日本の「3大メガバンク」といえば、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行だ。今もこの3社は就職活動中の学生に人気があるが、平均年収はどの銀行の給与が最も高いのだろうか。各銀行の有価証券報告書から、平均年収のデータを見てみよう。

メガバンク3行の平均年収の推移

三菱UFJ銀行、2020年3月期は774万4,000円、近年は下落傾向

まず、日本の3大メガバンクの平均年収の推移を三菱UFJ銀行から紹介しよう。2020年3月期の平均年収(2020年3月末時点)は774万4,000円であり、近年は平均年収が下落傾向にあり、2016年3月期と比べると12万9,000円のダウンだ。

会計年度 平均年間給与
2020年3月期 774万4,000円
2019年3月期 771万5,000円
2018年3月期 773万3,000円
2017年3月期 773万8,000円
2016年3月期 787万3,000円
5期の平均 776万0,600円
※出典:三菱UFJ銀行の有価証券報告書より

三井住友銀行、2020年3月期は828万6,000円、ここ数年は上昇傾向

三井住友銀行は、ここ2年ほどは平均年収が上昇傾向だ。2018年3月期は810万5,000円だったが、2019年3月期は820万3,000円、2020年3月期は828万6,000円と増えている。ただし、直近5年で最も高かった2016年3月期の830万1,000円の水準にはまだ戻っていない。

会計年度 平均年間給与
2020年3月期 828万6,000円
2019年3月期 820万3,000円
2018年3月期 810万5,000円
2017年3月期 814万8,000円
2016年3月期 830万1,000円
5期の平均 820万8,600円
※出典:三井住友銀行の有価証券報告書より

みずほ銀行、2020年3月期は735万8,000円、直近5年は下落の一途

みずほ銀行の平均年収は三菱UFJ銀行と似た動きをしており、近年は下落傾向だ。2016年3月期は757万8,000円だったが、2020年3月期には735万8,000円へ落ち込んでいる。この間、平均年収が上昇に転じたことは一度もない。

会計年度 平均年間給与
2020年3月期 735万8,000円
2019年3月期 737万2,000円
2018年3月期 738万円
2017年3月期 744万5,000円
2016年3月期 757万8,000円
5期の平均 742万6,600円
※出典:みずほ銀行の有価証券報告書より

メガバンク3行の平均年収ランキング!1位は「三井住友銀行」

各銀行の平均年収の推移を紹介したが、直近の平均年収と5期の平均年収をランキングにすると、以下のようになる。最も高いのは三井住友銀行で、2位が三菱UFJ銀行、3位がみずほ銀行だ。

順位 銀行 2020年3月期 5期平均
1位 三井住友銀行 828万6,000円 820万8,600円
2位 三菱UFJ銀行 774万4,000円 776万600円
3位 みずほ銀行 735万8,000円 742万6,600円
※出典:各銀行の有価証券報告書

メガバンク3行の最近の業績は?

日本国内では超低金利政策が長期化していることもあり、各銀行は収益力低下に苦しんでいる。三井住友銀行のように平均年収が上昇している銀行もあるが、少数派だ。各銀行の業績から、今後は平均年収がどう推移していくのか予想してみよう。

三菱UFJ銀行の通期純利益は6,000億円前後をキープしてきたが、2020年3月期は979億円と大幅に落ち込んでいる。

平均年収が最も高い三井住友銀行はどうだろうか。通期純利益は近年微減傾向だが5,000億〜6,000億円台をキープしており、三菱UFJ銀行のような急激な減少には見舞われていない。

平均年収が最も低いみずほ銀行は、他の2行と比べるとやや厳しい状況だ。2016年3月期は5,597億円の純利益を計上していたが、2019年3月期は298億3,800万円の赤字を計上している(ただし、その後は黒字に戻っている)。

この記事では業績の変動要因には触れないが、超低金利政策で銀行の収益力が低下している中でも三井住友銀行の利益は安定しており、今後も他の2行よりも平均年収が高い状況が続くのではないだろうか。

時事トピックスや次の有価証券報告書の内容にも注目

日本人の平均年収と比べると3大メガバンクの平均年収はかなり高いが、推移を比較すると、メガバンクの中でも平均年収が上昇している銀行と下落している銀行があることがわかる。

最近では、みずほ銀行が再びシステム障害問題を起こしたことが話題になったが、このようなトラブルが業績悪化につながると、みずほ銀行の平均年収はさらに下がるかもしれない。

時事トピックスもチェックしながら、各銀行の2021年3月期の有価証券報告書の内容に注目したい。

執筆・
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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