「日本におけるカフェチェーンのNo.1は?」と聞かれたら、「スターバックス」と答える人が多いのではないだろうか。しかし、2万人以上が回答した最新の顧客満足度調査で1位になったのは、スターバックスではなかった。1位はドトールコーヒーだろうか、それともタリーズコーヒーだろうか。
JCSI(日本版顧客満足度指数)とは?
冒頭で紹介した顧客満足度調査は、公益財団法人「日本生産性本部」のサービス産業生産性協議会(SPRING)が2021年8月に公表した「2021年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査」だ。その中で、カフェの顧客満足度ランキングが発表されている。
この調査は、サービス産業の約30業種を対象に毎年実施しているもので、調査の狙いを「付加価値や顧客満足を高める経営が日本全体に広がり、企業の成長と国際競争力の強化に役立つこと」としている。
第1回調査では、カフェ部門のほか「飲食」「携帯電話」「銀行」「証券」「電力小売」「MVNO(仮想移動体通信事業者)」の部門でもランキングが発表されたが、今回はカフェ部門に絞ってランキングの結果を見ていこう。
カフェ部門のランキング結果は?
2021年度の第1回調査で、カフェ部門は5つの企業・ブランドが対象となった。コメダ珈琲店、スターバックス、タリーズコーヒー、ドトールコーヒー、ミスタードーナツだ。
早速ランキングを見ていくが、今回だけでなく過去の調査結果も併せて紹介する。「過去のランキングから順位がどう変わったか」にも注目してほしい。
<カフェ部門の顧客満足度ランキングの推移>
年度 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 |
---|---|---|---|---|
2021年度 | コメダ珈琲店 | スターバックス | ドトール | - |
2020年度 | スターバックス | コメダ珈琲店 | タリーズ | ベローチェ |
2019年度 | ドトール | ベローチェ | スターバックス | コメダ珈琲店 |
2018年度 | ベローチェ | ドトール | コメダ珈琲店 | ミスタードーナツ |
2017年度 | ドトール | ミスタードーナツ | コメダ珈琲店 | ベローチェ |
2016年度 | ドトール | タリーズ/ベローチェ | スターバックス | |
2015年度 | ドトール | ベローチェ | スターバックス | コメダ珈琲店 |
2014年度 | スターバックス | ベローチェ | ドトール | タリーズ |
2013年度 | ベローチェ | ドトール | - | - |
2012年度 | コメダ珈琲店 | ベローチェ | - | - |
2011年度 | ベローチェ | ドトール | - | - |
1位:コメダ珈琲店
1位はコメダ珈琲店で、2012年度調査以来9年ぶりにトップに返り咲いた。コメダ珈琲店は、「顧客期待」「知覚価値」「ロイヤルティ」などで高い評価を受けた。
2位:スターバックス
2020年度の1位だったスターバックスは、2021年度調査では順位を1つ落として2位となった。スターバックスが高い評価を受けたのは、「知覚品質」「推奨意向」などだ。
3位:ドトールコーヒー
3位はドトールコーヒー。2019年度、2017年度、2016年度、2015年度は1位だったが、この2年間は1位を競合に譲っている。
上位3社の売上・戦略は?
カフェ業界は競争が激しく、各社は固定ファンの獲得や流出防止に向けて、さまざまな戦略を打ち出している。上位3社の売上や戦略について、簡単に触れておこう。
コメダ珈琲店、2025年までに1,200店舗へ
コメダ珈琲店を経営するコメダホールディングスは、コロナの影響を強く受けた2021年2月期を除いて、売上高・純利益は右肩上がりだった。2025年までの中期経営計画では、店舗数を現在の約900店舗から1,200店舗まで増やすとしている。
スターバックス、コロナ禍で売上を14%落とす
日本におけるスターバックスの運営会社であるスターバックスコーヒージャパンは、2018年度から2019年度にかけて売上高を約10%、純利益を約14%伸ばしている。2020年度はコロナ禍で売上を約14%落とした。
ドトールコーヒー、今期は黒字に戻る見込み
ドトールコーヒーを運営するドトール・日レスホールディングスは、2021年2月期に約109億円の赤字を計上したが、2022年2月期は43億円の黒字に転換する見込みだ。
2022年のランキングにも注目
ランキングの推移を見ると、毎年順位がめまぐるしく変動していることがわかる。それだけ、大手カフェチェーンの実力は均衡しているということだろう。2022年のランキングがどのようになるか、気になるところだ。
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。
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