よく利用するコンビニエンスストアで複数種のポイントを同時に獲得する「ポイント多重取り」ができると、長い目で見たときに大きなお得となる。ここでは、セブン-イレブンでの多重取り方法を紹介しよう。

セブン-イレブンでポイント多重取りするための基礎知識

「ポイント多重取り」とは、一度の支払いでクレジットカードやスマホ決済の利用ポイント、共通ポイント、各ショップ独自のポイントなど、複数のポイントを同時に獲得することをいう。

ポイントを2重に獲得すると「ポイント2重取り」、3重に獲得すると「ポイント3重取り」と呼ばれ、難易度は高いがセブン-イレブンでは最大でポイント6重取りも可能だ。

まず、セブン-イレブンでポイント多重取りを狙う上での基礎知識を紹介しよう。

一部地域の店舗を除き共通ポイントはたまらない

セブン-イレブンでは「Tポイント」「Pontaポイント」「dポイント」「楽天ポイント」といったいわゆる共通ポイントはたまらない。

ただし例外として、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県の店舗では、阪急阪神グループの共通ポイント「Sポイント」が0.5%分付与される。なお、セブン-イレブン系の電子マネー「nanaco」で支払った場合は「nanacoポイント」のみの付与となり、「Sポイント」+「nanacoポイント」という形の2重取りはできない。

セブン&アイグループ店舗のポイント「セブンマイル」がたまる

セブン-イレブンでは、共通ポイントがたまらない代わりに「セブンマイル」をためられる。セブンマイルとは、セブン-イレブンなどセブン&アイグループ店舗でポイント(マイルと呼称)がたまる仕組みで、ポイントは「nanacoポイント」に交換可能だ。ポイント還元率は0.5%となる。

主要なクレジットカード・電子マネー・スマホ決済に対応

セブン-イレブンでは、主要なクレジットカード・電子マネー・スマホ決済はほとんど全て使える。ケースバイケースではあるが、基本的には各決済方法の利用ポイントを獲得可能だ。

「セブンカード・プラス」はメリットがあるか?

「nanaco」へチャージできるクレジットカードは、「セブンカード・プラス」などセブン-イレブン系のカードのみとなる。ただし、後払い式電子マネー「QUICPay」に「nanaco」の機能が付いた「QUICPay(nanaco)」には、他のクレジットカードでもチャージ可能だ。

「セブンカード・プラス」は、「nanaco」へのチャージ分を含む通常のポイント還元率が0.5%。セブン-イレブンでクレジット払いをした場合は1%還元で、還元率だけでいうとポイント多重取りを想定した場合でもメリットは薄い。

「Kyash」はメリットがあるのかないのか?

「Kyash」はポイント多重取り時に重宝されてきたプリペイドカードだ。

クレジットカードで「Kyash」にチャージ(VISAまたはMasterCardブランドのみ対応)すると、チャージ時のクレジット利用ポイントと「Kyash」での支払い時に付与されるポイントの2重取りとなるのがその理由だ。

ただし、2021年2月、クレジットチャージ分(Kyashバリュー)で支払うときのポイント還元率が0.2%まで引き下げられた(月間付与上限100ポイント=5万円利用分)。この改変により多重取り時のメリットは薄くなったといっていいだろう。

一方で、2020年11月に本人認証サービス(3Dセキュア)への対応が始まり、スマホ決済へのチャージが可能となった。

そこで新たな多重取り手法として、クレジットカード→「Kyash」→スマホ決済という2段階のチャージによるポイント3重取りが現在可能だ。つまり、クレジットカードからスマホ決済へのチャージの間に「Kyash」をはさむと、月間5万円のチャージまで0.2%分を上乗せできる。

セブン-イレブンでポイント多重取りする5つの方法

共通ポイントが付与されず多重取りしにくい印象もあるセブン-イレブンだが、工夫次第で最大6重取りも可能だ。具体例を挙げて紹介しよう。

【セブンマイル+電子マネー+クレジット決済】でポイント3重取り

支払い時にポイントが付与される電子マネーにクレジットカードでチャージすることで、電子マネー利用ポイントとクレジット利用ポイントの2重取りとなり、さらに「セブンマイル」を獲得すれば3重取りとなる。

おすすめは1.2%還元の「リクルートカード」(VISAかMasterCardブランドを選択)と、利用時に0.5%還元となる「楽天Edy」の組み合わせ。ただし、「リクルートカード」では月間3万円を超える電子マネーチャージ分にはポイントが付与されない。その点は注意したい。

《ポイント獲得例》
クレジットカード名 「セブンマイル」の還元率 クレジット利用ポイント還元率 「楽天Edy」利用ポイント還元率 合計還元率
リクルートカード 0.5% 1.2% 0.5% 2.2%
(※リクルートカードのホームページを元に筆者作成)

【セブンマイル+スマホ決済+クレジット決済】でポイント3重取り

スマホ決済にクレジットカードでチャージ(あるいは紐付け)すると、「セブンマイル」と合わせての3重取りが可能だ。

「dカード」を「d払い」に紐付けするケースで考えると、クレジット利用分に1%分、「d払い」分に0.5%の「dポイント」が付与される。

《ポイント獲得例》
クレジットカード名 「セブンマイル」の還元率 クレジット利用ポイント還元率 「d払い」利用ポイント還元率 合計還元率
dカード 0.5% 1% 0.5% 2%
(※dカードのホームページを元に筆者作成)

ただし、一部のクレジットカードでは主要コンビニの利用分が大幅にポイントアップされるものがあるので、そうしたカードを持っているなら、電子マネーやスマホ決済を介することなく直接クレジット決済をした方がお得だ。

例えば、「三井住友カード(NL)」は、セブン-イレブンでVISAかMasterCardのタッチ決済で支払うと5%還元を得られる。そこで、「セブンマイル」と合わせて最大5.5%分還元となる。

すでにこのカードを持っているなら、「セブンマイル」+クレジット決済の2重取りがおすすめだ。

【セブンマイル+スマホ決済+Kyash+クレジット決済】でポイント4重取り

クレジット決済で「Kyash」へチャージ、そこからさらにスマホ決済にチャージ(あるいは紐付け)することで、クレジット利用ポイント+「Kyashポイント」+スマホ決済利用ポイントの3重取りが可能。さらに「セブンマイル」で4重取りとなる。

ただし、スマホ決済にチャージ・紐付け可能な「Kyash」(「Kyash Card」)では発行が有料(900円)となっている。すでにそのカードを持っている場合は別として、ポイント多重取り目当てにそのカードを取得するのはおすすめできない。

ここでは、ポイント獲得例として「リクルートカード」「d払い」を使うケースを紹介する。クレジット利用ポイントは「dポイント」へ交換可能なので、高還元率でかつポイントをまとめやすい組み合わせだ。

《ポイント獲得例》
クレジットカード名 「セブンマイル」の還元率 クレジット利用ポイント還元率 Kyashポイント 「d払い」利用ポイント還元率 合計還元率
リクルートカード 0.5% 1.2% 0.2% 0.5% 2.4%
(※リクルートカードのホームページを元に筆者作成)

【セブンマイル+QUICPay(nanaco)決済+クレジット決済+ANAマイル】でポイント4重取り

「セブンカード・プラス」などセブン-イレブン系のクレジットカード以外で、「nanaco」利用ポイントとの多重取りを狙う際におすすめなのが、JCBが発行する「JCBカード/プラスANAマイレージクラブ」だ。1,375円(税込)の年会費のかかるカードだが、多重取りにおけるメリットの大きな1枚である。

このカードではセブン-イレブンでの利用分が通常の3倍の1.5%還元となり、それは「QUICPay(nanaco)」にも適用される。そこで、クレジット利用ポイント+「nanaco」払いによるポイント+「セブンマイル」で3重取りになる。

さらに、セブン-イレブンは「ANAカードマイルプラス」の加盟店でもあるため、このカードでは200円(税込)の利用につき1マイルが付与される。1マイルは通常2円相当の価値とされるので、これを1%還元とみなしてもいいだろう。

以上で合わせて4重取りとなり、ポイント還元率は3.5%相当(1マイル→2円相当として計算)。なお、JCBのポイントや「ANAマイル」は「nanacoポイント」に交換できるのでポイントもまとめやすい。

ただし、「ANAマイル」から「nanacoポイント」への交換では、1万マイル→1万ポイントのレートなので、その場合は4重取りの合計は3%還元だ。

《ポイント獲得例》
クレジットカード名 「セブンマイル」の還元率 クレジット利用ポイント還元率 ANAマイル還元率 「nanaco」利用ポイント還元率 合計還元率
JCBカード/プラスANAマイレージクラブ 0.5% 1.5% 0.5%(ポイント還元率換算で1%相当) 0.5% 3.5%相当
(※各カードのホームページを元に筆者作成)

【セブンマイル+QUICPay(nanaco)決済+クレジット決済+ANAマイル+楽天Pasha】でポイント5重~最大6重取り

「楽天Pasha」とは、全国のコンビニやスーパーなどで購入した対象商品のレシートを撮影して送信すると、各商品に設定された「楽天ポイント」が付与されるサービス。対象商品はその都度異なるが、例えば、お茶飲料や牛乳がどれでも5ポイント、サンドイッチやおにぎりがどれでも5ポイント……といった設定である。

そこで、先の4重取りにこれが加わることで5重取りが可能となる。セブン-イレブン自体でも特定商品の購入でボーナスポイントが付与される仕組みがあり、それも合わさると最大6重取りまで可能だ。

セブン-イレブンをよく使うなら最低でも3重取りは狙いたい

ここでは6重取りまでのケースを紹介したが、手間や初期費用のかかるケースでは難易度が高くなっていく。

例えば、「JCBカード/プラスANAマイレージクラブ」を取得すると高還元を狙えるのは確かだが、ANA便を利用する機会が少ない人にとっては、年会費がかかることもあり、あまりおすすめできない選択肢だ。

ただ、多重取りの考え方を理解できていれば、この記事で紹介したクレジットカードやスマホ決済でなくても、すでに利用している手段をうまく組み合わせることによるポイント多重取りは難しくない。ポイント3重取りまでは容易なので、まずはそこを狙ってみよう。

また、いずれのケースでも「セブンマイル」は多重取りに欠かせない。ぜひ対応するアプリをスマホに導入しておきたい。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

この筆者の記事を見る

【関連記事】
住宅ローンのおすすめ金融機関をFPが厳選!変動金利、固定金利のおすすめは?選ぶときの注意点は?
iDeCo(イデコ)を40代から始めるのは遅いのか
人気ゴールドカードのおすすめ比較ランキングTOP10!
プラチナカードの比較ランキングTOP10!還元率や年会費、アメックスやJCB、自分に合った1枚はどれ?
ポイント還元率の高いクレジットカード11選