「本記事は、西成活裕氏の著書『東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。」

ジャンプ,大胆
(画像=chikala/stock.adobe.com/)

「大胆に行動する」ことが成功への第一歩

何をするにも慎重になって、石橋を叩くのは悪いことではありません。

しかし、慎重になりすぎて橋を叩き割ってしまったら、もう先へは進めなくなります。

成功者には、「大胆かつ細心」である人が多くいます。

有名なところでは、京セラや第二電電(現・KDDI)を創業した稲盛和夫さんも、「大胆さと細心さをあわせ持つことで初めて完全な仕事ができます」とおっしゃっています。

「多段思考力」「疑い力」「微分思考力」も大事ですが、自分の中である程度、納得できるところまで考えたら、あとは「正しい」と信じて行動することが重要です。

どれだけ細心の注意を払って検討しても、100%安全・安心ということはなかなかないものです。

多少のリスクがあったり不安を感じたとしても、大胆に行動することで次の展開へと繫がり、成功へと近づいていきます。

リスクを恐れて何もやらないと、いずれやったとき以上のリスクを背負うことになるでしょう。

日本人は欧米人に比べ、リスクを恐れてなかなか行動しません。

「分からなければ、やらない」のが日本人だとすると、オランダ人は正反対で、「分からないから、やってみて考えよう」という発想です。

同じヨーロッパでも、どちらかというと慎重派のドイツ人は、日本人に近いと言えるでしょう。

そのため、ヨーロッパで何か新しいことを始めるとき最初に実践するのはオランダ人で、ドイツ人はその結果を見てやるか、やらないかを決める、という話を聞いたことがあります。

高速道路で導入されている距離別料金制度も、最初に実験的に行ったのはオランダでした。

高速道路の料金は、一般にゲートを出入りするときに支払いますが、この制度は、全ての車にGPSを車載し、あとから走った距離を算出・課金するというものです。

他国が尻込みする中、オランダはいち早く導入に向けた準備を始めました。

実際は導入まで至らなかったようですが、周辺国はオランダの結果を見て、導入するかしないか決めようと考えていたそうです。

日本でも導入が検討された「シェアド・スペース(共有空間)」を最初に始めたのもオランダです。

都市交通が安全かつスムーズに流れるようにするため、道路という空間をみんなで共有しようという発想から生まれたこのアイデア。

道路から信号機や標識など全て取り外し、車も人も自由に動けるようにする、というものです。

信号も何もないとなると、あちこちで交通事故が起こって危険性が高まるように思えますが、導入してみた結果、交通事故はむしろ減りました。

信号も標識もないと、車は危なくてスピードを出せません。みんなが慎重に運転をするようになったため、交通事故が減ったのです。

このアイデアを考えた人はもちろん、事前に予想していたと思いますが、実際にどうなるかは、やってみないと分かりません。

これこそまさに、行動してみることの重要性を示す例です。

オランダの取り組みを機に、「シェアド・スペース」はヨーロッパを始め、アメリカやオセアニアにも広がっていきました。

日本でも、山口県防府市が「シェアド・スペース」の手法を導入した街路を2019年9月に完成させています。

オランダの「大胆な行動」のおかげで、「シェアド・スペース」は成功することが分かり、交通事故を減らす画期的なアイデアとして世界に広がっていったのです。

思い切った行動をするためには、「疑う力」よりも「信じる力」が必要です。

もし失敗したとしても、次の手を考えればいいだけ。

どんな結果になっても、前に進めることには変わりないのです。

東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』より
著者:西成活裕さん/あさ出版
定価:1540円(税込)
ISBN:9784866672137

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