目次
鍛えたい筋肉によって違う!ベンチプレスの種類
ベンチプレスで大台「100㎏」を上げるには?
鍛えたい筋肉によって違う!ベンチプレスの種類
ベンチプレスの種類には少し変則タイプのものがあり、それぞれ鍛える箇所や目的が違ってきます。挙上重量を伸ばすための「補助トレーニング」としても知っておきましょう。
ベンチプレスの種類①上腕三頭筋を鍛える╱ナロウベンチプレス
これはグリップ幅を狭くするやり方で、通常のベンチプレスより、扱える重量は低くなりますが筋肉を集中的に鍛えることができます。例えば肩幅ぐらいの幅でトレーニングすれば、上腕三頭筋に、両手がくっつくぐらい狭くすると、大胸筋の内側部分に効くとされています。
ナロウベンチプレスの動画もご紹介
ベンチプレスの種類②上半身全体を鍛える╱足上げベンチ
「足上げベンチ」は、アーチをくまず、「尻浮き」などのごまかしもできない分、扱う重量は一気に落ちます。しかしこのトレーニングは、上半身に集中的に負荷がかかる上、体幹も鍛えられるといわれています。テクニックは無視して、筋肉だけを集中的に刺激したい時にはおすすめです。
足上げベンチプレスの動画もご紹介
ベンチプレスの種類③大胸筋上部を鍛える╱インクラインベンチプレス
ベンチの背もたれを斜めに倒し、その状態でベンチプレスを行います。主に胸の上部が鍛えられ「分厚い胸板」にするには効果的。安全を考慮したトレーニング器具「スミスマシン」で行う方法もあります。
ベンチプレスの種類④大胸筋下部を鍛える/デクラインベンチプレス
こちらはインクラインの逆。斜めにしたベンチに、今後は頭を下にして行います。これは大胸筋の下部に効くといわれ、胸と腹筋のセパレーション(境目)を作ってキレキレ感を出すには効果的です。
ベンチプレスで大台「100㎏」を上げるには?
では肝心の「ベンチプレス100㎏」を達成するためのコツとは何なのでしょうか…
ベンチプレスで100kg達成の秘訣①|大事なのは、「筋力アップ」&「出力の仕方を身につけること」!
前の章でも述べた通り、「使うべき筋肉を正しく使う」フォームでトレーニングができれば、少なくとも「筋力アップ」は効率化が図れます。その一方で、もう1つ身につけたいのが「出力の仕方」です。
最初にトレーニングを始めた頃「重量がどんどん伸びた!」という経験がある人がいます。これは筋力アップしたのではなく出力の方法が身に付いた、慣れた、のが要因と考えられます。いうなれば「ベンチプレスが上手になった」という感じでしょうか。このテクニックをもっと習得すると100㎏到達はグッと近くなります。
ベンチプレスで100kg達成の秘訣②|出力の基本テクニックは「縦のアーチ」と「横のアーチ」
ではどんな出力の仕方があるのか?最も知られているのが、「パワーフォーム」というフォームです。パワーリフティング(重量挙げ)のベンチプレス競技でも使われるもので、高重量が扱えます。ポイントは、胸や腹を上に突き出す縦のアーチ(ブリッジ)と、肩甲骨を寄せて胸を張る横のアーチ。
縦のアーチは、ベンチに肩甲骨とお尻がついた状態で、腰だけをブリッジのように反るというもの。横のアーチは、胸の位置を高くするイメージで肩甲骨をグっと寄せて作ります。この状態でバーベルを上げると全身の力がバーベルに集中して伝わりやすく、高重量が上がります。
ただし、お尻をベンチから浮かせると完全な下半身&反動上げになってしまうので要注意。また、「パワーフォーム」ばかりを練習してしまうと、肝心の筋力アップが疎かになりかねません。「出力テクニック」を練習する日と、「筋力アップ」を目指す日など、それぞれを目的とした練習スケジュールを立てましょう。
ベンチプレスで100kg達成の秘訣④|「毎日ベンチ」はやめて、「超回復の原理」を意識しよう
ウエイトトレーニング愛好家には、「毎日同じメニューをこなす人」が沢山いて、初心者にも多く見受けられます。しかしこれも「強くなる」という観点からは不向きです。最近の主流は「回復を重視するため、休息日をもうける」という考え方です。それが「超回復の原理」。
トレーニング後の筋肉は、「筋線維の破壊」「回復」「超回復」という段階を繰り返し経ながら少しずつ強くなることが分かっています。毎日ウエイトトレーニングをすると、回復がなされないまま次のトレーニングを行ってしまうことになり、さらなる筋線維の破壊を招きかねません。
回復にかかる時間は筋肉によって48~72時間といわれているので、1度行ったメニューは、1~2日は行わないようにしましょう。
ただし、ボディビルダーのような”見せる筋肉”に「超回復の原理」は当てはまらないとも言われています。「筋量」と「筋力」の違いで、「筋量」を増やすだけなら、毎日追い込みパンプアップさせる手法がいいと言われているためです。これは「筋力アップ」を目指すベクトルとはずれているのでご注意を。
ベンチプレスで100kg達成の秘訣⑤|手っ取り早い秘策は体重を増やすこと
高重量を扱うため、最も手っ取り早いのは体重を武器にすることです。
ウエイトトレーニングは、「質量保存の法則」が成り立っているので、体重が重い人はより重いバーベルが挙げられます。
極端な話、それは筋肉で太らなくても脂肪や炭水化物でも構いません。ようは自分が重くなること。ウエイトリフティング競技や相撲を見れば分かりますが、筋肉粒々にならなくても力の強い人はたくさんいますよね?
なので多少の脂肪がついても気にならないという人は、ホエイ系(動物性)のプロテインをとるなどして体重増も試してみましょう。太りやすい人には意外と近道かもしれません。
この章の留意点
これらはあくまで基本的な手法なので、それでも「100㎏」に到達しない場合もあります。その時は中級者以上の人が行う「変則トレーニング」も取り入れてみましょう。基本概念は絶対に崩さず、ごくたまに変わったトレーニングや補助トレーニングを取り入れ神経系を刺激するのです。
例えば、「バウンド」や「尻上げ」でやってみたり、「パーシャルレンジ」で高重量を扱ってみる、といった基本を逸脱したトレーニングです。プラトー(停滞期)やスランプに陥った時の脱出法としてヘビーユーザーにも浸透しています。