フリーメイソンの紹介

グランドマスターの挨拶後は、40分ほどかけてフリーメイソンの歴史や活動、入会条件などをスライド付きで解説いただけた。

フリーメイソンの歴史

時間が限られていたこともあり、歴史についてはざっくりとした説明となっていた。

フリーメイソンに伝わる伝承として、ソロモン神殿を建てた石工職人がフリーメイソンの始まりと言われているらしい。その証拠に全てのロッジはソロモン神殿を模して造られている。

古すぎて資料が乏しいという理由もあるようだが、フリーメイソンの正確な始まりはわからないらしい。少なくとも15世紀頃はゴシック建築が最盛期だったためフリーメイソンも拡大化していたが、ゴシック建築の衰退とともに、石工職人の集まりであるフリーメイソンも同じように衰退していく。

その結果17世紀後半~18世紀には職人以外の紳士も会員として受け入れるようになった。職人以外の会員は『アクセプテッドメイソン』と呼ばれ、現代のフリーメイソンは全てこれにあたる。

入会について

入会するには下記の条件を満たしている必要がある。

・成人男性
・読み書きができ、平均的な知力を持っている
・奴隷的な拘束された立場にない
・信仰を持っている
・2人のフリーメイソン会員による推薦を受ける

この条件は識字率の低かった時代や地域、また、奴隷制度があった時代などの名残があるようだ。また、他にも下記のような資格要素がある。

・自由意思で入会希望をしなければならない
・金銭的な動機があってはならない
・神、霊魂の不滅を信じる

フリーメイソンの会員は勧誘ができないため、入会を希望する場合は、必ず自分で入会希望の意思を伝えなければならない。ちなみにフリーメイソンの会員が勧誘すると追放されるそうだ。

活動内容について

そして気になる活動内容だが、慈善団体ではないため、具体的に何かを行うというよりは、内面的なものがメインとなるようだ。フリーメイソンの教義は抽象的なものであり、それを探求していくうえで自分の魂を磨いていくといった感じだろうか。
活動の一環で慈善事業なども行っているが、慈善事業などはあくまで手段であり目的ではないとのことだ。意外と奥が深い。

フリーメイソンの階級には下記の3つがある。

第1階級「Entered Apprentice(エンタード・アプレンティス=徒弟)」
第2階級「Fellow Craft(フェロー・クラフト=職人)」
第3階級「Master Mason(マスター・メイスン=親方)」

次の階級に進むには、試験を受けて合格しなければならない。これは大昔から続いている決まり事である。

会員は様々な場面で儀式を行うが、この儀式では膨大な量の暗記が必要となるらしい。中には暗記ができず辞めてしまう人もいるのだとか。色々と大変なのかもしれない。

ちなみにフリーメイソンの守護聖人はバプテストヨハネとされており、儀式はバプテストヨハネと使途ヨハネの2人に捧げるために行うとのことだった。

質疑応答

説明が終わった後は、質疑応答の時間が用意されていた。入会方法などについての質問が多い中で少々驚いたのが、「ボーイスカウト、ライオンズクラブ、ロータリークラブは全てフリーメイソンから派生したものである」というものだった。ちなみに日本での会員数はフリーメイソンが一番少ないらしい。

館内見学

説明が終わった後は、お待ちかねの館内見学である。

スコティッシュ・ライト

まずブルーロッジを出て案内されたのが『スコティッシュ・ライト』という正方形のホールのような場所だ。

フリーメイソンのオープンハウスに参加してみた
(画像=『ナゾロジー』より引用)

ここは正確にはフリーメイソンではなくフリーメイソンの上位階級の団体が儀式を行う場所だ。シンボルは双頭の鷲。

天井にはFAITH, REASON, CHARITY, NATUREなどの意味深な単語が。

フリーメイソンのオープンハウスに参加してみた
(画像=『ナゾロジー』より引用)

この場所では大がかりな儀式を行うらしく、照明なども気合いが入っていた。

応接室

続いて応接室に案内された。

フリーメイソンのオープンハウスに参加してみた
(画像=『ナゾロジー』より引用)

応接室はそれほど広くなく、人が多かったため、まともな写真を撮ることができなかった。

この応接室、実は水交社時代の応接室を再現しており、シャンデリアは当時のものが現在も使われている。戦死した山本五十六の遺骨が葬儀までの間、安置されていたのはこの部屋である。

そう、東京メソニックセンターは元々、水交社(旧日本海軍の士官クラブ)の建物だったのだ。

ちなみに応接室では来客などの対応以外にも、違反を犯した会員の処罰を決めるための話し合いも行われるらしい。