著名なSPACの事例。トヨタやテスラが採用する先端企業
SPACの事例として、著名な会社を紹介します。2021年、トヨタ自動車も採用する3DプリンターメーカーのMarkforgedが、SPACのOneと合併して上場するプランを発表しました。合併後の時価総額は、21億ドル(約2,240億円)になると予想されています。
Markforgedは、カーボンと金属を使用する産業用プリンターを製造している会社で、Oneとの合併で4億ドルの現金を調達することが可能となります。その資金は、新製品や新たなユースケースの開発に活用されるようです。
同社は、2018年に『フォーブス』誌の「次世代スタートアップ企業(Next billion-dollar startups)」に選出されている先端企業で、NASA(米航空宇宙局)やトヨタ自動車、ポルシェ、ボッシュ、テスラ、米空軍など、世界を代表する企業や組織が顧客に名を連ねています。SPAC経由で、こうした有望な未公開会社の投資に参加できるのは、非常に魅力的です。
日本におけるSPAC、ソフトバンクの活発な動き
日本の市場では、SPACは認められていません。しかし、ソフトバンクグループが2020年末、米証券市場でSPACを設立し、今年もさらに2社新設しています。こうした動きが活発になれば、日本でもいずれ認められる可能性は高いと言えるでしょう
日本も従来の上場プロセスが複雑なため、もしSPACが認められたら、IPOを目指す企業の視点、投資家の視点、両面から大きなブームが起きると考えられます。有望だが資金不足のために成長が妨げられている日本企業に大きなチャンスをもたらし、日本経済が活性化することでしょう。
SPACは新たな投資先として魅力的
今後の課題は、一過性のブームに終わらせず、失敗事例なども教訓に投資家も知見を深めて、SPAC市場をいかに成熟させていけるかが鍵となるでしょう。
失敗事例として、ニコラのSPAC上場が挙げられます。2020年、二酸化炭素を排出しない大型トラックの開発事業を進めるニコラという会社が、SPACを活用してナスダックに上場しました。一時期は株価が90ドル以上の値を付け、時価総額は3兆円にも上りました。その後、「ニコラの技術には虚偽あり」というレポートが公表され、創業者が辞任するに至り、株価は16ドルと大幅に下落したのです。
しかしながら、アメリカを中心にSPAC投資が一大ブームとなっているのは事実です。前述した通り、投資家保護のルールが設けられ、また、未公開会社への投資資金の回収が迅速にできます。新たな投資先として、富裕層を中心に注目が集まるのも明白でしょう。
日本でも昨今、米国株が人気を呼んでいるので、米証券市場経由でSPACに投資する人が増えていく可能性があります。SPACの動向について、今後も注視する必要があるでしょう。
文・J PRIME編集部
提供元・JPRIME
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