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共有している山林の固定資産税はどうなる?
売却した場合の固定資産税はどうなる?

共有している山林の固定資産税はどうなる?

山林を所有するだけでかかる固定資産税!どれくらいかかるかを解説
(画像=引用:写真AC、『マウンテンシティ』より引用)

不動産は複数人で所有することもでき、これを「共有」といいます。

特に相続事案で共有となることが多く、被相続人が遺言書を残さなかった場合、不動産は必ず共有状態となります。

他にもアウトドアレジャーを目的に、山林を友人と共同購入したような場合も共有となりますが、この場合の固定資産税の負担はどうなるのでしょうか。

例えばA、B、Cの3人がそれぞれ持分を三分の一ずつとして共有している場合を想定します。

この場合は税額のそれぞれ三分の一ずつの納税義務を、一人一人負うのが公平のように思えます。

しかし地方税法の規定により、共有不動産の固定資産税はそれぞれの持分権者が連帯納付義務を負うとしています。

つまりABCの3人はそれぞれ他人の分も、連帯して納税しなければなりません。

実務上は代表者を決めることで納付書の送り先を一本化し、代表者が固定資産税を全額肩代わりして納めることになります。

肩代わりした代表者が他の共有者に対して求償権を持つため、Aが代表となり全額納付したとすれば、肩代わりした分はそれぞれBCに請求します。

売却した場合の固定資産税はどうなる?

山林を所有するだけでかかる固定資産税!どれくらいかかるかを解説
(画像=引用:写真AC、『マウンテンシティ』より引用)

自分で使えない山林を相続で承継した場合や、レジャー目的で購入したものの病気や転勤などの事情で利用できなくなった場合のように、山林を売却する場合の固定資産税はどうなるのでしょうか。

結論から述べると、日割り計算して売主・買主の双方が清算します。

冒頭で固定資産税は毎年1月1日時点で、所有者となっている者が納税義務を負うとお話ししました。

従って年の途中で売却した場合でも、売り主が納税義務を負うことになります。

しかし売却して他人の手に渡ったにも関わらず、納税を負担するのは不公平ですよね。

そこで売買が成立し物件を買い手に引き渡した後については、日割り計算をして清算するのが一般的です。

日割り計算による清算での注意点として、起算日をいつにするのかという問題があります。

これは地域によって慣習が異なり、また法律で決められているものでもありません。そのため取引当事者の間で取り決めておかなければならないものです。

  • 関東では1月1日を起算日とし、1/1~物件引き渡し日までが売り手負担で、それ以降が買い手負担として清算することが多い
  • 関西では4月1日を起算日とし、4/1~物件引き渡し日までが売り手負担で、それ以降を買い手負担として清算することが多い

混乱しやすいので起算日をいつにするかは、納税義務者が確定する「1月1日(賦課期日)」という数字とは別のこととして考えるようにしてください。

固定資産税の日割り精算については、売買取引を仲介する不動産業者にしっかり確認しましょう。