そろそろ車検で、車を買い替えようと考えている人も多いだろう。買う前に、今どの車が売れているのかはチェックしておきたいところ。ここでは、2019年11月の国内自動車販売台数ランキングを紹介。上位3台にフォーカスし、どんな特徴があるか紹介していこう。

2019年11月乗用車ブランド通称名別順位トップ10 トップ3をトヨタが独占

参考にしたデータは、一般社団法人・日本自動車販売協会連合会が毎月発表している、「乗用車ブランド通称名別順位」。ブランド通称名とは、国産車の同一車名を合算したもので、例えば「カローラ スポーツ」と「カローラ」ではボディ形状が違うものの、同じ「カローラ」として合算してカウントされる。

また、軽自動車や海外メーカーのクルマは対象外とし、発売1年未満のクルマについては、前年比欄で発売年月を記載している。早速ランキングを紹介していこう。
 

順位 車名 メーカー 台数 前年比
1 カローラ トヨタ 10,705 125.1
2 シエンタ トヨタ 10,331 102.8
3 プリウス トヨタ 8,375 95.6
4 ライズ トヨタ 7,484 (2019年11月)
5 ルーミー トヨタ 7,132 100.9
6 ノート 日産 6,712 69.6
7 フリード ホンダ 6,444 98.0
8 タンク トヨタ 6,114 96.8
9 アクア トヨタ 6,021 59.0
10 アルファード トヨタ 5,748 102.6

(※出典=「乗用車ブランド通称名別順位2019年11月」一般社団法人日本自動車販売協会連合会より)

次からはトップ3の車の特徴を紹介していく。

1位,トヨタ「カローラ」 9月に新型が発売され首位に輝く

(写真=トヨタ自動車)

1位になったトヨタ「カローラ」は、それまではトップ10に入るものの上位には食い込めず、10月になって急浮上して1位になった。

これは9月17日に「カローラ」と「カローラ ツーリング」を車名とともにフルモデルチェンジしたことが大きい。また、2018年6月には「カローラ スポーツ」にTNGAプラットフォームを採用し、低重心でスポーティにデザインと走りが大きく変わっている。

このTNGAプラットフォームは「カローラ」「カローラ ツーリング」にも採用されていて、さらに最新の「Toyota Safety Sense」を全車標準化することで安全性能を強化。国内トヨタ初となるディスプレイオーディオの標準搭載や、スマホと連携のコネクティッドサービスも充実させた。

「カローラ」のボディタイプは4ドアハッチバック、セダン、ワゴンとあり、エンジンもガソリン車、ハイブリッド車、排気量も1,200cc、1,500 cc、1,800 ccと選択肢や組み合わせがとても多い。多様化するライフスタイルに合わせて、さまざまなラインアップを用意しているのが特徴だ。結果的に合算台数が伸びた理由でもあるだろう。

  • 「カローラ スポーツ」(コンパクト ガソリン/ハイブリッド)税込価格2,169,200円~
  • 「カローラ」(セダン ガソリン/ハイブリッド)税込価格1,936,000円~
  • 「カローラ アクシオ」(セダン ガソリン/ハイブリッド)税込価格1,546,600円~
  • 「カローラ ツーリング」(ワゴン ガソリン/ハイブリッド)税込価格2,013,000円~
  • 「カローラ フィールダー」(ワゴン ハイブリッド)税込価格2,612,500円~

2位,トヨタ「シエンタ」 8月、9月は販売台数1位なものの、カローラに首位を奪われる

(写真=トヨタ自動車)

2位になったトヨタ「シエンタ」は、8月1日には特別仕様車、9月11日にはマイナーチェンジでアウトドアや車中泊に向いている2列シート車(5人乗り)を新設定。8月、9月での販売台数では1位だった。

エンジンは1,500ccと、1,500cc+モーターのハイブリッドがあり、駆動は2WD、4WDを用意。

底床でスライドドアを採用しているため乗り降りがしやすく、室内高は1,208ミリもあるため小さな子どもなら車内で着替えもできる利便性が最大の特徴。3列シート車では乗車定員が最大7名のもあり、荷物の多いファミリー旅行でも便利に使える。

・「シエンタ」(ミニバン ガソリン/ハイブリッド)税込価格1,809,500円~

3位,トヨタ「プリウス」 4月~7月まで1位を独走!

(写真=トヨタ自動車)

3位になったトヨタ「プリウス」は、2019年の4月、5月、6月、7月と首位を独走。これは、5月9日に「プリウスPHV」の一部改良を行ったことが大きい。

改良内容は乗車定員を従来の4名から5名としたことでゆとりのある車内空間を実現させた。また、急速充電インレットにオプションとして外部給電機能(V2H)を設定したことにより、「プリウスPHV」の駆動用バッテリーの電力を家庭用電力として使える。さらに住宅の太陽光発電の電力をクルマの駆動用バッテリーに蓄電することも可能となった。

1,800cc+モーターのハイブリッドで2WDとE-Four(電気式4輪駆動方式)が選べる「プリウス」と、1,800cc+モーターのプラグインハイブリッドで2WDのみの設定となる「プリウスPHV」があり、ともに5人乗り。

  • 「プリウス」(セダン ハイブリッド)税込価格2,565,200円~
  • 「プリウスPHV」(セダン ハイブリッド)税込価格3,237,300円~
  • 「プリウスα」(ワゴン ハイブリッド)税込価格2,612,500円~
  • 「プリウスα GR SPORT」(ワゴン ハイブリッド)税込価格2,565,200円~
  • 「プリウスPHV GR SPORT」(セダン ハイブリッド)税込価格2,565,200円~

 

ハイブリッド車じゃないと売れない時代?

2019年11月のデータだけを見ると、1位から5位までをトヨタが独占。

他のメーカーの最高位は日産だと6位の「ノート」、ホンダは7位の「フリード」。さらにランキングを見ていくと

  • ダイハツは16位「ロッキー」
  • SUBARUは17位「インプレッサ」
  • スズキは20位に「ソリオ」
  • マツダは24位に「CX-30」
  • 三菱は40位に「デリカDS」
  • レクサスは41位に「UX250H」

    がランクイン。レクサス「UX250H」は、1,012台販売されているが、販売台数1位だった「カローラ」の約1/10の台数だ。ちなみに税込価格は「UX250H」のハイブリッドモデルが4,328,704円~。「カローラ」のハイブリッドモデルが2,123,000円~と、2倍以上の価格差がある。

    販売台数ランキングの上位10台中、8台はハイブリッド車、もしくはハイブリッド車の設定があるクルマだ。ハイブリッド車が上位を独占する傾向は、ガソリン代の高騰や環境意識の高まりもあり、今後も続くと考えられる。

      文・鈴木博之(フリーライター)
     

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