaのマイページで確認しましょう。

7,NFT・NFTアートを取引する際の注意点

(画像=編集部作成)

ここからは、NFT・NFTアートを取引する前に知っておきたい3つの注意点について解説する。

著作権譲渡や保護は基本的に行われない

NFT・NFTアートを購入しても、基本的に著作権の譲渡は行われません。
著作権とは、自分の考えや気持ちを表現した作品に対して与えられる権利で、作者の人格を守るための権利や、使用料を受け取ることができる権利が含まれる。

NFTはあくまで作品が誰の手に渡っているかがわかるものであり、著作権が他の人に移るわけではありません。そのため、著作者が許可しない限り作品(著作物)を複製したり、手を加えたりしてはいけません。

アートの権利者でない人が出品している可能性がある

NFT・NFTアートは、権利者以外のユーザーが無断で複製し、マーケットプレイスに出品していることがあります。
ブロックチェーンに記録されている情報を確認すれば、発行者やこれまでの経歴がわかるため唯一性を証明できるが、すでにNFTアートとして出品されているものをコピーされ、出品されることがある。また、すでにSNSなどに公開されているイラストを、権利者でない者が新たなNFTアートとして出品している可能性もある。

特に知名度が高いユーザーのNFTアートは、本当に権利者によって公開されたものかどうかを確認しましょう。

将来の価値はわからない

空前のNFTブームだが、どの作品も将来の価値は誰にもわかりません。
現在は高い価格がつけられていても、将来その価値が保たれるか(あるいは上がるか)どうかはわからない。また、NFTアートはすべてイーサリアムなどの仮想通貨で売買されるため、仮想通貨の暴落によって価値が大きく下がる可能性もある。反対に価値が大きく跳ね上がる可能性もあるが、NFTアートの価値は絶対的なものではないことを覚えておこう。

NFTアートは、転売目的ではなくコレクション目的で購入するとよいでしょう。

8,NFT・NFTアートの基礎知識

(画像=編集部作成)
NFT・NFTアートは、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)とは異なります。
Aというユーザーが持っている1BTCとBが持っている1BTCは、どちらも同じ価値を持つ同じ1BTCだ。これに対してNFTは、すべて固有のものとして扱われる。

NFTには非代替性の他にも、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムを用いて、さまざまな機能を付け加えられるという特徴もある。スマートコントラクトとは、設定した条件を満たせば、仲介役となる第三者がいなくても契約を自動で実行する仕組みのことだ。

NFTアートの中には、マーケットプレイスを通じて売却した後、さらに別の人へ売却される二次流通が起こった場合に、発行者であるクリエイターに利益が還元されるようになっているものがある。この仕組みを実行するのが、スマートコントラクトだ。その他、NFTの取引やオークションなど、あらゆる仕組みを実現させているのもスマートコントラクトである。

また、仮想通貨は分割できるため少額投資が可能だが、NFTは分割できない。

例えば、ビットコインの価格が1BTC=500万円の時に5万円を支払えば0.01BTCが手に入り、イーサリアムの価格が1ETH=40万円の時に4万円を支払えば0.1ETHが手に入る。しかし、1ETHの価格をつけて出品されているNFTは1ETHでしか購入できない。

NFT・NFTアートと仮想通貨の主な違いは、非代替性の有無、分割の可否、唯一性の有無です。

9,NFT・NFTアートに関してよくある5つのQ&A

最後に、NFT・NFTアートに関してよくある質問をQ&A形式で紹介する。

NFTとは?
「Non Fungible Token」の略であるNFTとは、唯一性を持つ「非代替性トークン」のことだ。ビットコインなどの仮想通貨と同じく、ブロックチェーン技術を用いて発行されるデジタル資産である。NFTはアートやゲーム、不動産などさまざまな分野で活用されており、2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。Twitter元CEO、ジャック・ドーシー氏の初ツイートNFTがオークションにかけられた際は、3億円もの値がついた。
NFT・NFTアートの特徴は?
NFT・NFTアートはデータだが、所有者や発行者の記録がすべてブロックチェーンに記録されているため、改ざんが難しいという特徴がある。また、NFTの取引所であるマーケットプレイスをまたいで売買できるため、特定のプラットフォームに依存しない。ビットコインは0.00000001BTCが最小単位で、0.1BTCや0.05BTCといったように分割して売買できるが、NFT・NFTアートは出品者が決めた価格でしか売買できないことも、ビットコインなどの仮想通貨とは異なる特徴といえる。
NFT・NFTアートが購入できるマーケットプレイス(取引所)は?
NFTを売買できるマーケットプレイス(取引所)は国内外にあり、それぞれ規模や対応するブロックチェーンが異なる。主なマーケットプレイスは以下のとおり。

・Coincheck NFT(beta)
・OpenSea
・Rarible
・NFT Studio
・nanakusa

他にも、AdambyGMO(beta)や、Mintbaseなど多くのマーケットプレイスが存在する。各マーケットプレイスをチェックし、手続きが簡単で使いやすそうなところを見つけてほしい。
NFT・NFTアートを購入する際の手順は?
NFT・NFTアートを購入するためには、仮想通貨取引所の口座を開設してウォレットを設定した後、マーケットプレイスとウォレットの紐づけを行う。本記事では、Coincheckでの口座開設、メタマスクでのウォレット作成、OpenSeaでのNFTの購入手順を紹介した。

  • Coincheckで口座を開設する
  • メタマスクでウォレットを作成する
  • OpenSeaでアカウントを作成し、OpenSeaアカウントとメタマスクを連携させる
  • Coincheckでイーサリアム(ETH)を購入し、メタマスクに送金する
  • OpenSeaでNFTを購入する
NFT・NFTアートを取引する際の注意点は?
NFT・NFTアートを売買する際は、作品の代金の他に「ガス代」と呼ばれる手数料がかかる。これはイーサリアムのネットワークを利用する際にかかる費用で、場合によっては数千円から数万円になることもある。ガス代を抑えたい場合は、イーサリアムよりガス代が大幅に安いポリゴン(MATIC)のブロックチェーンを用いて発行されたNFTを売買するとよいだろう。また、イラストなどのコンテンツを不正にコピーしてNFT化し、販売しているケースもあるため、購入する前に必ず出品者情報や発行者情報を確認しよう。

執筆・清水 マキ
フリーライター。3人の子育てをしながら、2017年より仮想通貨投資を始める。海外プロジェクト公式のホワイトペーパー翻訳やPR記事作成や、複数の仮想通貨メディアへ寄稿中。
フリーライター。3人の子育てをしながら、2017年より仮想通貨投資を始める。海外プロジェクト公式のホワイトペーパー翻訳やPR記事作成や、複数の仮想通貨メディアへ寄稿中。

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