暑くなる夏に向けて増えてくる熱中症。実は総務省消防庁の統計によると、熱中症の約4割は敷地内全てを含む住居で発生しています。日本コカ・コーラのスポーツ飲料ブランド「アクエリアス」が調査をしたところ、子どもの65.7%、高齢者の76%が、自身の知らないうちに熱中症になる「隠れ熱中症」を経験していることが分かりました。

 熱中症は太陽の照りつける昼間の屋外でなるもの、と思いがちですが、実は室内でも発症するもの。体内の水分量と気温、湿度の関係で熱中症の症状があらわれます。

 日本コカ・コーラの熱中症対策飲料「アクエリアス」では、小学校1年生~高校3年生のお子さんを持つ保護者516人と65歳~75歳の高齢者208人を対象に、水分補給や熱中症に関する実態調査を実施。その結果を2021年6月28日に公表しました。

 調査は、保護者には自分のお子さんのことについて、そして高齢者にはご自身のことについて設問に答えてもらう形。まず過去5年間で熱中症になった経験を聞くと、高齢者の13.0%、子どもでは25.6%が熱中症を経験しており、内訳を見ると特に高校生が33.3%と目立ちます。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 そこで、熱中症を経験したという159人に対し、熱中症になった時間帯を質問すると、10時台(8.2%)から数が増え始め、14時台の45.3%をピークに、16時台(13.2%)までが熱中症リスクの高い時間帯といえそうです。また、高齢者27人の回答を見ると、明け方の3時台(3.7%)から7.4%の5時台を小さなピークにした6時台(3.7%)でも熱中症を経験した方がおり、就寝中でも油断できないことが分かります。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 熱中症には、自分では気づきにくい「隠れ熱中症」と呼ばれるものがあり、暑さによる吐き気やめまい、ふらつきなどの症状があらわれます。これらの症状について質問してみると、高齢者では76%、子ども65.7%が経験したことがあると回答しています。

 隠れ熱中症経験者の497人に症状が起きた場所を聞くと、子どもの場合は「運動場や学校の校庭(36.0%)に次いで「自宅(26.8%)」が多く、さらに「校舎内」が18.3%と続きます。高齢者の場合は半数近い48.7%が「自宅」と答え、続く「道端(13.9%)」を大きく引き離しています。子どもの場合も「自宅」と「校舎内」を足すと45.1となり、隠れ熱中症は屋内で発症していることが多いようです。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 熱中症を避けるため、対策していることを聞いてみると、子ども(65.9%)も高齢者(73.6%)も「定期的な水分摂取」がトップ。しかし、就寝中の汗などで失われた水分を補給するため「起きてすぐ水分摂取」をしているのは、子どもで20.7%、高齢者で44.2%と半数以下。また「就寝時に枕元に飲料を置く」という方は、子ども12.8%、高齢者19.2%と1割台に過ぎませんでした。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 年齢や性別、活動レベルによっても異なりますが、厚生労働省の「『健康のため水を飲もう』推進運動」では「1日2.5リットルの水が必要」とし、目覚めの1杯と寝る前の1杯という「あと2杯水を飲む」を推奨しています。そこで、1日にどれくらいの水分を摂っているかたずねてみると、平均で子ども1433.0ml、高齢者で1776.5mlとなりました。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 水分は食事からも摂れることから、飲み水としては1日あたり2000mlが目安とされていますが、子どもも高齢者も、その量には達していないことが分かります。また、水分は1時間あたりコップ1杯(200ml)程度を複数回に分けて飲むのが良いとされていますが、こちらについては平均で子ども165.2ml(達成率82.6%)、高齢者148.0ml(達成率74.0%)となり、飲むペースについても不足気味であることが判明。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 ちなみに、1日に必要な水分摂取量について知っているかの質問に対して「知っている」と答えたのは、子どもで23.8%、高齢者で55.8%。1日数回に分けて飲む摂取方法についても、子どもの60.9%、高齢者の39.4%が「知らなかった」と答えており、1日に必要な水分を摂取できていると思うか聞いてみると、子どもの59.7%、高齢者の43.3%が「足りない」と答えました。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 熱中症対策として「定期的な水分摂取」をしている方は7割前後と高いものの、実際の量に関しては足りておらず、この差を十分に認識していないことも「隠れ熱中症」の潜在要因になっているのかもしれませんね。

 保護者全員に対し、子どもに1日に必要な水分量を摂らせることは難しいか質問してみると、全体の63.4%が「難しい」と回答。外出時に飲み物を持たせている、という保護者484人に飲料を持たせる際の悩みを聞くと、回答のトップが「水筒自体が重い(36.0%)」、次いで「残して帰ってくる(35.7%)」と、水分補給させる難しさが浮き彫りになりました。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 高齢者の場合はどうでしょうか。208人全員に、1日に必要な水分量を摂ることは難しいか聞くと、30.3%が「難しい」と回答し、その理由として「飲みたいと思わない(47.6%)」や「飲むとトイレが近くなる(44.4%)」「喉があまり乾かない(39.7%)」が上位を占めました。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 さらに、外出時に飲み物を持ち歩いているという151人の高齢者に対し、普段の水分摂取について聞いてみると、73.5%と多くが「喉が渇かなくてもこまめに飲む」としていながらも、半数以上の55.6%が「引用量の把握が難しい」、そして44.4%が「正しい水分補給方法がわからない」と回答しています。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 高齢になると新陳代謝が衰えて喉の渇きを感じにくくなり、気付かぬうちに脱水症状におちいって熱中症のリスクが高まることも。喉が渇かなくても、意識的に水分摂取を心がけたほうが良さそうです。

 ふじみの救急病院院長の鹿野晃先生に熱中症対策と適切な水分補給についてうかがうと、高温・多湿の環境でマスクをしていると体に負担がかかり、熱中症のリスクが高くなるとのこと。屋外では周囲の人と純分な距離(少なくとも2m以上)を保ちつつ、適宜マスクを外して休憩するといいそうです。

 また、マスクをしていると常に口の周りが湿って渇きを感じにくいので、喉が渇いていなくてもこまめな水分補給を心がけた方が良いとのことです。汗で水分とともにミネラル分も失われているので、ミネラル補給も忘れずに。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 子供や高齢者は体温調節能力が不十分なため、熱中症のリスクはより高いそうです。衣服の調節やエアコンの積極的な活用、定期的な水分摂取と換気で熱中症を予防しましょう。

 アクエリアスでは、熱中症対策として水分補給を積極的に行うための啓発動画を公開。実際に高齢者夫婦と親子の2組に協力してもらい、1時間、普段通りに過ごしてもらいながら水分をとってもらいました。これに加えてオンラインでも5人を対象に同様の実験をしたところ、多数の方が1時間あたり飲むべき量(200ml)を飲んでいないことが判明したといいます。

気づきにくい「隠れ熱中症」子ども65.7% 高齢者76%が経験
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 意識しながら水分補給する方法として、ふじみの救急病院院長の鹿野晃先生は、ペットボトルに目盛りをつけたり、目盛り入りの水筒を活用すると良い、と提案してます。一定の時間ごとに目盛りを参考にして水分補給。新たな習慣にしたいですね。

提供元・おたくま経済新聞

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