iDeCo(イデコ)が元本割れしたときの正しい3つの対処法

2019.12.2
INVESTMENT
(写真=fotogestoeber/Shutterstock.com)
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定期的に送られてくるiDeCoの運用報告書。資産が元本割れをしており、どうすれば良いか悩んでいるという人も中にはいるだろう。iDeCoをきっかけに投資を始めた人であればなおさらだ。iDeCoが元本割れとなっている時、投資経験が浅い人はどう対処したらいいのか。

iDeCo(イデコ)が元本割れしたときに「パニック売り」はNG

投資初心者の場合、冷静な判断が出来ず、元本割れとなっている資産をパニック売りしてしまうケースも少なくない。しかし、これは絶対に避けたほうがいい。現状の分析なしに、元本割れした資産を売却した場合、iDeCoの目標から遠ざかる可能性が出てくるためだ。

投資初心者に良くあるケースとして、株式等のリスク資産を保有していたが、元本割れを起こしたので売却し、債券や定期預金等の安定資産へリバランスを行うという行動があげられる。

新たに購入した資産は値動きが安定しているものの、相場の回復局面に取り残され、資産全体での元本割れを取り戻せないといった事態につながってしまう。こういった経験をした人は、投資は損をしてしまうというイメージを持ってしまう。その要因にパニック売りをしてしまったという事実が隠れているのだ。

iDeCoの元本割れに対処するには、現状と冷静に向き合ったうえで、資産プランの再確認や見直し作業を行なっていくことになる。焦る気持ちを一度冷静に押さえ、元本割れの現状を認識することを意識したい。

iDeCo(イデコ)の元本割れへの正しい3つの対処法

iDeCoの資産が元本割れした場合の対処法を説明しよう。パニック売りをしたい気持ちを押さえ、冷静に現状を認識したところで、次の3つの対処法を実践したい。

iDeCo(イデコ)が元本割れしても待ちの姿勢を貫く

iDeCoで元本割れとなった場合の最も基本的かつ重要な対処法は、元本割れを受け入れて、戻り待ちの姿勢を貫くことである。iDeCoは長期間にわたる積立投資を大前提としており、40代の人であれば、10~20年程の投資期間、20代から始めた場合には最大で40年近くの投資期間がある。

iDeCoのような長期積立投資では、ドルコスト平均法という考え方を理解し、それに則るのが最善であろう。ドルコスト平均法とは、定期的に一定の金額を購入する事で、相場の上昇局面では購入口数を少なく、下落局面では多くして、結果として平均購入コストを抑えられるという投資手法である。

ドルコスト平均法は、相場の変動を基本的には気にしなくていい。下落局面でも一定金額を購入し続ける事により、保有口数が増えていき、先の上昇局面で利益を生む可能性も高くなる。現状の元本割れは、長期投資における変動の一部であると割り切り、目先の浮き沈みに一喜一憂しない姿勢を貫きたい。

iDeCo(イデコ)の元本割れが自身の許容範囲を超えているなら資産配分の見直しを

iDeCoの原則はドルコスト平均法に基づく待ちの姿勢であるが、元本割れを起こしている状況に、気が気ではないという人もいるだろう。多少の元本割れには目をつぶりたいところだが、どうしても気になる場合には、投資プランの見直しを検討したい。

iDeCoは長期間の運用となるため、安心して保有しておける資産へ投資を行う事が重要だ。元本割れの状況が頭から離れないようであれば、資産配分の見直し(アセットアロケーション)を行うべきだあろう。

iDeCoの投資資産には株式や債券だけでなく、保険や定期預金も含まれる。こうした資産への配分も選択肢に入れながら、アセットアロケーションを行いたい。

ただし、iDeCoでは種々の手数料がかかる。たとえば月額2万3,000円を拠出する場合、コストの低いネット銀行の場合でも、月々0.7%程度の手数料が必要だ。保険や定期預金等の安定資産への投資では、これらのコストを上回ることが難しくなる可能性が高いため、一定のリスク資産も保有していたほうがいいだろう。

相場急変時にはiDeCo(イデコ)の一時的なアセットアロケーションも選択肢に

iDeCoの運用は長期にわたるため、途中には大きな相場急変のタイミングもあるだろう。そうした場合には、一時的な資産退避のためのアセットアロケーションを行ってみてもいいだろう。

リーマンショックのような株式急落が起こった場合、相場環境が落ち着くまで、資産を債券や定期預金等の資産へ移すことで、iDeCoの資産への不安を解消するという選択もできる。これも自身の許容リスクと照らし合わせて判断する必要があるが、1~2週間で1割程度の下落、1ヵ月で2割程度の下落というふうに目安をおいても良いだろう。

一次的な資産退避を行った場合、資産配分が当初の配分より大きく乱れるという点を必ず頭に入れておきたい。相場が落ち着いた場合に資産配分の変更を再度行わなければ、資産プランが大きく崩れる可能性がある。

なお、iDeCoでアセットアロケーションを行う場合、配分変更とスイッチングという2つの方法がある。配分変更は今後積み立てる商品の購入比率を変更する事だ。スイッチングは既に保有している商品を、別の商品に買い替えることである。上述したような相場急変に対応するためには、スイッチングで保有資産の変更を行う必要がある。

iDeCo(イデコ)の元本割れに対処するためにも定期的な目標リターンの確認とリバランスを

iDeCoの資産が元本割れとなった際の対処法を説明してきたが、元本割れが起きても慌てないように、iDeCo資産の定期的な確認とメンテナンスは必ず行うべきである。

iDeCo(イデコ)の資産配分が目標リターンに沿っているかを確認

iDeCoの残高を見る際には、iDeCoを始めた当初、どの程度の老後資産を用意する予定であったかも再確認しておこう。目標とする金額に対し、現状の運用実績に加え、これからの積立額と運用期間から目標リターンが弾き出されるが、現状の資産配分がこの目標リターンに沿った内容になっているかを確認したい。

たとえば目標リターンが年率1%なのに、資産のほとんどを株式へ投資している場合、もう少し安定資産の割合を増やすような資産配分の変更を行ってもいいだろう。目標に対して、過大なリスクを取らないようにすれば、元本割れの可能性を減らすこともできる。反対に、目標リターンが年率3%以上と高い場合には、相応のリスクを取る必要があるため、多少の元本割れには目をつぶる必要も出てくる。

投資の世界において、リスクとリターンはトレードオフの関係である。ローリスクハイリターンの商品は基本的にないといっても過言ではなく、目標と許容リスクがつりあっているかを定期的に確認しておきたい。

iDeCo(イデコ)のスイッチングは年に一度は行いたい

iDeCo(イデコ)では保有資産の配分比率を定期的にメンテナンスすることも重要だ。株式50%、債券50%のポートフォリオを組んでいた場合でも、株高となれば、保有資産の株式比率が高くなり、株式60%、40%となってしまうこともある。こうした場合、過大なリスクを取ってしまうため、スイッチングで保有資産の配分を調整する必要がある。

投資初心者がいざ元本割れが起きた場合に冷静に対処するためにも、年に一度のiDeCoのメンテナンスや確認は必ず行っておこう。

文・樋口壮一(金融ライター)
 

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