またそれを集めてエネルギーとして利用できるのかは、別の問題になってきます。地下水素資源が安定的かつ大量に利用できるという希望的な見方がある一方で、専門家の中には利用可能な量の地下水素資源が存在するのかどうかには懐疑的な声も少なくありません。
それでも、今回のような新しい物理モデルや地質調査の可能性は、天然水素という“眠れる資源”の利用について、新たな可能性を示しています。
もしフェアリーサークルの下に天然水素の湧出口が本当に存在し、その供給が安定していることが証明されれば、エネルギー問題に対する社会の仕組みが大きく変わる可能性があります。
地球のミステリーが、未来のエネルギー革命への入り口となる日が来るのかもしれません。
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参考文献
Fairy circles may point to underground sources of clean energy from natural hydrogen reserves
https://www.earth.com/news/fairy-circles-may-point-to-underground-sources-of-clean-energy-from-natural-hydrogen-reserves/
元論文
The mechanical genesis of “fairy circle” depressions
https://doi.org/10.1130/G53384.1
ライター
相川 葵: 工学出身のライター。歴史やSF作品と絡めた科学の話が好き。イメージしやすい科学の解説をしていくことを目指す。
編集者
ナゾロジー 編集部